トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

キマダラカメムシ

2021-09-15 | 虫類


デンと構えた大きなカメムシ 
20mmほどの大きさで国内のカメムシ亜科で最大の大きさ
台湾~東南アジアからの外来生物

成虫で越冬して、4~11月にかけて見られる
1970年代に長崎の出島で見つかり、その後150年間再発見されなていなかったが、近年分布域を広げ、2010年に東京で生息が確認された
今では市街地 都市部の街路樹 庭木でも普通に見られる

黒色に小さな黄色の紋を不規則に散らしている
脛節には黄色部がある
サクラ カキノキ フジ ニセアカシアその他25種もの植物に、幼虫も成虫も寄生する
産卵場所はソメイヨシノ シダレザクラなど

コサメビタキ

2021-09-14 | 野鳥


渡りの途中だろう 公園に姿を現せた
サメビタキに似ているが小型なのでコサメビタキ
サメビタキは羽色が灰褐色で鮫の色に似ていることからの名前

夏鳥
4月にやって来て9~10月にかけて渡ってゆく
平地から山地の林に居る 戦後東京近郷ではほとんど見れなくなって山に入らないと会えなくなったが、渡りの時期にチラリと見ることがある
見通しの良い枝に垂直に止まり、飛んでいる昆虫類を空中採食し元の枝に戻る

雌雄同色
褐色味のある灰色の体 目はクリッとして可愛く、白いアイリングがあり目先は白っぽい
顎線は不明瞭で、胸にははっきりしない縦斑がある
大きさは13cm

サルハマシギ

2021-09-13 | 野鳥


シギチの渡りも最盛期、稀な旅鳥のサルハマシギ(猿浜鷸)
夏羽では全身の羽色が赤褐色になるので、赤いハマシギと言う意味の名前

旅鳥
日本は渡りのコースからずれているらしく、なかなか見られない稀なシギ
干潟、砂浜、河口、水田などに居る
主に干潟の浅い水の中や水際で、忙しく動き回り嘴を細かく動かせて、貝類や甲殻類、ゴカイ類を捕る

雌雄ほぼ同色
体つきはハマシギにに似ているが、嘴が更に細長くて下に曲がっている
オスの夏羽は、嘴の基部に近い額と喉が白く、頸、胸、腹は赤褐色
冬羽では頭からの上面は灰色、胸から腹は白く、胸に淡い灰色班がある
大きさ20cm

ウミアイサ

2021-09-12 | 野鳥


早々と冬鳥のウミアイサが居た
アイサ類はカモの仲間(カモ科)で、日本では4種・・ウミアイサ カワアイサ ミコアイサに稀なコウライアイサ・・が居る
アイサは「秋去り」からの転、この鳥が来る頃秋が去り冬になるの意味
他の海ガモ類に比べて、嘴が細くて先がかぎ型に曲がっていて、縁にはギザギザがある

冬鳥
普通10月頃から翌年3月まで見られる
主に海岸 内湾 河口に居るが、広い湖沼に居ることもある
潜水して魚類を捕る
嘴には歯状突起が並んでいて、捕えた魚を逃さないようになっている

オスは頭部から頸上部まで黒く、緑色の光沢があり、頭頂から後頭には長い冠羽がある
メスは頸上部から上が茶褐色

ノシラン

2021-09-11 | 樹木 草花


平べったい葉形を熨斗に見立て、更にランの葉にも似るのでノシランと言う

ユリ科の海岸近くに林に生える多年草
分布は関東地方以西の本州~沖縄

葉は長さ50~80cmほどの線形で、厚くて光沢がある
花茎は扁平で2稜があり、高さ30~50cmになる

7~9月に花茎の先に総状花序を出し、多数の白色又は淡紫色の花を付ける
花柄の途中に関節があり、関節から上が太くなっているので、合弁状に見える
果実状の種子は藍色で倒卵形

マルバチシャノキの実

2021-09-10 | 樹木 草花


マルバチシャノキの実が美味しそうにたわわに生った
チシャノキは若葉が食べられ、味がチシャ(レタス)に似ていることに由来する
チシャの木に似るが葉が丸いので、マルバチシャノキの名が付いた

ムラサキ科の落葉小高木、8m程になる
葉は互生し、葉身は6~17cmの広楕円形、先端は急に尖り、基部は丸いか浅いハート型、縁には浅い不規則な鋸歯がある
葉はガサッとした感触で、厚みがあり丸く大きい

花は3~7月、枝先に13cmほどの散房花序を出し白い小さな花を多数つける
花冠は5mmほどで、5裂し裂片は反りかえる
雄しべは5個で花冠から突き出る、花柱は緑色で上部は2裂する

果実は核果 2cm程の球形か四角状の扁球形、7~11月にかけて黄色に熟す
中に核が2個入っていて、約1cmの半球形、外面には毛が密生し、内面には八の字型の模様がある
果肉は食べられる、薄甘くねっとりしている

花(5月のもの)


スズメウリ

2021-09-09 | 樹木 草花


果実がカラスウリより小さいからスズメウリ、果実をスズメの卵に見立ててスズメウリと言うなど諸説あり

ウリ科の原野や水辺に生えるツル性の1年草
秋になるとツルが垂れ下がり、地中に潜って肥大した塊根を作って越冬し、春に芽を出す

葉は5cmほどの三角状卵心形で浅く3裂するものが多い
花は8~9月に咲き、6mmほどの大きさで深く5裂する
雌雄同株で雄花と雌花があり、ともに葉腋に単生するが、枝先では時に雄花が総状に付くこともある
雌花は下部の子房が目立つ(左の写真)雄花は右の写真

果実は1cm程の球形又は卵形で、初めは緑色だが熟すと灰白色になる


キカラスウリ

2021-09-08 | 樹木 草花


昼近い時間だったがキカラスウリの花が見られた
カラスウリは、樹上に長く残る果実をカラスが残したとする説がある
キカラスウリは果実が黄色く熟す

ウリ科の藪などに生えるツル性の多年草
葉の表面にはやや短毛があり、濃緑色で光沢がある
花は7~9月、まだ明るいうちに咲き、雌雄異株でカラスウリに似ているが、花冠の裂片の先が広い
果実は5cmほどの卵円形で黄色く熟す
中の種子は柿の種状で、カラスウリの様な帯はない

乾燥した根を煎じて飲むと、解熱 咳止めに良い
同じく乾燥した種子を煎じて飲むと、利尿 催乳(乳の出を良くする)の効果がある
根の澱粉は吸湿力があるので、あせもの予防や治療に使われた

ナンバンギセル

2021-09-07 | 樹木 草花


全体の姿がキセルに似ていることから、南蛮渡来のキセルに見立てた名前

ハマウツボ科の山野に生える1年生の寄生植物
ススキ ミョウガ サトウキビの根に良く寄生する
茎は赤褐色でごく短く、ほとんど地上に出ず、狭三角形の鱗片葉が数個互生する
茎のように見えるのは花柄で、7~9月先に淡紫色の花を横向きにつける
花冠は3cmほどの筒状で、先は浅く5裂し縁は全縁

萼は黄褐色で淡紅紫色の筋が入り、先端は尖り下側はほとんど基部まで裂ける
果実は蒴果で長さ1cmほどの卵球形、萼に包まれたまま熟し、中にごく細かい黄色の種子が詰まっている
似た花でオオナンバンギセルがあるが、こちらはより大型で、萼の先は尖らず、花冠の縁に細かい鋸歯がある

万葉集の歌から別名オモイグサがある
道のべの尾花が下の思草 今さらになどものか思はむ

ツリバナの実

2021-09-06 | 樹木 草花


裂開し始めから完全に裂開したものまで3段階揃ったツリバナの実がぶら下がっていた
果実は赤くてきれいで情緒がある
日本庭園特に茶庭に良く植えられている

ニシキギ科の山地から丘陵地まで普通に見られる落葉低木 4m程になる
葉は対生し、葉身3~10cmの卵形又は長楕円形、縁には細かくて鈍い鋸歯がある
5~6月、葉腋から集散花序を下垂し、緑白色又は淡紫色の花を多数つける
花は8mmほどで花盤が発達する

果実は蒴果
1cmほどの球形で、9~10月に赤く熟す
熟すと5裂して、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が5個顔を出す
好んで食べるほどではないが、ヒヨドリやメジロ シジュウカラなどの鳥が食べる

ジャノメチョウ

2021-09-05 | 虫類


ジャノメチョウ(蛇目蝶)は色が地味で、翅に蛇の目のような模様がある
この模様は、前翅に2個後翅に1個有り、翅の裏と表の同じ位置にあり、中が瑠璃色に輝いている
更にぼんやり写真だが、良く見ると足が2対4本しか見えない
蝶なら普通6本の足があるはずだが、ジャノメチョウは退化して4本しかない

幼虫で越冬して、成虫は7月~9月まで見られる
幼虫は4cmほどの淡褐色のイモムシで、数本の黒褐色条があり、頭部は3対の黒褐色条がある
食草は、ススキ、チガヤなどイネ科とヒカゲスゲやショウジョウスゲなどカヤツリグサ科

ジャノメチョウ類の中では明るい環境を好み、河川堤防や農地、雑木林周辺の草地、公園などに見られる
日中低い位置を活発に飛翔し、良く葉に止まり、各種の花で吸蜜するほか、樹液や獣糞にも集まる

アオオサムシ

2021-09-04 | 虫類


綺麗な金属光沢の緑色をしたアオオサムシが地面を歩いていた
アオオサムシは甲虫の仲間でオサムシ科の昆虫
日本のオサムシ科は1300種ほどもいて大きなグループ
オサムシ類、ハンミョウ類、ゴミムシ類、ヒョウタンゴミムシ類、ホソクビゴミムシ類などに大別されている

成虫で越冬して4~10月まで見られる
前翅は開くが、後翅が退化して飛べず、その為か地域によって色彩変化が大きく、緑色から赤色まで多彩
飛ばない分足は達者でかなり早く歩く、トップランナーのゴキブリに次ぐかも・・
基本的には夜行性だが、春先などは昼間でも見かける
分布は本州(関東、中部以北)

幼虫は芋虫型で、大きい顎を持つ
幼虫も成虫もミミズや腐肉を食べる
大きさは22~32cm

ツマグロヒョウモン

2021-09-03 | 虫類


ヒラヒラとツマグロヒョウモンのオスが止まった
とても綺麗なチョウで、昔はあまり見なかったが関東地方や東京周辺は1990年頃に定着したという 分布が北に広がっているチョウ

幼虫で越冬して、春先蛹になり、成虫は4~11月まで見られる
明るい草地、人家周辺、都市公園 農地などで見られる
パンジーやスミレなどスミレ類を食草にしていて、公園などでパンジーなどよく植栽されるので都市部でも増えている

雌雄で模様が異なる
オスは表はヒョウ柄の模様、裏は前翅で表と似ているが、翅頂部が黄土色、後翅裏は白と黄土色の混じる特徴的な模様をしている
メスは表が前翅外半部に青色光沢のある黒色で中心に白斑がある

メス(5月のもの)


ルリチュウレンジ

2021-09-02 | 虫類


瑠璃色をした美しいミフシハバチ科のハバチ
市街地の公園でも時々見かける

ツツジの葉内に産卵し、イモムシ型の幼虫になり、地中で繭を作り前蛹越冬する
イモムシ型の幼虫は緑色だが、終齢になると頭が黄色に変わる
春に蛹になり、成虫は5~10月まで見られる

卵はツツジなどの葉縁部にに沿って組織内に産み込まれ、縁がゴマ粒大に点々と膨らむ
幼虫は集団で、ツツジの葉を葉脈だけを残し食べ尽くし、ツツジの害虫として知られる

成虫の触角は3節からなり、3節目が長さの大部分を占め、ミフシハバチ科の名前のもとになっている
成虫は花の蜜などを食べる
大きさは9mmほど

アケビコノハ

2021-09-01 | 虫類


初めて出会ったアケビコノハ ヤガ科のガで大きさは開張10cmほど
枯葉が2枚落ちているようだが、中の黄色の黒模様が目立ち辛うじて見つかった
アケビやブドウなどの果実に口吻を突き刺して汁を吸い、害虫として知られる

成虫で越冬して5月から10月頃まで姿が見られる
幼虫は脚の一部が退化して尺取虫に似た動きをし、目玉模様があり、アケビ科やメギ科を食草とする

前翅表面は枯葉模様で、後肢表面は鮮やかな黄色に黒色の渦巻き模様がある
翅を立てていると周囲に溶け込んで見つかりにくい
夜間に飛翔して果実などの汁を吸う