死神と酒を飲んだ男/ものぐさ成功記 タイの民話/森 幹雄・編訳/筑摩書房/1980年初版
40歳で死の世界に旅立った男の生前の望みは、長男の僧侶姿をこの目でながめたいということと、棺桶の中には必ず酒を入れてほしいというもの。
生前は明けても暮れても酒、酒、酒の酒浸りだった男。
死神は、酒というのははじめて耳にすることば。
男が酒を飲み始めるといい酒のかおり。死神も酒をのんでみると、うまい!。一口一口と飲んでいると酒びんはからっぽに。
男が問わず語りに、長男の僧侶姿を見れないことが心残りだと涙を流すと、死神はあと一年だけ家族のもとにかえしてくれる。
男があの世でみたことを、家族や友人に語ってきかせると、長男は数日たって僧侶となる。
心残りがなくなった男が一年たって、死を待ち受けるが、どうしたことか死の気配がかんじられない。
おかしいと思っていると、1年、2年が過ぎ、20年たっても男はピンピン。
一方、死神は40年たってから、酒飲みの男のことを思い出す。そこで、人間の名前と死ぬ年齢をかいた記録張を取り出してみると男の死ぬ年齢は41ではなく、401年。
死神は酔っぱらって401と書き入れてしまったことを思い出す。
長男が僧侶になることが望みというのは、いかにもタイの話らしい。
死は死神と結びついて恐ろしいイメージがあるが、昔話の世界では、死神はちっとも恐ろしくなく、ユーモアがある存在。
恐ろしい死神がこうした存在に描かれるのは、じつは裏返しのことか。
死神というと長ーいカマをもったイメージが強いが・・・・、
酒がでてくるので、子どもが受け入れてくれるか少し心配なところも。
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