亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

フィッチ米国債格下げの必然 

2023年08月02日 19時52分56秒 | 金市場

まず最初にLineなどを使い私(亀井)の名前を勝手に使い、投資アドバイスなどの勧誘をしているという悪質な行為が伝わってきています。そうしたことに一切、関知しておらず注意してください。

 

8月1日のNY金は反落。

米経済活動の鈍化を示すデータが発表されたにもかかわらず、一方で経済の底堅さを示す内容も含まれるとの見方から米長期金利が上昇。ドルも主要通貨に対し買われ、ドル指数(DXY)が3週間ぶりの高値に上昇し、金市場では売り優勢の流れが終日続くことになった。

NYコメックスの中心となる取引が12月物に移行し水準が切り上がったことも、売りを呼び込みやすかった。通常取引は前日比30.40ドル安の1978.80で終了した。

 

この日の米長期金利は指標となる10年債が一時4.061%と約4週間ぶりの水準まで上昇。 30年債は昨年11月以来の高水準となる4.104%を付けた。ただ、この上昇には、景気見通しや米連邦準備理事会(FRB)による継続利上げ観測以外の、先行きの需給見通しを映した上昇が指摘されている。

米財務省は8月2日に8~10月の米国債の新規発行額を公表するが、資金調達額の拡大により、幅広い年限での発行増が見込まれている。11月以降も発行増加が続くとの見方があり、発行スケジュール発表前に需給の悪化観測が売りを誘い利回りの急伸につながったとみられる。

 

この件とは別に、1日はNY時間の取引終了後の時間帯に格付け機関フィッチ・レーティングスが米国債の格付けの引き下げを発表した。米長期債格付けを最上位の「トリプルA」から1段階低い「ダブルAプラス」に引き下げた。今後3年間で米財政赤字の拡大見通しに加え、債務上限の引き上げを巡る「政治の膠着と土壇場での解決が示すガバナンスの低下(決められない政治)」を反映したとしている。

この決められない政治(ガバナンス)を理由に米国債が格下げされたのは、2011年以来2度目となる。

もともとフィッチは米国債の格付け見通しをネガティブとして、格下げ警告をしていた経緯がある。したがって米財務省が恣意的としているのは、的外れだろう。もっとも、国債発行スケジュールを発表する前日に格下げというのは、恣意的と言えなくもない。 まぁ、いずれにしてもFRBによる歴史的な利上げにより、米国債の発行コスト(利率)は上昇しており、利払い負担も急激に大きくなっている。

新型コロナ禍の大型財政出動と、それに時期が重なった歴史的利上げにより米国財政の赤字は異次元の領域に入っている。 いずれ政治サイドのみならず金融市場でも懸念事項として浮上するものと思われ、こちらは金価格の古典的かつ新規の刺激材料とないそうだ。ファンドのみならずゴールド積み増しに新興国中銀の背中を押すだろう。

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