てのひらむかしばなし うばのかわ/長谷川摂子・文 小西英子・絵/岩波書店/2009年
大蛇にのまれそうになったひきがえるを助けるために、なんのきなしに娘を嫁にやると約束したじいさま。
「とんでもねえ やくそくをしたもんだ」と、どっと寝込んでしまったじさま。食事ものどを通らない。三人おむすめが、じさまを心配して声をかけるが、「おろちのところへ よめにいってくれえか」とたずねられ、末娘がよめにいくことになった。
末娘は、よめいり道具に、「ふくべ 千こ、はり千ぼん」をもって、つぎの朝むかえにきた若者(大蛇)と、どんどん山のなかへ。気味の悪い池の中へいくように言われるが、「ふくべ 千こ、はり千ぼん」で、大蛇は はりが からだじゅうに ささり、毒がまわって、大蛇は死んでしまう。
むすめは、「いったん、よめにいったら いえにはかえれん」と、あてもなく 山道をあるき、やがて 糸つむぎをしていたばあさまのところで、とめってもらった。つぎの朝、ばさまは、ぼろぼろの かわをくれて、自分の正体をあかした。ばあさまは、命を助けてもらったひきがえるだった。
”うばのかわ”をきたむすめは、やがて長者どんのわかさまに みそめられ よめごになって あんらくにくらした。
”うばのかわ”をきたむすめは、みんながねたあと、うばのかわをぬぎ、ほんをよんでいるところを、わかさまに みそめられますが、ふだん、しごとをしているところでは、髪が白く、お面をかぶっているようで ばさまのよう。うばのかわは、お面付き?
類似の話が多く、大蛇のほか猿などがでてくるものも。日照りが続き、水ごいをしているところへあらわれるパターンが多いでしょうか。