週末のNY市場の金価格は続落となった。独立記念日の連休ということもあり、ファンドのポジション調整も下げを加速させた。NYコメックスの先物価格は前日比20.20ドル安の1482.60ドルと5月17日以来6週間ぶりの安値で取引を終了した。安値は1478.30ドル。安値、終値ともに5月17日の安値1471.10ドル、終値1480.00ドルを下回ることはとりあえず回避。今朝は月曜日ということと週末がイベント含みだったことから、何本か電話やメールで週末の市況についてやり取りをしたが、「(金が)ずいぶん下がりましたね」という表現を複数の人達が使ったので、ああ、そういう受け止め方なのだ・・・と改めて思った。「1480ドル近辺」の価格は、「ずいぶん下がった」水準なのか・・・と。しかし、1500ドル近辺のこの水準は過去最高値圏といっていいだろう。思えば1500ドルという心理的な節目は、さしたる抵抗もなく通過したのが4月の後半だった。今や1500ドルを下回る水準は押し目買いが入る水準となっている。それだけに割っても短期日と見ているのだが。
さて欧米メディアは、週末の売りの原動力は小康状態入りしたギリシャだとし、「質への逃避」的買いが後退したと伝えている。
もちろんそれもあるが、午前中に発表された米サプライマネジメント協会(ISM)の指数が予想ほど悪化しなかったことが(金の)下げの背景になったと思われる。その前日の30日木曜日の夜、ここに6月の米シカゴPMI(購買部協会)景気指数の発表を受けて少し書いたが、シカゴPMIの予想54.0に対し61.1という結果はサプライズだった。その段階で金は売られ始めていた。その時に「シカゴPMI景気指数」は「ISM製造業景況感指数」の先行指標と目されているとしたが、ISMの結果は(予想ほど)悪くなかった。というより前月より改善していた。悪化を前提としていただけに、金市場では前日に発生した「米国景気鈍化懸念の薄らぎ」を「超金融緩和策持続期待の後退」に読み替えて手仕舞い売り(同時に新規のショート)を出す流れは加速した。それが一時は1480割れまでみる材料となった。
具体的に今回のISM製造業景況感指数は前月比で1.8ポイント上昇し、55.3となった。この指数の景況感の分かれ目は50だが、前月は53.5まで落ちていた。予想値は51.8となっていた。いわば踏みとどまった形だが、それが株式市場では好感され、ギリシャ問題の目先の小康も織り込みながらNY株式は急騰。逆に金は続落。シカゴPMIの結果を踏まえた予見は、その通りの結果になったというわけだ。というより、PMIで生まれた下げがISMへと受け継がれた。
なお、NYダウは週足で648ドルの上げ幅は08年11月以来の規模とされるが、それまでに空売りが相当数溜まっていたので、それらがカバー(買い戻し)されたことによる。つまり、仮需(買い戻し)が上昇の牽引役といえる。割り引く必要があろう。
さて金価格は1430~1480ドルの第一の下値ゾーンに接近してきた。いわゆる押し目買いの機会となるが、上昇時と異なり、いざそうした環境と対面すると慎重姿勢が前面に出る投資家は多かろう。上げているときには果敢に買い増しするのに・・である。
債権債務がこれほど大きくなると、何処かで崩れだすと止めることは誰にも出来ません。
金融が膨れるのも、潰れるのも、人の欲望がなす業なのです。
10年にも及ぶGOLDの右肩上がりはそれを感じてのことなのです。
国債が暴落するまで上がり続け、
国債の暴落で暴騰でしょう。
http://www.tbs.co.jp/heritage/info/schedule.html#20110710
その頃から金の輝きは続いているのがすごい