亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

“不適切な真実”  債券バブルで5年債金利ゼロ、ついに金保有にインセンティブ

2015年01月14日 21時45分53秒 | 金市場

行きはよいよい、帰りはこわい。以前からFRBは量的緩和策の終了は出来ても利上げは難しいとしてきたが、ここに来て原油の下げが止まらないことや、その他もろもろの市場の変調を見て、利上げ先送り観測が急速に高まっているようだ。宗旨替えする市場関係者も増えるだろう。

カネ余りに浮いた経済ゆえにセンチメントひとつで方向が変わる故に、方向はくるくる変わりまことに悩ましい。市場の“観測” も右往左往することになる。実情は、それでもFRBはなんとか利上げをして政策手段を確保したい、しかし難しい、ということのように見える。

先週後半から下げが目立っていたCopper(銅)が、続落と言うよりも一時は前日比8%超も下げ暴落状態となった。それを受け東京株式市場でも非鉄株が売られたりしている。代表的な商品指数であるロイター・ジェフリーズCRB指数も昨日はついに220ポイントを割れ、あのNYダウが7000ドルを割れていた、2009年3月の水準まで落ち込んできた。原油の比率が高い指標ではあるが、世界景気の現状からは下げ過ぎのように思えるが、そこはマネーが支配する世界故にこれくらいのことは起ころう。それでも銅需要は原油と並び世界景気の現状と先行きを示す指標と見られているだけに、その暴落は株など市場センチメントに影響する。

本日の日経(朝刊)も触れていたが、主要国の金利低下に拍車が掛ってきた。つまり表現を変えるなら、リスク‐オフとかなんとか理由づけがされるものの債券市場がいよいよバブルの領域に踏み込んできたということだろう。日本でも5年債はついに利回りゼロとなった。ドイツ5年債はマイナス金利。“金利を生まない金は(保有するに値しない、したがって利上げが近づくいま)売り”とされるのだが、その表現は当たらなくなってきた。「不都合な真実」ならぬ“不適切な真実”ということか。今年の金価格は、足元のような市場環境の中で、真価を問われることになりそうだ。

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