9月11日のNY金は小幅に反落した。発表された8月の米消費者物価指数(CPI)がエネルギーと食品を除くコア指数の前月比伸び率は市場予想を上回り、17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利下げ観測が大きく後退。
NY時間外のアジア時間午後からNY早朝まで2550ドル超で推移してきたNY金は、発表を受け売り圧力が高まり急反落状態となった。
終盤に向け買戻しの動きが見られたものの、売り優勢に傾いた市場では前日終値近辺に戻すのがやっとという感じで取引を終了。通常取引は、前日比0.70ドル安の2542.40ドルで終了した。
米8月CPIは、コア指数の伸びが市場予想に反して加速。住居費の伸び率が高まったことなどが押し上げ要因となった。基調的なインフレ圧力が残る粘着型のインフレの実態を表した。コアCPIは市場予想の前月比0.2%上昇に対し0.3%上昇となった。前年同月比では3.2 %上昇で予想と一致、7月も3.2%だった。
ただし、前月比の伸びは4カ月ぶりの大きさで過去3カ月の年率では2.1%上昇と7月の1.6%上昇から伸びが加速した。サービス分野で最大部分を占める住居費は、前月比0.5%上昇と1月以来の大幅な伸びとなり2カ月連続で加速した。
持ち家のある人がその家を賃貸する場合の想定家賃である帰属家賃も同じ伸び率となった。
来週のFOMCでの利下げ幅の判断の手掛かりにしようとしていた金市場だが、発表と同時に急反落し一時2529.00ドルまで売られた。0.5%利下げ観測が大きく後退したことによる。終盤には2550ドル手前まで買い戻されたものの、基調的には売り優勢の流れは変わらず、前述のように前日終値近辺で終了となった。先週はこうした流れの際には2500ドルに接近する場面が見られていたが、下げは限定的なものに収まった。
一方株式市場も初動では同様の反応を示した。ダウ平均はCPI発表後一時前日比743ドル安となったものの、午後に入り大型テック株を中心に買戻しが入り地合いが回復したことから、終盤にかけて下げ幅を解消し結局プラス圏で終了となった。前日比124ドル高の4万0861ドルで終了した。
ちなみに、CPI総合指数は、前年同月比では2.5%上昇と7月の2.9%上昇から鈍化した。5カ月連続の鈍化でガソリン価格低下が押し下げ要因となった。