亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

不思議な急騰!?・・・でなはい

2007年01月13日 11時21分17秒 | 金市場
週末の昨夜の海外市場で金価格(銀も)が急騰となった。NYコメックスで13.1ドル高の627ドルの高値圏での引け。スポット価格も625ドル超で取引をほぼ終えている。通信社の市況速報にはドルが弱含んだ、原油が安値から戻した、穀物市場がコーンを中心に急騰したのが買い安心感をもたらした、金についてはショート・カバー(空売りの買戻し)が節目を突破させ雪崩のような買戻しのスイッチを入れた等々、取材によってまとめたコメントが並ぶが、結局は突然の上昇がなぜ起きたのかヨクワカラン?というトーン。ドルが弱い、原油が戻したといっても動きは小さく、理由にはならない。ドルについては注目の米12月の小売売上高は+0.9%と予想値0.7を上回るもので自動車を除くと+1.0%と予想の倍の好結果となっていた。つまりドルが小安く推移したのは売られたというより買われていた反動、つまり自律的な動きということ。WTI原油にしても1.11ドルの上昇で52.99ドルだから、下支え程度の動き。さてさて不思議な上昇だわい!?・・・というのが市場の受け止め方に見える。

思うに、ファンド(大口の買い手)の買いに、事前に置いていた買戻し指値を次々にヒットされたことで、慌てたショート筋がさらにパニック的なカバー(手仕舞い)に向かったものだろう。年始早々とりわけ5日(19㌦安)に起きた逆バージョンということ。

買い方を動かしたものは何か。今週初めから600ドル飛び台で現物の買い引き合いが見られると書いてきたが、基本的にはこの実需の強さが基盤にあるのではないか。つまり需給はNYコメックスがドタバタしているほど悪くない。そこにもってきて昨夜はイタリア、ドイツ、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、インドでもゴールドETFの取引が開始される見通しが公表されるということがあった。需給見通しの好材料と捉えて610~620ドルどころを買い進むこと自体は何の不思議もないということ。その上は慌てたショート筋がつくった結果ということ。それにしても引け値で624ドルを上回ってきたので形は非常に良くなったといえる。今年は上にも下にもこうした値動きが頻発しそうだ。

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5 コメント

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一次産品争奪戦 ()
2007-01-15 15:16:57
たしかに穀物、エネルギー資源の囲い込みはどんどん進んでいますね。主要国企業による生産国からの収奪というイメージが前面に押し出され、内政的には「囲い込み」は支持を得易いという事情が。このあたりはアフリカをめぐる米中のつばぜり合いが激化中。閣僚の政治資金処理問題追求もいいけど時間を費やさないようにチャッチャと片付けて、政権中枢は日本の先を見てほしいですね。
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米市場月曜日は休みでした (いつも拝見しております)
2007-01-15 00:52:47
とんだ間違いでした。失礼いたしました。火曜日となるみたいですね。それにしても、今日は政府関係者の日銀に対する圧力が面白く感じました。いずれにせよ。今週はいろいろイベントが目白押しですね。
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悪の枢軸イラン (トミカ)
2007-01-14 12:48:27
いよいよ亜米利加がイランと対決開始ですか?イラク増兵はイランへの牽制とみるべきでしょう。中国が世界中から油をかきあつめ、ロシアは着々と天然ガスをおさえはじめています。人口爆発的な増加する世界でエネルギー・資源の奪い合いはますます激しくなっていくのでしょう。
「悪の枢軸」とブッシュさんが数年前に発言したのが思い出されます。ブッシュ政権は2008年までと考えると、今年から来年にかけてイラン攻撃をするのでしょうかねえ。
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ドルとの連携 (いつも拝見しております)
2007-01-13 21:20:28
追伸ですが、ドル円も明確に120円にのせてきました。ユーロドルもドルが若干強くなっています。世界の穀物は実質的にアメリカが支配しているので、ドル円の動向とこの状況を考えれば信頼ならないUSDAも今回発表の数字の方が正解なのかもしれません。何と言っても食料は生活の基本ですから、影響は人命がかかっているし戦争が起きるほど深刻な問題です。生活必需品といえないハイテクに頑張る日本やアジア諸国がどうなるのか心配ですね。もう少し先と思われた一次商品全面高も近いのでしょうか?
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コーンショック! (いつも拝見しております)
2007-01-13 20:46:00
おつかれさまです

週末はおいおいって感じでした。USDAってのはあまりあてにならないと聞いてはいましたが、穀物需給発表の12月発表と比べると本当に驚きの数字です。前日のそれらしい発表があったそうですが、それにしてもこんなちゃぶ台返しの数字が出てくるとはビックリです。600centを目指す動きとの憶測流れる状況で月曜日もストップ高(20cent)が予想される展開と来ては、今まで売っていたファンド筋もストップ高(取引不能)に驚いて他の商品相手に反対売買に動かざるを得ない雰囲気丸出しのブル相場(CSCE除く)。今後の商品全体に波及するかもしれないメガトン級の発表(信頼性?)だけに今後の穀物市場が注目されると思います。そして、穀物上がると干上がってしまう国々が南半球を中心に結構あるので、これまた不安定要因が増えたのかもしれません。
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