ミルシーナ/世界むかし話3 南欧 ネコのしっぽ/木村 則子・訳/ほるぷ出版/1979年初版
おもったより、白雪姫と同じ話型の昔話が少ないようです。
タイトルが人名になっているので、内容が分かりにくいこともありそうですが、大筋では白雪姫と同じで、出てくるのは両親のいない3人姉妹。
白雪姫ではこびとですが、「ミルシーナ」は、12の月の兄弟。
姉二人がミルシーナの美しさをねたみ、森に追いやるが、12の月の兄弟のところで無事だったことを知ると、毒入りのパイをもってミルシーナのもとに。
しかし、そのパイを犬にわけてやると、その場で死んでしまうので、毒入りと気がつきます。
次に姉二人が毒が塗られた指輪を、おっかさんの形見だと渡し、ミルシーナが指輪をはめると、死んだように床にたおれてしまいます。
12の月がミルシーナを金のひつぎにおさめて、家のなかにおいておくと、やがて、若い王さまがあらわれ、どうしてもゆずってほしいと柩を城に運び込みます。
白雪姫は、ガラスの棺におさめらますが、この話では、王さまが柩の中身をみることなく城に運び込んでいます。
白雪姫は、胸紐、櫛で倒れ、こびとの機転で助かりますが、「ミルシーナ」では、12の月に助けられるということではありません。
白雪姫は、こびとに注意されていたのもかかわらず、珍しいものにすぐ目がいってしまい、手に入れたいという欲望?をおさえきれずにいますが、「ミルシーナ」では、おっかさんの形見といわれて指輪をはめるのは自然な成り行きです。