ねえねえ、きょうのおはなしは・・/大塚勇三:再話・訳/福音館書店/2024年
昔話のパターンのひとつで、葉もの・茎もの野菜と根もの野菜のどちらを選ぶかの話。
おひゃくしょうが、畑でであったのが悪魔。悪魔は、金や銀をどっさりもっているが地面からとれるものがほしいと、ひゃくしょうにもちかけます。金や銀をあげるかわりに、二年の間はたけでできるものの半分をくれという。
おひゃくしょうが、できあがってけんかにならないように、地面の下のものをじぶんのものにするといいいます。この畑に植えていたのはカブでした。いよいよ取り入れになると、地面の上にあるのはしなびた葉っぱばかり。おひゃくしょうは、土の中からカブをほりだしました。
そこで悪魔は、つぎに地面の下にあるものは、いっさい自分のものだといいだしました。おひゃくしょうは、こんどはコムギのたねをまいたので、取入れの時期には、地面の上にコムギができました。おひゃくしょうがコムギをかりとるとの、のこったのはきりかぶだけ。
悪魔はむちゃくちゃにおこって、岩だらけの谷にとびこんでしまいました。
おひゃくしょうの言い分。「どうだい、キツネみたいなやつは、こうやってだまかしてやるものさ」