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きょうというひ/荒井 良二/BL出版/2005年初版
3.11後、停電になる時期がありました。
このときごやっかいになったのはロウソクでした。
ロウソクのやさしい灯りがなんとも力づよいものでした。
深々と降る雪の日、夜があけると、朝日が雪を照らし、今日のはじまり。
今日という日に着るために、女の子は、セーター、帽子、マフラーを編みます。
そして、ロウソクがはいるくらいの、かまくらをいくつもいくつもつくり、ロウソクを灯していきます。
きえないように・・・きえないように。
そして無数のロウソクの灯りが、夜を照らします。
祈りのロウソク。
この祈りに込めるものは、人によってさまざまでしょうが・・・。
たしかに、今日という日は、人生に一度しかないんですよね。