今週に入ってから追加利上げに前向きと受け止められる発言が米地区連銀の複数の総裁から出ている。今週は、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁やアトランタ連銀のロックハート総裁、リッチモンド連銀のラッカー総裁、そして昨日はハト派で知られるシカゴ連銀のエバンス総裁。中でもエバンス総裁の年内2回は妥当で自分もそう捉えているとの趣旨の発言は、効いた。昨年のFOMCでは年内利上げ反対・・・というか見通しで年内ナシに投票していたうちの一人と見られたし、事後にそれが確認された人物でもある。したがって、昨日はタカ派的な発言に金のみならずドル円相場まで動かした(ドル高円安)。
先月末上海のG20での話し合いが今回のFOMCに投影され、今回はハト派的なニュアンスを打ち出して落ち着かせ、後半の追加利上げに持ち込むというシナリオも考えられるのだが、1、2月を見て警戒、2月後半から3月発表の指標を見て“楽観”というのは、まさに現イエレン体制の「指標次第」には違いない。
フルに3月利上げ先送りを織り込んだ金市場だったが、現実に見送りで材料出尽くし、第一幕終了だが、これからETFの歩留まりがどの程度で収まるかが見もの。後は1200ドル、またその下は悪くても1180ドルを維持できるか・・・というのは1ヵ月前と同じ。
ブリッセルの連続テロ。移民問題と絡んで、英国のEU離脱国民投票に対するリスク要因として捉えるというのは、もはやテールリスクではない、ということだろう。