弁天池のファイミリーの場合
4月25日、昨年営巣した場所に1羽のカイツブリ。昨年と同じ個体が、今年もここで営巣しようと場所を確保しているように見える。
▲別の場所で交尾
もう1羽は、別の場所を検討中。しきりに巣材を運んで交尾を促す。
しかし、最終的には、昨年と同じ場所で抱卵を始めた。
雛は3羽孵った。
▲家族の肖像
順調に育っているようだったが、ある日、卵が1つある巣を放棄して、池の中央に新しい巣をつくり始める。
▲一つ産み付けられた卵ごと放棄された巣
▲水草の上に巣をつくるペア
なんの支えがなくても、水底から生えた水草が支えになって巣は浮いていられるようだ。
▲2羽しかいない雛。新しい巣をつくって抱卵する親をみている。
しかし、何度見ても雛が1羽足りない。
▲雛の死体が浮いている。
7月3日、新しい巣の傍に、お腹を上に向けて浮かんでいる雛らしきものが…。
前の巣が何かに襲われたので、放棄し、その襲ったものが雛を攻撃したのだろうか。
残った雛もまだ給餌が必要な大きさなのだが、新しい巣で抱卵が始まる。
片方の親が時々雛に餌を与えたり、交代で抱卵したり。
やがて5羽の雛が孵った。
行くたびに5羽を数えて確認していたが、ある日事件が起きる。
動物園の池との境にある網の中に雛たちが入り込んでいたのだ。
▲網から体を半分出して餌をもらう雛
入ったところから出られるはずなのだが、行ったり来たりするばかりで出られない。
心配なので、動物園の人に様子を知らせたが、「自然のことなのでしかたがない。」という返事。
「せめて様子を見守ってください。」とお願いした。
次の日は、2羽残っているだけだったので、あとの雛は出られたのだろう。
しかし、折しもアオダイショウが池を泳いできたり、雛が網から頭を出して親の給餌を受けたりしていてハラハラ。
▲網をすり抜けるアオダイショウ
雛の姿はいつの間にかなくなったが、それ以降5羽全員の無事を確認することはできなかった。
10月のある日、池に大きくなった若鳥が3羽いるのが目に入る。
▲写真には2羽しか写っていないが、3羽いた。
あの5羽のうちの3羽にちがいない。あとの2羽も無事だと信じたい気持ちだった。
このペアは8羽の雛を孵し、そのうち7羽を育てたことになる。
さらにつづく