ツグミ
2018-11-12 | 野鳥

ツグミはシベリアから渡って来て、ごく普通に見られるポピュラーな冬鳥
昔はカスミ網で大量に捕り食料にしていた
今では捕獲は許可されていないし、カスミ網を所持していることすら法に触れる
渡りのコースは北海道から列島を南下するコース、日本海を横断して能登半島に上陸するコースがある
渡来直後は山の実りにありついているが、山の幸が乏しくなると里へ下りてくる
冬には川原や農耕地など開けた場所、市街地の公園や庭にも現れる
地上を数歩歩いては立ち止まって胸を張り、この動作を繰り返しながらミミズ類や昆虫類の幼虫などを採食する
木の実もよく食べる
雌雄同色 個体変異の大きい鳥だ
全体に淡色のものから黒っぽいもの、胸の黒斑も下胸に2横帯あるもの、羽縁だけ栗色のものから、大雨覆いと風切り全体が栗色のものなど色々ある
大きさ24cm
シメ
2018-11-10 | 野鳥

冬鳥に次々と出会えている 木の枝にシメが居た
奈良時代は「ひめ」平安時代は「ひめ」「しめ」併用で、えどじだいから「しめ」と呼ばれるようになった
イカルに似ていてイカルより小さいので「ひめ」と呼んだと言う説もあるが、「し」は地鳴きのシッで「め」は小鳥を表す接尾語と言う説が有力
冬鳥 又は留鳥(漂鳥)本州の中部以北と北海道で少数が繁殖しているが、多くはシベリア方面から渡って来る
平地から山地の林、林の近くの農耕地、樹林の多い公園などに居る
樹上や地上で草木の種子を食べる。カエデ類 ヤマハゼ エノキなどの種子を好んで食べる
嘴が太く30kgもの力を出すと言うから 硬い種子も主食に出来る
全体に尾羽が短く、ずんぐりした体形
オスは嘴の周りと喉、目先が黒い。頭と頬は淡褐色
メスは目先に黒褐色味があり、頭部は褐色
大きさは19cm

チャノキの名は漢名の「茶」を音読みにしたもの
ツバキ科の常緑低木 幹は株立ち場で2ⅿ程になる
日本には中国から奈良時代に入り薬用に使われたが、鎌倉時代に栄西が中国から種子を持ち帰ってから、茶の栽培と喫茶の習慣が広がった
佐賀県嬉野に「嬉野の大チャノキ」と呼ばれる樹齢300年余の天然記念物の古木があるそうだ
チャノキには2変種あり、低木性で葉が小さいシネンシスが緑茶用に栽培されている
高木性で葉も大きいアッサムは、紅茶用に利用されている
葉は互生し、新葉を摘んで緑茶にする
花は10~11月 枝先の葉腋に下向きに咲く
果実は蒴果 2cm程のほぼ球形で熟すと3裂する
中の種子は1.5cmほどの球形で褐色で滑らか
茶には発汗 興奮 利尿作用のあるアルカロイド類 下痢止めの効果のあるチャタンニンなど色々な成分が含まれている
緑茶とミカンの皮 山椒を煎じて飲めば風邪 頭痛に効く
緑茶の粉末、乾燥したショウガ粉末を等分に5g服用すると下痢に良い

今日は24節気の立冬 暦の上では今日から立春の前日まで冬
冬の寒さが感じれる頃なのだが、連日20度ほどの温かさ
シリブカガシ(尻深樫)は堅果(ドングリ)の底が凹んでいるので尻深の名が付いた
ブナ科の常緑高木 15m程になる
カシの仲間は、春に花が咲くものが多いが、シリブカガシは秋に花が咲く
秋に咲いた花は、翌年の秋に実が熟す
秋には花と実が一緒に見られる
真ん中の背の高いのが雌花序 花びらも萼もない
雄花は少し短く黄褐色の短毛が密生している
食用としてクリやブナ シイ類があるが、渋抜きが必要なナラ類も救荒食として利用された
ブナ科の果実は野生動物の重要な食べ物である
果実は堅果で栗のイガやドングリの殻斗と呼ばれる総苞に包まれているのがブナ科の特徴
種子には胚乳が無く、肉質の子葉に養分を蓄える

公園のイチョウが黄葉していた
銀杏の仲間の木は古くジュラ紀に最も栄えた 現在ではイチョウだけが残っている
イチョウ科の落葉高木 大きいものは30mにもなる
中国原産と言われるが自生地は不明
寿命が長いため各地に大木や老樹があり、天然記念物に指定されているものも多い
花は雌雄別株で、4~5月に葉の展開と同時に咲く
雌花は2cm程で、細長い柄の先に胚珠が2個付いている
種子の基である胚珠が、心皮に包まれていないで裸出していると言うので裸子植物と言われる
風邪に運ばれた花粉が胚珠内に入り、花粉室で発芽して精子が出来る
精子は8月頃放出されて、卵細胞を受精させる
明治時代に日本人がこの精子を発見1896年に発表され、植物学の後進国日本が世界から注目された
その材料にされたイチョウの木は今も小石川植物園に健在で居る

ハゼノキに実がたわわに生った
本州のものはロウを取るために栽培されていたものが野生化したと言う説がある
ウルシ科の山野に生える落葉高木 10mほどになる
葉は奇数羽状複葉で、きれいに黄葉する
枝や葉の乳液に触れるとかぶれることがある
5~6月に黄緑色の小さな花を円錐状に多数つける
雌雄別株で花弁は5個、長さ2mmで反り返る
果実は核果 9月過ぎ頃から淡褐色に熟す
後に外果皮が剥がれて、縦筋の有る白いロウ質の中果皮が露出する
ロウは融点が高い植物油で、実の総重量の20%も含まれている
実を砕いて蒸して集めたロウから作るロウソクは 貴重な明かりだった
脂質分は高カロリーで鳥もよく食べる
キツツキ類 ツグミ類 メジロなど色々な鳥が食べ、硬い種子を排泄し散布する

アカネ科の山野に普通に生えるつる性の多年草
茎は下向きの棘がある4稜があり長く伸びる
葉は4個輪生しているが 2個は托葉が大きく発達したもの
茎先や葉腋から集散花序を出し3mm程の淡緑色の小さい花を多数つける
花期は8~10月
果実は6mm程の黒熟する液果
アカネの根は太いひげ状で黄赤色だが乾くと赤紫色になる
根が赤っぽいことからアカネの名がある
乾燥した根を臼でつき 熱湯で煮だした液で 前もって灰汁で下処理した布を染めたものが茜染
時間と手間が掛かるので 今では秋田の鹿角市に伝わっているだけ
ブルブリンと言う色素が緋色の染色には発色するが この物質は治療効果もある
漢方では 通経 浄血 解熱 止血 強壮にと幅広く使われる
乾燥した根を煎じて服用する