ケーキやさんのゆうれい/ジャクリーン・K・オグバン・作 マージョリー・ブライスマン・絵 福本由美子・訳/フレーベル館/2007年初版
ケーキとゆうれいの取り合わせ、はてなと思いましたが、おいしそうなケーキが次から次へとでてきて思わずなまつばを飲み込むことに。
コーラ・リー・メリウェザーはケーキ屋さん。おいしそうなケーキが並んでいるのですが、コーラ・リーは、素敵なケーキを作る人にみえません。いつもレモンを食べたみたいに口をすぼめ、かみをぎゅっとしばって、小さなおだんごにしていました。
でもお客はケーキだけをみて、コーラ・リーをみていませんでしたから、あまり関係なかったようです。
コーラ・リーが亡くなって、町中の人がお葬式にやってきたのですが、誰も泣いていません。しかし牧師さんが店で売っていたケーキの名前を読み上げると、みんなは、すばらしいケーキがもう食べられないとわかって泣き出します。
家族がいなかったコーラ・リーの店は売りに出されます。
しかしこの店を買った人は、次々に店を手放します。なにしろコーラ・リーがゆうれいになってでてきたからでした。
しばらくして、大きな船の台所でデザートをつくっていたアニー・ワシントンが、この店が気にいって買い取ります。
ここから、コーラ・リーとアニーのバトルがはじまります。
コーラ・リーは仕込みをしている台所に出てきて、ボウルをころがしたり、たまごをパックごと投げつけ、20キロ!もある小麦粉の袋を引きちぎり投げつけたり。
アニーも負けていません。パイ生地の真ん中に顔をだしたコーラ・リーをバターをのせてつつみこみます。
どうしてとさけぶアニーにコーラ・リーがいいます。
「わたしにケーキを作っておくれ。むねがいっぱいになって、なみだがこぼれるほどすばらしいケーキ。わたしなら作れるけど」。
それからコーラ・リーが満足するケーキづくりがはじまるのですが・・・。
最後のページには「ワシントンとメリーウェザーのケーキ店」とあります。
おいしそうなケーキが並んでいる絵には、おもわず食べてみたくなります、