亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ETF残高に見る金市場への資金流入

2019年09月24日 23時38分07秒 | 金市場
週明けのNY金はそれなりに珍しい展開となった。欧州の景況指数の落ち込みが止まるどころか、さらに深掘りの様相となったことが、金市場にて買いの手掛かりにされたことがそれ。

IHSマークイットが発表した9月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数)速報値は50.4で、前月の51.9から低下し横ばいを見ていた市場予想も下回った。2013年半ば以来の低水準となる。製造業PMIが45.6と一段と低下したことが全体を押し下げた。

背景に中核国ドイツの落ち込みがある。ドイツの9月の総合PMI速報値は、49.1と2013年4月以来6年半ぶりに好不況の分岐点となる50を割り込んだ。製造業の落ち込みがひどく、製造業PMIは41.4と過去10年余りで最低水準となっている。輸出依存度が高く中国との交易関係の大きいドイツに、米中通商摩擦からの中国の落ち込みが大きく影響していると見られる。そこに英国の欧州連合(EU)離脱見通しなど不透明要因が重なり、予想以上の下押し圧力がかかっている。ちなみにドイツの非製造業PMIは52.5と前月の54.8から低下したものの50台を維持。製造業が足を引っ張っている状況にある。このあたりは主要国に共通する現象。ドイツはこの7-9月期に景気後退期入りが濃厚とみられる。

米中通商交渉、相変わらず日和見的な米大統領の発言に市場は右往左往といったところだが、いずれにしても10月1日の中国の70周年国慶節というイベントを超えてから、中国側がどう出るか。

この環境の中で金市場では金ETFへの資金流入が増えている。最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」はこの2営業日で約25トンの残高を増やしている。NYコメックスの先物ポジションも回転が利いており、再び上値追いの様相


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