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ろくべえ まってろよ/灰谷 健次郎・作 長 新太・絵/文教出版/2002年第67刷
小学校一年生の、えいじくん、かんちゃん、みつおくん、しろうくん、みすずちゃんが心配そうに眺めている深い穴に落ちてしまった、犬のろくべえ。
「まぬけ」とかんちゃんが言いますが、言葉とは裏腹にどうしたものかみんなで知恵をしぼります。
お母さんたちにきてもらいますが、「無理よ」の一言。
ぼくがいくよと男らしくいったかんちゃんに、お母さんは「ゆるしません」。
歌をうたってあげても、ろくべえはちょっと目をあげるだけ。
ろくべえが好きなシャボン玉をふいてあげても、ろくべえはぴくりともしません。
ゴルフのクラブをふりながら、とおりかかったひまそうにひとにお願いしても「いぬでよかったなあ」といったきり、いってしまいます。
そこで考えたのは・・・・・。
タイトルの「ろくべえ まってろよ」に、子どもたちの気持ちが凝縮されています。縦と横になった絵が交互にあらわれるのも楽しいですが、穴におちたろくべえのしょんぼりしたさまに、ほろりとさせられます。