どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ケーキやさんのゆうれい

2016年10月16日 | 絵本(外国)


     ケーキやさんのゆうれい/ジャクリーン・K・オグバン・作 マージョリー・ブライスマン・絵 福本由美子・訳/フレーベル館/2007年初版



 ケーキとゆうれいの取り合わせ、はてなと思いましたが、おいしそうなケーキが次から次へとでてきて思わずなまつばを飲み込むことに。

 コーラ・リー・メリウェザーはケーキ屋さん。おいしそうなケーキが並んでいるのですが、コーラ・リーは、素敵なケーキを作る人にみえません。いつもレモンを食べたみたいに口をすぼめ、かみをぎゅっとしばって、小さなおだんごにしていました。
 でもお客はケーキだけをみて、コーラ・リーをみていませんでしたから、あまり関係なかったようです。

 コーラ・リーが亡くなって、町中の人がお葬式にやってきたのですが、誰も泣いていません。しかし牧師さんが店で売っていたケーキの名前を読み上げると、みんなは、すばらしいケーキがもう食べられないとわかって泣き出します。

 家族がいなかったコーラ・リーの店は売りに出されます。
 しかしこの店を買った人は、次々に店を手放します。なにしろコーラ・リーがゆうれいになってでてきたからでした。

 しばらくして、大きな船の台所でデザートをつくっていたアニー・ワシントンが、この店が気にいって買い取ります。

 ここから、コーラ・リーとアニーのバトルがはじまります。

 コーラ・リーは仕込みをしている台所に出てきて、ボウルをころがしたり、たまごをパックごと投げつけ、20キロ!もある小麦粉の袋を引きちぎり投げつけたり。

 アニーも負けていません。パイ生地の真ん中に顔をだしたコーラ・リーをバターをのせてつつみこみます。

 どうしてとさけぶアニーにコーラ・リーがいいます。
 「わたしにケーキを作っておくれ。むねがいっぱいになって、なみだがこぼれるほどすばらしいケーキ。わたしなら作れるけど」。

 それからコーラ・リーが満足するケーキづくりがはじまるのですが・・・。

 最後のページには「ワシントンとメリーウェザーのケーキ店」とあります。

 おいしそうなケーキが並んでいる絵には、おもわず食べてみたくなります、


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