トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

ミヤコドリ

2023-04-15 | 野鳥


ミヤコドリの名は奈良時代からあるが、今のミヤコドリを指す場合とユリカモメを指す場合がありはっきりしない
万葉集に出てくる歌で都の川に居る鳥と言うことで、ミヤコドリの名が付けられた
船競う堀江の河の水際に 来ゐつつ鳴くは都鳥かも(万葉集 大伴家持)

チドリ目ミヤコドリ科の鳥で、チドリ類に含めるのが一般的
冬鳥、東北地方以北では旅鳥
砂浜、岩場、干潟などにいる
昔はほとんど見られなかったが、最近は東京湾でも良く見られる
嘴は縦に扁平で、2枚貝の貝殻の隙間に差し込んでこじ開けたりする
その他カニやシャコ、ゴカイ類なども食べる

雌雄同色
頭部から胸と上面は黒く、飛翔中は翼に白帯が出る
下面は白く、白色は胸に入り込む
嘴は長く橙赤色で印象的
大きさ45cm

ウミネコ

2023-04-14 | 野鳥


カモメの仲間ウミネコの名前は、ミャーオミャーオと猫のような鳴き声に由来している

留鳥又は漂鳥
北海道 本州 九州に集団繁殖地があり、青森県蕪島など5か所の繁殖地は天然記念物に指定されている
繁殖地は日本とその周辺の狭い地域に限られる
冬には本州以南の海岸で良く見られる
海岸や漁港に落ちている魚、漁船や水産加工所から出るアラ、水面近くの魚などを捕えて食べる
海岸に近い湖沼などの淡水で良く水浴びをして、体に付いた塩分を落とす

雌雄同色
嘴は黄色く、先端に赤と黒の斑紋がある
足も黄色い
尾羽に黒帯があり、飛ぶと良く見える
大きさは47cm、羽を広げると120cmと大きい

ビンズイ

2023-04-13 | 野鳥


もうペアになってそろそろ山へ帰るのだろうか、ビンズイが居た
変わった名前だが、ビンビンツイツイと聞こえる囀りが語源
ヒバリに似たさえずりをして姿も似ているので「キヒバリ(木雲雀)」とも呼ばれる

漂鳥または夏鳥
北海道と本州、四国の山地、高山植物の花陰で繁殖、子育てをする
明るい林や林縁、木がまばらに生えた草原などに住んでいる
冬には暖地に移動して越冬し、松林などによくいる
セキレイの仲間(セキレイ科)で、尾を上下にゆっくり振りながら地上を歩き、昆虫類やクモ類、冬には草木の種子も食べる

雌雄同色
タヒバリによく似ているが、目の後方に小白斑がある
上面は緑褐色で、黒褐色の縦斑がある
顎線は黒色で、それに続く胸から脇に縦斑がある
大きさは16cm

トキワツユクサ

2023-04-12 | 樹木 草花


葉が常緑でツユクサに似ているので、トキワツユクサと言う
昭和の初めに観賞用に持ち込まれ、帰化植物として野生化し、外来生物法により要注意の外来生物に指定されている

ツユクサ科の多年草
南アメリカ原産で、観葉植物として各国で栽培されている
やや湿った日陰や水辺に生え群落を形成する
茎はよく分枝して地を這い、節から根を出して広がり、長さ1m以上になる

葉は先の尖った卵形、全縁でやや波打つ
初夏に茎の頂に花序を出して、1cm程の白色の3弁花を数個づつ咲かせる
4月に咲いたのは少し早すぎると思う
雄しべは6個で毛が生えている、雌しべは1個
実は蒴果、熟すと下部が裂け1.5mmほどの種子が散布される

ヤブニンジン

2023-04-11 | 樹木 草花


葉がニンジンに似ていて藪に生えるのでヤブニンジン
別名ナガジラミは果実が細長く、ヤブジラミの様に刺さることがあることによる

セリ科の多年草
林の縁や竹藪などの日陰に生える
高さは30~70cmになる
葉は7~30cmの2回3出羽状複葉で、薄くて柔らかい
小葉は卵形で縁には粗い鋸歯がある

4~5月に枝先から複散形花序を出し、白色の小さな花をまばらにつける
花柄は細長く、小苞片は反り返る
花は両性花と、花柱が退化した雄花がある
果実は2cmほどの棍棒状で、上部は膨れ基部は細くなる

サクラ色々

2023-04-10 | 樹木 草花

 

早咲きの花が終わり、今年は早かったソメイヨシノも散って葉桜になった
この時期は八重など遅咲きのサクラが十分に楽しめる

左上から順に・・
一葉:サトザクラの栽培品種 雌しべの下部が葉のような形に変化しているので一葉という
兼六園菊桜:金沢の兼六園に伝わる栽培品種 花弁が非常に多く300枚以上になることもある
関山:東京の荒川堤より広まった栽培品種 開きかけの花は塩漬けに加工し桜湯で楽しむ
梅護寺珠数掛桜:新潟県の梅護寺に原木があり天然記念物に指定されている
珠数掛桜は親鸞聖人にまつわる伝説と共に幾つかある
普賢象:葉に変化した2本の雌しべと白色の花弁から普賢菩薩が乗る白象を連想した
妹背:京都野平に神社の原木が有った 2本の雌しべが共に成熟して一つの枝の先に二つの実が付くことがあり妹背の名になった この木は2段咲きしている
鬱金:サクラとしては珍しい淡い黄色の花が咲く ウコン染めの布の色に見立てた名前
御衣黄:花弁に緑色の筋が入る変わった花色で有名な栽培品種 この花色を貴人が着用する衣服の色に見立てた名前

トキワハゼ

2023-04-09 | 樹木 草花


家の脇の道端に咲いていたトキワハゼ
名前は花がいつでも見られ、実がはぜるからと言われる

ゴマノハグサ科の道端や畑などに多く見られる1年草
茎は数本が束生し、高さは5~20cmで、匐枝は出さない
葉は根元のものは5~2~5cmと大きく、茎の上部では小さい

茎の先に淡紅紫色の1cm程の小さな唇形花を付ける
花は4~11月の春から秋が深まるころまで長く見られる
花冠の上唇は2浅裂し淡紅紫色
下唇は僅かに紫色を帯びた白色で、黄色と赤褐色の斑紋があり3裂する
下唇に見える開いた柱頭をペン先などで突つくと、見る間に閉じる
果実は球形の蒴果

ササグモ

2023-04-08 | 虫類


ササグモの名は、笹の葉に多く居ることから付けられたが、どこにでも見られる
庭園の草木の葉上、草原、水田、スギ林、林道の草間などに生息している
葉上に止まって第1脚を広げ、獲物が近づくのを待つ徘徊性のクモで網は張らない
獲物が近づくと瞬間的に飛びついて捕らえる

8月頃には葉を糸で折り曲げて産卵する
母グモは卵のうに覆いかぶさるようにして守っている
杉の害虫のスギタマバエの天敵として役立っている

成体は4月から8月に見られ、腹部中央に明るい条があり、その中に褐色の模様がある
足には長い棘がある
メスは8~11mm、オスは7~9mm

ツマグロオオヨコバイ

2023-04-07 | 虫類


今年初めてのツマグロオオヨコバイが飛び回っていた
ヨコバイはカメムシ目でセミに近い仲間、敵が近づくと横に這って葉や枝の反対側に移動することから名前が付いた
前翅の端が黒く大型のヨコバイ
体色がバナナ色なので「バナナムシ」の愛称がある
都市部の植え込みでも見られる普通種

成虫で越冬して、3~10月まで見られる
低山地の林や、都市部の公園や庭でも見られる
ブドウ、クワ、チャ、キイチゴ、柑橘類など、様々な植物の葉の裏などに止まり汁を吸う

体色は黄~黄緑色で、翅端は黒く頭と胸に黒色点がある
大きさは13mmで大型のヨコバイ

サンゴジュハムシ

2023-04-06 | 虫類


サンゴジュハムシの幼虫が葉を食べて穴だらけにしていた

卵で越冬して春に幼虫になり、成虫は5月頃から出てくる
卵は小枝に固めて産み付け分泌物で覆われている
幼虫の食草はサンゴジュ、ガマズミ類、ゴマギなどの葉を食べる
成長すると地中に潜って蛹化する

成虫は7mm程の大きさで、全体暗黄褐色のハムシ
前胸背板中央に前縁に達する黒色条がある

アマナ

2023-04-05 | 樹木 草花


アマナでアブらしき虫が食事をしていた
地中の丸い鱗茎が食用になり、甘味があるのでアマナの名がある
鱗茎の形がクワイに似ているので、ムギクワイの別名もある

ユリ科の日当たりの良い草地や田畑の畔に生える多年草
葉は白緑色の線形で、中脈はしばしば白い筋になる
花茎は20cm程になり細くて柔らかい

花は3~4月に咲く
花は花茎の先に普通1個付き、陽が当たると開く
花被片は6個有り、2cm程で白色に暗紫色の脈がある
雄しべは6個で花被片より短い

鱗茎の外皮を除いて日干しし、煎じて飲むと滋養強壮剤になる
鱗茎は1年中採取でき、葉と花は3~5月の葉が枯れるまでの間に採る
澄まし汁やみそ汁の青みに利用する
甘味があり美味しい

ハマダイコン

2023-04-04 | 樹木 草花


ハマダイコンは浜辺に生えるダイコンの事で、ダイコンが野生化したものと言われる
根はあまり太くならず硬いが、花の咲く前の根はおろして食べられる
ダイコンは地中海周辺、又は中央アジア原産で古い時代に中国経由で日本に入ってきた
万葉の時代には「おおね」と呼んで大根の字を当て、後に音読みでダイコンと呼ぶようになった

アブラナ科の海岸の砂地に生える越年草
茎は高さ30~70cmほどになる
葉は根元から束生し、濃緑色で羽状深裂~全裂する、頂裂片は大きい

花期は4~6月
枝先に総状花序を出し、淡紅紫色の2cm程の4弁花を多数つける
果実は長さ7cm程で、数珠状のくびれのある長角果


ムラサキハナナ

2023-04-03 | 樹木 草花


名前は、ムラサキハナナ、オオアラセイトウ、ショカツサイ、ハナダイコンと沢山ある

アブラナ科の1年草~越年草、栽培もされている
道端などに生える中国東北部原産で江戸時代に渡来した
観賞用に栽培され、野生化したものも多い

茎は高さ30~80cmほどになる
葉は、根生葉と下部のものは柄があり羽状に深裂する
頂裂片は大きく、基部は心形、上部の葉の基部は茎を抱く

花期は3~5月
茎頂に総状花序を付け、花は3cm程の淡紫色の4弁花
果実は10cmもの長角果で、4個の稜が目立つ

キランソウ

2023-04-02 | 樹木 草花


地面にへばりつくようにキランソウが咲いた
キランソウ(金瘡小草)の名は、漢名を音読みにしたもの
別名ジゴクノカマノフタは、根生葉が地面に張り付くように広がっていることによる

シソ科の道端や山野に生える多年草
シソ科では珍しく茎が丸く、地を這って広がる
根生葉はロゼット状につき、5cmほどの倒披針形で粗い鋸歯があり、紫色を帯びることがある
茎につく葉は小さい

花は3~5月に咲く
葉腋に1cmほどの濃紫色の唇形花を数個つける
唇形花は上唇が小さく、下唇は大きく3裂する
果実は卵球形の4分果からなる

地上部を根際から採り、茹でて各種あえ物に、生で草の姿のままでテンプラにしても風趣を楽しめる

ヒトリシズカ

2023-04-01 | 樹木 草花


ヒトリシズカは白く清楚な花を静御前に例えた名前
茎に花穂が1個付くことから一人とした

センリョウ科の山野の林内や草地に生える多年草
茎は直立し高さ20cm程で、初めは紫色を帯びるものが多い
茎の下部の節には膜質の鱗片状の葉が付く
上部には2対の葉が十字型に対生するが、4個の葉が輪生しているように見える
葉は光沢のある濃緑色で長さ8cm程の楕円形~卵状楕円形
先は短く急に尖り、縁には鋭い鋸歯がある

花は4~5月に咲く
葉が伸び切る前に茎の中心から白い花穂を出す
花は花弁も萼もなく、緑色の雌しべ1個の子房の横腹に、雄しべ3個が付く
雄しべの花糸は白く良く目立つ
外側の2個の雄しべは基部の外側に黄色の葯があり、中央の雄しべには葯がない

果実は核果で、3cm程の歪んだ広倒卵形