亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

1560ドル台で踏ん張るNY金 一方、ネットロングは1000トン超、さてどうする

2020年01月07日 22時22分18秒 | 金市場
さてさて6日のNY金は、さすがにロボット・トレードのモメンタム相場の高値(1590ドル近辺)は維持できずにアジアに帰ってきたものの、1560ドル台は維持ということになった。注目されたのは、アジアから欧州時間を通しリスクオフの株安が続く中で前週末に大きく売られた米国株式の反応がどうなるかだった。

取引開始から予想通り売られたNYダウは200ドル超下落で取引を開始。しかし、徐々に値を回復し午後2時前にはプラス圏に浮上。その後前日終値水準での値動きを繰り返したものの終盤に値を伸ばし68ドル高で終了と株安連鎖は止まることになった。米株のコメントなど見ていると、むしろこの押し目はチャンスなどとなっており、強いというかなんというか。。。。他の主要指数も同様の値動きで、いずれもプラス圏で取引を終了。半導体は売られたが、総じてIT関連株の底堅さが目立つ展開となった。何があってもGAFAを中心に買い一環ということのようで。

いずれにしても株安(=リスクオフ)に歯止めがかかる中で、金市場はNYの昼前に売りが先行する流れに転じ水準を切り下げ1580ドル前後で推移していた価格も1560ドル台半ばに押し戻されることに。しかし先に書いたように、この水準では買い意欲も強く、そのまま終盤に向けて1560ドル台半ばでの取引が続くことになった。そして本日のアジアでは、(昨日作った)窓埋めとなるかと思っていたら、1550ドル台には入ったものの埋めずにアジアの終盤、ロンドンの早朝には1570ドル台に切り返すなどまずまずの展開となっている。

年始の祭日の関係で発表が遅れていた12月31日時点のCFTC(米商品先物取引委員会)のデータが発表され、NY金はやはりロングのポジションが増加していた。(オプション取引抜きで)重量換算のネットロングは1000トンの大台に乗り、昨年9月24日時点の水準を突破。昨日から本日と利益確定売りが相当程度出ているとみられる。これだけ買い付いたから年末にかけて1500ドル台を回復したといえるが、足元で上値を抑える要素となっている。ただし、かつての感覚であれば、これだけ仮需が買い付いた相場はそろそろ目先のピークアウトということだが、潤沢に資金が供給された金融環境ゆえに果たしてどうか。確かに重荷に違いないが、市場のスケールは拡大しており昔のモノサシでの判断では誤るのではないかと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2020年 年始からトラン... | トップ | NY金 中東の緊張を手掛か... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事