社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

ソーシャルワークの機能 南彩子 (2001)

2008-11-05 16:36:15 | 社会福祉学
『医療におけるソーシャルワークの展開 その原則と実践』 相川書房
  …第3章に位置づけられている

役割と機能をイコールにしがちであるが、ここではソーシャルワークの「機能」について、実践から抽出された「行動」をアメリカの専門書と照合し、それはソーシャルワークの専門性か?という視点から分析している。

修士論文の時に引用させていただいた、とても分かりやすく、かつアカデミックな文献である。

引用
「本来、役割と機能は別のものであり(中略)、役割はソーシャルワーカーという位置に付随して、その所属する機関や組織から期待されている行動様式である(中略)。機能とは、その一定の役割によって果たされる中身のことである」
「さらにその機能の発揮の仕方が具体的に現れたものが業務である」


いま私は、「在宅療養支援診療所におけるソーシャルワークの専門性は?」という問いに関しての調査を計画している。
調査内容を検討していく中で、自分が立てている問いは、何を明らかにすることを目的としているのか?と混乱することがある。
そんな時に、この「役割」「機能」「業務」の定義を目にして、フッと収まるところに収まった…という感覚を覚えた。

あわただしい日常業務のなかで、これは何のためにやっているのか?と疑問に感じることも多くあるだろう。そんなときに、少し客観的になって、自分の業務を整理する上で、ひとつのヒントになる文献かもしれない
コメント (3)
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ソーシャルワーカーと医療専門職との協働 -リハビリテーション・チーム医療の経験から- 小原真知子

2008-11-03 22:51:01 | 社会福祉学
『ソーシャルワーク研究』Vol.23 No.3 1997

 今では「協働」「連携」が、保健・医療・福祉の分野では周知のこととなっているが、この論文が発表された頃は、どの職種も「模索」していたのだろうと感じさせる論文。
 
引用
リハビリテーション医療が目指すもの⇒病前の生活が営めるよう、またそれに近づくよう、「生活の再建」を目指している
リハビリテーション医療でのSWの使命⇒サイコ・ソーシャルの側面から、入院中から全患者に対して病気や障害から派生する、もしくは派生する可能性がある社会的生活課題に対して積極的かつ計画的に援助介入を行い、患者自らがよりよい生き方を創造し、積極的に取り組めるように、社会的機能を高める


自分の思考が混乱している時は、そのものが成り立ってきた経過や成り立てようとする初期のものを読むと、頭の整理がつきやすいことがよくある。
私とってこの論文は、その一つとなった。
在宅医療の目指すことは何か?そしてそこでのSWの使命は?
領域は違えど、「医療チーム」のなかにSWを浸透させるためのエッセンスを読み取ることができた。     
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