先週末から市場で高まっているドイツの財政出動期待。過去最低利回りの更新を続けたドイツ10年債に続き、30年債もマイナス圏に沈むなど、すべての年月がマイナス圏に沈むという異例のドイツだったが、財政規律を緩めて景気刺激策に乗り出すとの見方で、利回りの上昇が目立っていた。それは米債に伝染し、昨日も触れたように米債利回りの上昇も加速した。米独という主要国の国債の値動きまで軽くなっているのは、バブルといえなくもない。10日は
BOE(イングランド銀行)のカーニー総裁が、ボンドのボラティリティは新興国通貨並みとしていたが、確かにおっしゃるとおり。
それにしてもドイツの財政出動観測については、市場が前のめりで都合よく解釈している点は否めない。10日はドイツのショルツ財務相が議会下院の予算審議で、リセッションに(景気後退)に陥った場合に大規模な刺激策を講じる用意があることを示唆したとされる。しかし、同財務相は、経済危機が起きた場合には大規模な刺激策を講じる用意があるが現時点では危機は起きていないとして、来年も財政均衡を維持するとした。まさに、これぞドイツという印象。
ドイツ債にしても米国債にしても、足元の価格の下落、利回り上昇は、本格的な反転ではなく、8月に加速した市場の動きの一時的な修正局面と見ているが、どうなるか。9月末接近で債券市場では益出し売りが出ているのではと思う。したがって、この金利の戻りで円安傾向が強まったり、金が押し目を作ったりするのも、一時的ではないかと。
ボルトン大統領補佐官、辞任なのか解任なのかどっちでもいいが、そもそもトランプは、あのひげ面が好きでないという話が以前からあって、今回のような事態にいたるシナリオは想定できた。