ぼくらにできないことはない/エーヴァ・リンドストロム・作 よこのなな・訳/岩波書店/2024年
タイトルから、さまざまなことにチャレンジするのかと思ったら、まったく違っていました。
どこかの惑星からやってきたのは、ぼくと、お母さん、イヌのキングだけ。宇宙船に乗れたのは、たった三人。なぜ?。
父親がどうなったかもわかりません。
学校に行って、「ぼくらはかんぺき」「ぼくらには なんでも あるんだから」と、おもっているぼく。
公園を通るとき、お父さんを見つけた きがしたが、ぼくらに きづかない。あれはちがう人なんだ。
毎晩、宇宙船が むかえにくる 夢をみる。
お父さんのことは、考えたくはないがやっぱり かんがえちゃう。地面をならし、宇宙船が着陸できるよう整備し、お父さんに電話して いうんだ。「準備完了、ここは だいじょうぶだよ、ねえ きてよって。」
離れ離れになった父を思う僕の気持ちが切ない。「ぼくらにできないことはない」「ぼくらはかんぺき」「ぼくらには なんでも あるんだから」というのは、自分を励ますためのものでしょうか。
漠然とした不安感のなか、それでも希望をもとめて・・・。