どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ぼくらにできないことはない

2024年11月28日 | 絵本(外国)

   ぼくらにできないことはない/エーヴァ・リンドストロム・作 よこのなな・訳/岩波書店/2024年

 

 タイトルから、さまざまなことにチャレンジするのかと思ったら、まったく違っていました。

 どこかの惑星からやってきたのは、ぼくと、お母さん、イヌのキングだけ。宇宙船に乗れたのは、たった三人。なぜ?。
 父親がどうなったかもわかりません。

 学校に行って、「ぼくらはかんぺき」「ぼくらには なんでも あるんだから」と、おもっているぼく。

 公園を通るとき、お父さんを見つけた きがしたが、ぼくらに きづかない。あれはちがう人なんだ。

 毎晩、宇宙船が むかえにくる 夢をみる。

 お父さんのことは、考えたくはないがやっぱり かんがえちゃう。地面をならし、宇宙船が着陸できるよう整備し、お父さんに電話して いうんだ。「準備完了、ここは だいじょうぶだよ、ねえ きてよって。」

 

 離れ離れになった父を思う僕の気持ちが切ない。「ぼくらにできないことはない」「ぼくらはかんぺき」「ぼくらには なんでも あるんだから」というのは、自分を励ますためのものでしょうか。

 漠然とした不安感のなか、それでも希望をもとめて・・・。


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