亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

関心事は金製品の換金売り

2009年11月10日 17時49分22秒 | 金市場
先週末からここに「材料出尽くし」とか「のりしろ」などと書いてきたが、6連騰の金市場もさすがに手掛かり難というか次なる材料が欲しいといったところか。実需なき上昇は短命に終わるといわれながら、100ドル上昇しここまで来た。「実需」に対する関心はトーンダウンで、強気が増えた。当方としては、むしろ逆にここで改めて実需に気を向けたいと思う。先週のインド準備銀行の200トンの買いについて書いた際に、「公的購入(中銀の買い)という実需」というふうに表現した。

実需という言葉のニュアンスには、「退蔵」という含意がある。投資需要とりわけ先物市場のそれを「仮需」とも呼ぶように、すぐに売り戻されるものとは一線を画した言葉と捉えている。金価格1100ドルは、現段階ではまだまだ勢いで付けた価格といっていいだろう。近い将来なのか、もう少し先なのか、はたまた現状での妥当価格なのかを判別するためには、益出し売りの洗礼を受けることになりそうだ。そこで実需だが、まず宝飾需要という本来的な実需の戻りは、これは回復に時間が掛るのは言うまでもない。それよりも実需というより実需筋というほうが適切だろうが、スクラップの動向すなわち金製品の売り戻しの動向が、当座の相場の関心事になるのではないかと思っている。以前からここにも買いたし、7月の著書でも取り上げたが、金製品の換金売りは不要不急であれば、必ずしも値が上がると売りが殺到するものでもないと思っている。やはり限界はあるし、その前に普段は相場動向に無頓着な人々も、その傾向くらいは気に掛けるだろう。上げ基調となると、売り惜しみまでは行かなくとも、様子見に徹することもあるだろう。とりわけインドは相場動向に敏感とされる。来週、7-9の需給統計が発表されると思うが、その結果に今後を占う材料がありそうだ。

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1 コメント

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金の投資需要を押し上げるもの (Unknown)
2009-11-11 00:58:05
通貨価値の下落見込みと期待。冷静さと不安心理の相克。
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