次に子育てし始めたのは、ボート池の池尻に巣をつくったペアだった。
この場所には、ここ数年いつも巣が作られてきた。ボート池ではあるが、ボートが入り込めない場所で、桜の木の枝が水面に垂れ下がっているところである。
この場所が選ばれるのは、巣作りに適していると思われているからか、同じペアだからか、あるいはその子供なのか、よくわからないが。
ここでも、2月下旬ごろからカイツブリが縄張りを守るような行動を始めたが、なかなかペアが合流せず、実際に巣作りが始まったのは4月に入ってからだった。
卵は5月7日~11日の間に順調に孵化し、5羽の雛が生まれた。
5羽も孵ると、1番目の子と最後の子の成長の差が大きくなったが、餌が豊富で、親がよく面倒を見て、みな順調に育つ。
そんなある日、巣の引越しがあった。何か前の巣を放棄するような理由があったのかもしれない。
▲新しい巣に乗る雛たち 5月29日
雛が生まれた1か月後ぐらいに、親たちは交尾をした。
▲交尾するペア 6月5日
▲6月8日の雛たち
▲2番子を抱卵する親 6月11日
しかし、この巣はカラスに襲われて雛は孵らなかったと聞く。
親鳥はあきらめず、すぐにまた卵を産む。
7月26日、なんと6羽もの雛が孵った。(しかし、残念ながら、2~3日後には5羽に減ってしまったが。)
この雛たちも、末っ子があまりにも小さく、みそっかす状態で心配だったが、遅れながらも無事に成長していった。
このペアは、5羽と5羽で10羽もの雛を育てたわけで、このペアの子育てはこれで終わったとばかり思っていたのだが、なんと、9月に入って、また抱卵しているという話を聞き、あわてて見に行った。
つづく