四万年の絵/たくさんのふしぎ 2016年7月号/山田英春:文・絵/福音館書店
今から4万年くらい前の人間がかいた昔の絵があるかもしれないというオーストリアの岩絵。
古い絵の上に新しい絵が、親から子、子から孫、またその子へと次から次へと引き継がれているといいます。
岩壁に書かれた手、手、手。大きな手、小さな手、赤いもの、青いもの。狩猟をする人、笛を吹いている人、ボートに乗る人、カンガルーやエリマキトカゲ、絶滅した巨大な鳥ゲニオルニスなどの動物。
ここには暮らしや環境が息づいているようです。
岩絵はアポリジナルが残してきた長い長い歴史の遺産。絵の多くは大きな岩が屋根のようにせりだしている場所にえがかれ、雨風があたらないというのですが、風化してしまわないか心配です。
しかし、西洋人がオーストラリアを「発見」した段階で、数十万人がいたとみられる先住民が、ヨーロッパ人が旧大陸から持ち込んだ伝染病に免疫をもっていなかったため1920年には7万人にまで減少したとは!