6月16日、佐野市にある蔵元、第一酒造の厳選会に行ってきた。
厳選会とは、愛飲家が「こだわりの厳選酒」を選ぶもので、選考の対象となる酒は、今年仕込んだ純米吟醸の原酒である。
選考は例年とほぼ同じ方法であったが、若干異なっていた。
昨年までは、まず予選で5種類の酒から好きな2つに投票し、票の多かった上位2種で決選投票し決定した。しかし今年は、予選で4種類の酒から好きな3つに投票し、票の多かった上位2種で決選投票する方法に変更された。
今回の方法では、予選で4種類のうち1つしか落ちないため、個性のある酒よりも万人向けの酒が選ばれやすくなったといえる。
選考後、データシートが配られ、予選は4番が1位、1番が2位となり、決選では予選の番号が隠され、AとBでAが選ばれたが、それは予選の4番であった。
番号 |
精米歩合 |
原料米 |
酵母 |
日本酒度 |
酸度 |
1 |
53% |
自社水田 ひとごこち |
T-デルタ |
+1.2 |
1.7 |
2 |
59% |
五百万石 |
1401 |
+2.0 |
2.0 |
3 |
59% |
とちぎ酒14 |
T-デルタ |
+0.2 |
1.8 |
4 |
53% |
五百万石 美山錦 |
T-F |
+3.0 |
1.6 |
今年は、年のせいか私の味覚が低下し、差別化がしにくかった。つまり全体的に同じように感じた。しかし強いて言うなら、4番は辛さに加え旨味があり良かった。
選考の結果、私の選んだ酒はトップで予選を通過し、決選でも厳選酒に選ばれた。
番号 |
蔵人の利き酒コメント |
私のコメント |
1 |
ほのかなパイナップル様、ラムネ様の若さ、キレのある苦み、旨味あり |
芳香臭あり |
2 |
雑穀的な香り、おだやかな香り、ややチーズ様、酸味あり押し味ある(生酛) |
|
3 |
若草様の香り、さわやかな香り、若さキレがあり軽快、心地よい苦味 |
|
4 |
甘やかな立ち香、甘味すっと消える、甘くまとまるが酸のキレあり |
甘味あり、旨口 |
イベント終了後、渡良瀬川へ差し掛かると、道路沿いに真新しい石碑が建っていた。見ると昨年に建てられたもので「田中正造翁終焉の地」と彫られている。
この碑を読み、田中正造翁はこの近くの庭田氏の家で息を引き取ったが分かった。今年は田中正造氏が亡くなって105年目の年に当たる。