亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

イベント型で1300ドル台に歩みを進めた金。水準を維持。

2016年08月01日 23時36分46秒 | 金市場

何か特定のイベントがあり、それに反応する形で金が上昇した相場をイベント型の上昇として、7月13日のここで年始からの金価格の上昇の中で、Brexitに起因した初めてのイベント型上昇が起きたとした。このタイプの上昇は、ファンドのロングが急激に積み増されるために、ポジションが買いに偏った末に、内部要因の悪化から調整局面入りが避けられず、相応の下げを経ることになる。

先週末に7月の相場は終わったが、調整入りしていたNY金市場だが、7月中の下値は7月21にtの1310.70ドルということになった。“Brexit”で躍り出た1300ドル台を結局維持して終了となった。最後は、米4-6月期GDPが予想外の減速というおまけまでついてきた。これは意外だった。もともと1-3月期が低かったので、前期比ということであれば、高めの数字が出やすいもの。米地区連銀のひとつアトランタ地区連銀のGDP予測モデル「GDPナウ」でも2%台半ばの数字が安定的に出ていたので、1.2%成長は意外感があった。おまけに昨年10-12月期が当初の+1.4%から+0.9%に、2016年1-3月期が+1.1%から+0.8%にそれぞれ下方修正されることになった。

個人消費は+4.2%と堅調だったが、設備投資(-2.2%)の弱さが足を引っ張るかたちになった。経済成長にスピード感が出ないことは、リーマンショック後の大きな特徴ではあるが、ここにきて世界的な政治的不透明感の高まりもあり企業が慎重姿勢を貫いていることがある。こうした環境下では、この先雇用にも陰りが出る可能性がありそうだ。

いずれにしても、この結果に米長期金利は下落し(債券は買われ)ドルは主要通貨に対し売られることになった。逆相関性の高い金は、1350ドル超に買われることになった。まだ今週の雇用統計という関門が残るが、このまま値幅調整が終わるならば、後は今月20日過ぎくらいまでの日柄調整ということになる。






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