どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

愛用の時計

2019年11月01日 | 星 新一

      ゆきとどいた生活/星新一YAセレクション/和田誠・絵/理論社/2008年

 

 ショートは、オチが先なのでしょうか。

 K氏は週末の旅行の準備をしていました。天気予報は、よい天気をつげています。

 K氏は五年ほど前に買った時計を大切にしていました。デパートの時計売り場のそばを通ったとき、たくさんの時計の一つがキラリと光リ、ウインクされたような気がして買ったものでした。

 K氏は時計をからだの一部であるように扱い、定期的に検査にもだしていました。そのため時計は正確な時刻を忠実にしらせつづけてきたのです。

 その時、ラジオが時報の音をたてました。時計の時刻が違っていたのです。ラジオの時報が正しいのを知って、あわてたK氏。

 買っておいたキップのバスの発車時刻にまにあわなくなっていました。

 どうしようもなく、旅行を中止し、散歩にでかけたK氏は、ポケットのラジオのニュースを聞きます。

 S山に行くバスが事故で谷へ転落したニュースでした。

 じつは転落したバスは、K氏がのる予定のバスでした。


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