どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

とうふやのお客

2015年08月27日 | 安房直子

     ねこじゃらしの野原/安房直子コレクション3 ものいう動物たちのすみか/偕成社/2004年


 ねこじゃらしの野原には、たくさんのとうふやさんのお客がいます。

<すずめのおくりもの>1982年初出
 休みの日の早朝にやってきたのが、すずめ。
 なんでもすずめ小学校の入学式のプレゼントにとうふをつくってほしいと、秘密の畑で作った豆を持参してきます。


<ねずみの福引き>
 冬のひぐれどき、秘密の話があるというので、とうふ一丁をもってでかけたのが、ねずみの福引会。とうふは福引会のあと、よせなべをするというのですが・・・。
 とうふやさんがあてたのが、ざんねん賞の線香花火。しかし、この線香花火は小さな花を咲かせます。


<きつね山の赤い花>1984年初出
 とうふやのゆみ子が、とうふをもってでかけたのが、菜の花が一面に咲く野原。子ぎつねたちと遊びますが、母ぎつねがしてくれたのは、赤いマニュキア。きつね山の椿でなければだめなのです。


<星のこおる夜>1984年初出
 冬の晩、とうふやにやってきたのは、枯れ木のような娘。かしわの木の精でした、こおりどうふを作るには、星がこおる夜にしかできず、今夜がその日ですと、五つのとうふを銀のなべにいれると、ゆっくりと山に帰っていきます


<ひぐれのラッパ>1980年初出
 引き売りをしていたとうふやさんに声をかけたのは、山崩れでほろびた村のこどもたち。
 どうしても金色のラッパを聞きたかったのです。とうふやさんは、このラッパを子どもたちになげると、野原のふしぎな呼び声はぴったり聞かれなくなります。


<ねこじゃらしの野原>1980年初出
 まちがい電話がしょっちゅうかかってくるようになって、ねこじゃらしの野原にでかけると、そこにはむかしとうふやさんにいた猫のタロウ。みようみまねでとうふを作るようになったのです。とうふ料理店もひらいていました。しかし、歩いて歩いて、日が暮れるころに、すすきが原の一本道にいたのですが、ねこじゃらしなんか一本もはえていませんでした。        


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