ふしぎなサンダル/世界むかし話 中南米/福井恵樹・訳 竹田鎮三郎・絵/ポプラ社/1979年
人間の寿命をあらわす石油ランプ。
突然天国にいったファン。まずは待合室に案内され、そこで待つようにいわれます。
ファンは自由に歩き回り、ある部屋に行くと部屋中に石油ランプが燃えていました。ランプは、どれも生きている人の命をあらわしているといわれます。自分のランプがどれかと聞くと、あまり明るくないランプ。
ファンは、いったん部屋をでますが、聖ペテロが門のところにいるのをみると、すぐに部屋にもどり、自分のランプの灯心をきれいに掃除して、そこに新しい油をいれます。
ここで、寿命がのびるのかと思ったら、聖ペテロにみつかって、禁じられたことをしたら、地上にもどることになるぞと注意されるだけで、その場はすみます。
昔話では、地獄に寿命をかいた帳面があったり、ろうそくが寿命をしめしたりとあらかじめ予定されているという考え方が多い。
そこで、なんとか寿命をのばそうとする人間と、閻魔さまや天国の聖ペテロなどの、やりとりがお話として成立しやすいのでしょう。