小田原評定。「いつまでたっても結論の出ない会議・相談」をこう表現するのは、秀吉に攻められた小田原城内で和戦の評定が長引き決定しなかったことから、そのたとえに使われ始めたと辞書にある。まぁ、一般的に使われる表現。日経の編集委員滝田さんがユーロ圏の記事でこう表現していて、なるほど的を射た表現だわい・・・と。各国首脳が頭を揃え、ああでもない、こうでもないと・・・その結論が出ていないにもかかわらず個別にメディアにそれぞれの方針を語るもんだから、誰の話を真に受けてよいやら・・・・混乱はいや増すばかり。週明けそうそうにもギリシャ問題が話し合われている様子だが、一部報道では「結論は9月」だと。以前ここに書いたが、市場はそれまで待ってくれない。
待ってくれないというと先週末金曜日に、またイタリアで銀行株を中心に売られ波乱となった。ストレステストにからみ主要行の幾つかで資本不足が表面化か??という話。
このニュースを見て思ったのは、どこかに発生している矛盾点(ひずみ)を探し出し、そのひび割れに楔(くさび)を打ち込み、ひびを大きくして儲けるというのが、“投機的攻撃” だが、その復活ありや・・・ということ。次のECB総裁に内定している、否、決定しているイタリア中銀のマリオ・ドラギ総裁は火消しにやっきとか。果たしてスーパー・マリオはユーロを救えるか。この話、今夜のニュースでは、「イタリアが財政改革を実行すると確信している」、「ベルルスコーニ・イタリア首相と電話で会談した」とのメルケル独首相の談話があったので、オイオイオイオイという感じだ。切迫感がある。時に投機的攻撃の目的が現実と化する場合がある。それが市場の怖さといえる。
さて、先週の水曜日7月6日のここに「自律反発がモメンタムを持った」と題して書いた。一昨日の日曜日の最後に1550ドルを超えると展開が速くなるのではないかとした。その1550ドルにさっそく乗って来た。どうなるか。50ドル手前には、売り物が控えていたと見られるので、素直に強いのは確か。今夜のNYコメックスのフロア取引が1557.10ドル以上で引けると引け新値となる。終了まであと3時間程度。
円建て国内価格は、円高とドル建て金高の綱引き。早晩80円割れが常態化して、ふたたびドル買い派は水浸しに。どこまで行っても、より優れた他国の存在を意識し、自国に自信が持てないニッポンジン。確かに日本の状態はヨロシクナイ、ヨロシクナイけど、今は周りの方がヨロシクナイ。
金先物をしてる人は何故出たり入ったりしてるのか不思議だったけど、自分でやってみると日本の金価格はNY金価格と円ドル為替の2次方程式(?)なんだって心底身に沁みました。数学に弱い私はまた、ただの下町のオバサンに戻りました。
数年前は「私はユーロ高にかけます!」とコメントして当たりでした。今やユーロ安でNY金があがる世界、様変わり。
質への逃避で金が買われる世界とリスクテイクな買いが膨らんで金が上がる世界との整合性も考えるとホント複雑で、落ちこぼれ状態です。
5日朝にドルインデックスがしばらく見た事ない位低い水準だったので、どうなるか手に汗握って見てました。翌日オイル・金・ドルインデックスが跳ね上がったので、正直私の脳みその混乱は深まるばかりです。
悪性インフレの本質は、通貨への信頼低下による通貨価値の下落だから、経済恐慌を引き起こすだけ。
ただし、“通貨が一番輝くのは、悪性インフレの一歩手前”
のその落とし穴に嵌まらないことだ。