nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

40年振りに飯山線を走る蒸気機関車~「SL信濃川ロマン」試運転列車追いかけ編

2012-11-08 18:19:00 | 国内の鉄道
十日町で蒸気機関車の入換えを撮影した後、午後は知人のクルマに便乗させてもらって、いよいよ「SL信濃川ロマン」号試運転の走りの撮影開始です。

まずは、下条(げじょう)付近で待ち伏せです。この日は、十日町発の機関車は後ろ向きに客車を引っ張ってきますから、なるべくサイド狙いということでポジションを決めました。周囲のすっきりした良いロケーションなのですが、平坦な区間だったので、汽車は煙を吐かないであっけなく通過。がっかりでした。

無理をしないでクルマを走らせたのですが、汽車のスピードが遅いせいで、越後岩沢付近で追いついてしまいました。車内からとっさに撮影した一枚です。

いい感じで煙を吐いていますね。

こうなったら欲が出ます。越後川口手前の鉄橋で狙おうということで進みますが、道が複雑で経路を間違えてしまいました。それでも戻って鉄橋に並行する道路橋に着くと同時に汽笛が鳴って、ぎりぎりで間に合いました!

信濃川の支流である魚野川を渡る絶好のロケーションですが、やはり煙は吐かず。残念!

この後、汽車は越後川口で20分も停車して上越線に乗り入れて長岡に戻ります。というわけで、架線のある電化区間ですが、もう一度先回りして撮影です。

緩やかな上り勾配だったので、今度こそ煙を吐いて走り去って行きました。夕日がボディにあたって夕方らしい光景となりました。

クルマで越後川口まで送ってもらって、単身、新幹線に乗るべく長岡へ向かうのですが、おまけがあります。約20分後の電車は、長岡の手前の宮内で汽車に追いついてしまうのです。しかも、宮内は信越本線と合流する駅なので、撮影後もすぐに信越本線の長岡行き電車があるという便利さ。これを利用しない手はありません。

夕闇迫る宮内駅を発車するC11を見送って、追いかけるように長岡へ。到着すると、一日の仕事を終えて、車両基地へ戻る準備中の機関車が待っていてくれました。

ディーゼル機関車DE10が後部に連結されていますが、今や、ディーゼル機関車が牽引する客車列車というのも貴重な存在ですね。


クルマに乗せてもらったので、何回も撮影チャンスがあって楽しめたのは事実ですが、できれば列車に乗りながら追いかけたいものです。イベント運転のときくらい、撮影用追いかけ列車を走らせられないものでしょうかねえ(といっても、飯山線の線路状況では不可能なので、他の路線での話ですが・・・。上越線ではダイヤ上可能です)。ともあれ、飯山線でのSL運転。来年以降も実施してもらいたいものです。
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なお、イベントSL列車については、拙著『旅が10倍面白くなる観光列車』(平凡社新書)をご覧ください
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40年振りに飯山線を走る蒸気機関車「SL信濃川ロマン」~十日町編

2012-11-08 16:05:00 | 国内の鉄道
飯山線を蒸気機関車が40年振りに走るという情報を入手しました。機関車は、普段は真岡鉄道を走っているC11形325号機。旧型客車3両を引っ張って、長岡~越後川口~十日町を「SL信濃川ロマン」号として往復します。本運転は混雑しそうなので、試運転日を狙っていたのですが、予報では天気が芳しくありません。何とか晴れが少しだけ出ていた7日(水曜)に思い切って出かけました。

列車は一日1往復なので、朝の往路から撮影したいところですが、東京から日帰りするとなると、上越新幹線の始発で何とか越後川口近くの魚野川橋梁通過に間に合うという感じです。しかも、そのあとの列車が驚くほど少ないのです。クルマで行けば話は簡単なのですが、ここ四半世紀近くハンドルは握っていないし、鉄道ファンとしては、列車で撮影に行きたいと思います。それにしても、最近のローカル線は本数少なすぎです。せめて、イベントのあるときくらい臨時列車を走らせてもらいたいものです。鉄道会社にとっても、稼ぎ時だと思うのですがね・・・。

あれこれ考えて、今回は、上越新幹線+ほくほく線でいきなり十日町へ。そこで、うまくいけばクルマで来ている同業者と合流というスケジュールになりました。

ほくほく線の快速電車が十日町に着くのが、SL試運転列車到着の3分前。急いで飯山線乗り場に出ると、汽笛が聞こえてきましたので、ホーム上の跨線橋の窓から到着を撮影できました。


汽車がホームに横付けになると、係員が機関車の点検をしたりと忙しそうです。ホームでは異常に多い警備員と地元の見物客が目につきました。普段、鉄道に関心のない人たちも、蒸気機関車には惹かれるものがあるようです。「汽車」は、地方の活性化にとって目玉商品なのですね。


こうして、列車全体を眺めてみると、蒸気機関車に茶塗りの旧型客車というのは、よく似合います。昨年、C61形復活に合わせて、旧型客車をリニューアル。ドアを自動化して、トイレも洋式化と汚物収納タンク設置で安心して使えるようになりました。「汽車」は雰囲気が大切ですから、JRの地道な努力に敬意を表したいと思います。試運転ですから、イベントに付きもののヘッドマークもなし。すっきりしていると同時に、往年のローカル列車の再現となりました。イベント運転の試運転しか来ないというファンの気持ちがよく分かります。

さて、復路の運転に備えて、11時45分頃から列車の入れ替えが始まりました。まずは、客車を1番線から2番線に移動します。



そのあと、客車を切り離して、機関車だけの入換えです。


踏切の先まで進んだ後、バックして転線。3番線の外側の線路を進んで、ほくほく線の高架下にある留置線で給水、整備をする模様です。

線路際には、ロープが張られ、警備員があちこちに立っていました。もちろんマナーを守って撮影する分には何の問題もありません。さすが、試運転時は人でもそれほど多くはないので、どこものんびりムードです。お互い、節度を持って楽しみたいですね。

さて、同業者2人と無事合流できたので、ゆっくり昼食をとって、午後の撮影に備えましょう。
つづく

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なお、イベントSL列車については、拙著『旅が10倍面白くなる観光列車』(平凡社新書)をご覧ください
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