またまた全員参加型のドル円急騰(円急落)が起き、NY金はレンジ相場中につき国内金価格は素直に反応。昨日のNYでドル円は一時1ドル=134.48円と2002年2月27日以来、約20年ぶりの高値を更新。本日9日の日本時間午前にも続伸で134.55円まで高値を見た(円続落)。その後は売り戻され日本時間夕刻には133.40円と荒い値動きとなっている。
8日までの8営業日で7円強のドル高円安となったが、現在のドル建て価格の値位置から計算して、国内金価格にはドル円相場1円の変動で60円ほどの値動きとなる。この間ドル建て価格に目立った値動きが見られない中で、国内価格は円安効果で400円ほど押し上げられた計算となる。国内価格は再びグラム8000円に迫ることになった。
実際にJPX金で見て5月27日の日中取引の引けが7532円、本日は7938円となっている。本日午前にドル円が振れた際に7986円まで高値を見ている。5月は13日と19日にいずれもここで、国内価格の7500円割れは「エントリーレベル」として押し目買いのゾーンと書いた。買おうと思うのであれば、上がって騒がれているときでなく、押し目を形成しメディアもシーンと音なしの構えの際に拾うというスタンス。短期狙いであれ、この一両日に益出し売りということもできる。もっとも明日のNYはイベントデーではあるが。明日は5月のCPI(消費者物価指数)の発表。
中には誤解する人も居るかもしれないので念のために書いておくと、ここでの価格は消費税抜きの本体価格となっている。地金販売の現場では、10%の消費税込みの表記になっているので販売、買取りともに8000円台の表記になっている。
話を為替相場に戻すと、ドル円ばかり注目されるのだが、このところ円は独歩安状態で、対ユーロでは8日までで10営業日連続の下落で、ユーロは対円で2015年1月5日以来の高値を付けた。足元の国内金価格の上昇は、言うまでもないけど国際的に日本円の購買力の低下を反映したものといえ、表現を変えるなら日本円は金に対しても大きく値下がりしているということ(=国内金価格の急伸)。現在、そのあたりを扱った平易な書籍を準備中。。。
本日9日は欧州中銀(ECB)の金融政策理事会が開かれる。EU統計局が5月31日に発表した5月のユーロ圏の消費者物価指数は前年同月比で8.1%上昇と過去最高を更新し、ユーロ圏でも利上げのタイミングを計る動きが鮮明になっている。今回の会合では、資産購入を終わらせ、8年に及んだマイナス金利から脱する方針を固めるとみられている。ラガルド総裁は5月下旬に、ブログで発信という異例の形で7月利上げの可能性を表明した経緯がある。市場は9月を含む利上げを織り込み始めており、それが足元でユーロ円の急伸(円安)に表れているといえる。本日の発表を受けて、目先はそろそろ・・・という感じか。