亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米11月1日までにワクチン投与体制?で株高、ドル高、金安

2020年09月03日 21時21分50秒 | 金市場
米国主要株式指数軒並み上昇。S&P500とNasdaqは最高値更新でNYダウは2万9000ドル台というリスクオン環境の中での、ユーロドルとドル指数(DXY)の前日の安値水準(2018年5月)からの反発で、ファンドのロボット・トレード主導のNY金の下げ。2日はADP全米雇用報告で8月の民間雇用の増加が(42万8000人増)、予想比(95万人増)で大幅に下振れとなったものの株式市場も為替市場も無視。それよりも「米疾病対策センター(CDC)は2日までに各州の州知事や保健当局者へ、レッドフィールド所長名でワクチンの投与準備を促す複数の文書を送った。11月1日までに供給拠点の設置を速やかに承認できるよう求めた」というニューヨーク・タイムスなどが流したニュースに反応ということになった。

たしかにこの秋に大々的に供給を開始する可能性があるので、投与の拠点を11月1日までに設置せよとの話は、労働市場が足元で失速していようが、極端な場合は雇用者が減少となろうが、ワクチンと治療法さえ確立すれば、早晩不振は解消ということになり足元の状況など気にする必要はない。この1カ月余りの米株式市場は、複数のワクチンの治験の好調を伝えるニュースに押し上げられてきた側面があり、この2日のCDCの通知というのは相応のインパクトがあったのは事実だろう。

それにしても「11月1日までに」との指定は、時間軸で言うならば、これすなわち「米大統領選の投票日前までに」という指示となる。日本時間の今朝米ABCがBreaking Newsとして流したものをNHKBSで見たが、それによると書簡の日にちが共和党大会にてトランプ大統領が、「今年の年末までに、あるいはそれより早く」ワクチンを供給すると宣言した同じ日とのこと。共和党の大統領候補受諾演説のイベントに、エルサレムに派遣したポンペオ国務長官のビデオメッセージを流し、外交までも選挙戦に利用したとしてやり玉に挙げられたばかりだが、偶然の一致ということかも知れないが、さもありなん・・ということか。それにしてもCDCの所長が11月1日までに投与できる体制を作るようにとのお達しとは、ドラマタッチになってきた。

8月の米雇用統計の発表を控える中で注目された8月のADP全米雇用報告の結果は、米労働市場の回復が失速していることを表したと捉える向きが多い。本日は、先週の米失業保険新規申請件数の発表が控える。ダウジョーンズの予想は95万件となっている。


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