教室はまちがうところだ/蒔田晋治・作 長谷川 知子・絵/子どもの未来社/2004年
卒業式のシーズン。卒業式がおわると、入学式。
新一年生になる子は、どんな先生、どんな友だちができるのか、期待とドキドキ感がいっぱいなのでは。
そんなとき、先生から「教室はまちがうところだ」「おそれちゃいけない わらっちゃいけない 安心しててをあげろ 安心してまちがえや」「そんな教室つくろうや」といわれたらどうでしょう。
「神様でさえまちがう世の中 ましてこれから人間になろうと しているぼくらがまちがったって なにがおかしいあたりまえじゃないか」と、よびかけられたらどうでしょう。
素直に共感できる絵本です。
ニコニコ顔の子どもたちと、先生にやさしい笑顔が印象的です。
魔法のゆびわ/世界むかし話13 インド/光吉夏弥・訳 畠中光亨・絵/ほるぷ出版/1979年
ラムとソムというふたりの友だち。住むのも、持ち物も半分づつ共同。
毛布一枚 ラムが昼間、ソムは夜つかいます。
牝牛は、ラムが頭のほう、ソムはしっぽ。
木は、ラムが下、ソムが上。
ラムは夜、毛布がないのでろくろくねむれず、牝牛にはエサをやったり、水をあげたり(頭がラムのもちものです)、木は下がラムのものなので、根っこに水をやったり、こやしをやったり。
共同といってもこれでは不公平。
旅人から知恵をつけられたラムがとった方法。
ラムは昼間、毛布を水の中に毛布をつけ、びしょびしょに。ソムがびしょぬれの毛布じゃ、眠れないと文句を言うと、昼間は自分のものだから、何をしようとかまわないじゃないか、とこたえます。
ソムが木の枝にまたがって、よく熟した実をとろうとすると、ラムは幹を斧でごしごしやりはじめます。木を切ったら実が取れなくなるじゃないかとソムは、どなりますが、ラムは、木の下は自分のものだからといいます。
どうも公平ではないときづいたソムは、ラムと相談して、それからは・・・・。
極端な例ですが、なかよしになるには、ちゃんと相手のことを思いやる必要がありますと教えてくれる昔話です。