亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

リーマンショック後の第2ステージ

2012年06月26日 20時18分59秒 | 金市場
週明けのNY金はユーロ圏をはじめNY株も大きく下げる中で買い上げられたことから、safe-heaven(逃避先)としての買い復活を思わせるような動きだった。それでも先週FOMC翌日の斜面を転がる雪玉状に増えて行ったファンドの投げで下回った1600ドル台への復帰ができていない。状況としては、みな今回も1525~1530ドルの下値ラインの下攻めに耐えられるか否かを見極めようと戦々恐々ということだろうが、維持されるのではないか。南欧関係の各方面の格下げが続く中で、結局ジリ貧状態の経済のあおりは中軸国たるドイツなど北欧の優良国の体力をも蝕むので、それらの国の国債の格下げということも、このままでは見えてくるだろう。そうしたことが予見できる中で、金ETFなども手放すという動きも見られないのではないか。

市場心理の悪化という面では、25日にベルリンで講演したドイツのメルケル首相が、EUサミットでの主要議題と目されているユーロ共同債や金融統一構想などについて、「経済的に間違っているし非生産的だ」とし、ドイツ憲法にも反すると発言し拒否のスタンスを鮮明にしたこと。こうした対応策を求めるフランス、イタリア、スペインなどの主要国との意見対立は避けられず、不測の事態の発生も否定できずという状況。EUサミットも29日が金曜日なので、そのまま話し合いは長引き結果的には“金月処理”的な流れで反応は週明けアジアの時間帯の市場に委ねるということか。ジョージ・ソロスが、意見調整が着かない場合には、「(ユーロ圏の)命取りになる可能性もある」としていた。

ルピー安のインドは、ついに政府が対応策に乗り出したが、いわゆるスタグフレーションという感じで難しい局面に。新興国もそもそもユーロ圏発のカネの逆流現象をきっかけに収縮に入っているので主要国も目立った回復は難しく、株なども当面回復の目は薄そうだ。

リーマンショック後の落ち込みと戻りの後の第2ステージということ。カネはあるところには、ある。偏在して、しかもジッとしている。そのカネを強制的に動かすような方策でも考えるのだろうか。


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1 コメント

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下値維持されれは2400ドル? (こう)
2012-06-27 08:27:54
第一から気になる記事が出ました。


http://www.dai-ichi.co.jp/market/sv/f24_120622.pdf



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