nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

JR水郡線『SL奥久慈清流ライン号』試運転列車

2012-11-26 17:57:00 | 国内の鉄道
11月30日から12月2日までの3日間、JR水郡線の水戸(茨城県)と常陸大子(ひたちだいご=茨城県)の間に「SL奥久慈清流ライン号」という蒸気機関車牽引のイベント列車が走ります。それに先だって走っている試運転列車を取材してきました。

水郡線では、1970年の蒸気機関車廃止後も、イベント運転が過去3回行われました。1985年のつくば万博記念(C56牽引)、1990年(D51-498)、1998年(C58)で、D51は重量の関係で下小川まで、C56とC58は今回と同じ常陸大子まで走っています。D51のとき以外は撮影に出かけていますので、今回は3回目。久々の水郡線SL撮影行となりました。ただ、従来は常陸大子に現存するターンテーブルで機関車の向きを変えていたのですが、今回は片道だけ。朝、常陸大子をディーゼル機関車(DL)でけん引されて水戸にやってきて、水戸から常陸大子へ向かう列車だけが蒸気機関車牽引なのです。まずは、DL牽引の模様を、水戸駅で撮影しました。

実は、これを撮影した3番線ホームからは、常磐線のいわき行き電車がDL列車到着と同時刻の10時33分に発車するのです。ですから最悪かぶってしまうのですが、到着が若干遅れたようで、運よく撮影できました。この列車の最後尾に蒸気機関車がぶらさがるようにして水戸へやってくるのですが、C11形325号機。普段は真岡鉄道を走っているのですが、先日、飯山線のイベントで会ったばかり。いってみれば「追っかけ」ですね(笑)

10分ほど停車したのち、列車は一旦、車両基地へ引き揚げて、12時発の本番に備えます。


さて、C11牽引の「SL奥久慈清流ライン号」試運転列車撮影のため、水戸から各駅停車で1時間ほどのところにある水郡線の下小川駅へディーゼルカーで向かいます。1985年のC56撮影時に訪れて以来、27年振りの再訪です。当時の写真を探そうと思ったのですが、見つからず。ネガフィルムで撮影したはずです。

ちょっと面白いデザインの下小川駅を後に、歩いて10分少々のところにある久慈川に架かる鉄橋を目指します。鉄橋と並行して道路橋があり、線路側に幅2mほどの歩道があるのです。まさに撮ってくださいと言わんばかりの場所です。北へ向かう水郡線は晴れていれば逆光になる撮影地が多いのですが、ここはカーブの関係で、ほぼ北東に向かっていますし、上り勾配なので煙も出ます。「奥久慈清流ライン」という名称にふさわしいロケーションでもあり、先客多数。それでも、場所が広いので、橋の歩道の半分も埋まっておらず、あぶれることはありませんでした。寒さ対策でコートにマフラーでやってきましたが、暖かかったので、しばし脱いでいました。

現地到着は、汽車通過の1時間以上前。まずは、上り列車(ディーゼルカー)で試し撮りです。

これなら、C11プラス旧型客車3両がきれいに画面に収まりそうです。このあとは、いよいよ本番かなと思っていたら、甲高い汽笛が鳴るので、おやっと思ったら、水戸駅までSL列車を引っぱてきたディーゼル機関車(DE10)が単機で常陸大子へ帰っていくところでした。

そして、定刻より遅れて汽車がやってきました。ずいぶん頻繁に汽笛を鳴らしながら(時折怒ったような汽笛も鳴らして・・・、線路に近づきすぎた人でもいたのかな?)、轟音とともに鉄橋を渡って行きました。



行ってしまえば、あっけないものの、汽車を撮影するのは楽しいですね。さて、列車が遅れたせいで、常陸大子行きのディーゼルカーの時間まで20分を切っています。急がねば。つづく