ライオンとねずみ/リーセ・マニケ:文・絵 大塚 勇三・訳/岩波書店/1984年
小さな小さなネズミが、人間につかまった大きな大きな強いライオンを助ける物語。「ライオンとねずみ」というので、すぐにイソップを思い出しました。
イソップの話として1981年に岩崎書店から、「ライオンとねずみ」(絵:エド・ヤング 訳:田中とき子)、おなじ岩崎書店から(作:蜂飼 耳 絵:西村 敏雄)2009年に発行されていて、そのほかの出版社でもイソップの寓話とされていますが、ルーツはもっと古く三千年以上前の古代エジプトにあるといいます。
これからいうとイソップの寓話というのも、それ以前のものが集大成されているのかも知れません。
作者はエジプト学者で、原文が「デモティック」という書体でパピルスの巻物にかきつけられたものから再話したとありました。(象形文字の草書体というのが、本の見返しにありました)
この再話では、人間が動物にとっていかに危険なものかがつよく打ち出されています。
絵の人間がいかにも壁画風です。
イソップのライオンとねずみ/バーナデット・ワッツ・再話絵 ささきたづこ・訳/講談社/2001年初版
「イソップのライオンとねずみ」というタイトルで、バーナデット・ワッツが再話した絵本がありました。
暑さを避けるため木陰で眠っているこどもライオンの前足をうっかり踏んでしまったねずみ。
こどもライオンは唸り声をあげますが、ちっぽけなねずみをみて、どこへでもおいきよと唸るのをやめます。
すると、ねずみは「わたしのたすけがいるときは、いつでもよんでください」といいますが、ライオンは「お前がぼくを助けるなんてできるとおもうかい」ととりあいません。
やがて、こどもライオンは、このあたりでいちばん大きくなって、王さまとよばれるようになります。
ある日、王さまライオンは、網でできた罠にかかってしまいます。
キリンもぞうも、さるもシマウマも集まってきますが、どうすることもできません。
そこにねずみがやってきて、網をかじり、ライオンが抜け出せる穴をあけます。
大きくて強いと自負するライオンが、小さなねずみに助けられますが、体の大きさや外見の判断で決めつけないでといっているようです。
欠点よりそれぞれの長所を見つけていくことでしょうか。
本当に可愛いこどもライオンです。
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