新米ペアレントの営業日誌・営業中

2005年3月1日に秋田県大仙市にオープンした大曲ユースホステルのペアレント(経営者)が日々の出来事を送ります。

六郷地区酒蔵巡り

2022-11-03 23:10:22 | 食文化

昨日の種苗交換会の後、少し時間があったので、六郷地区の酒蔵巡りを行いました。かつてこの地には江戸時代に19軒(享保年間)もの酒蔵があり、名前が判明している酒造り集団としては、秋田藩(県)で最大規模だったとのこと。太平洋戦争前には7つの酒蔵があったものの、戦時中の企業整理で一つ(仙北酒類製造)になり、昭和31年の解散で元の酒蔵として独立したもの、そのまま廃業したものと別れ、現在では2軒(奥清水、春霞)となってしまって、寂しい限りですが、その痕跡はそこここにありそうです。

まずは六郷のメインストリートを進み、交差点にある栗林酒造<酒銘・春霞>。旧羽州街道と生保内街道の交わる場所で、街のランドマーク的になっている酒蔵。明治5年(1872)創業の酒蔵で、敷地は古くからの土地割のままのようで、入口側はたいして広くはないものの、奥行きは200mも黒塀が続いています。

続いては、現在観光施設の湧太郎となっている場所にあった京野酒造<酒銘・国之誉>。観光施設の中に酒蔵が多目的ホールとして残っているほか、国之誉の銘板などもあり、駐車場には無造作に仕込樽が置いてありました。

京野酒造は文政11年(1828)に創業された酒蔵。昭和47年に秋田清酒(大仙市)<酒銘・やまとしずく>設立時に株主して参加し、自社の瓶詰業務を廃止し全量移出していたが、その後廃業。

道向かいの家がかつての志ら梅酒造(旧湯川酒造)<酒銘・志ら梅>の建物とのこと。数年前までは住んでいるのではという状態で保存されていましたが、ここ数年、雪害などもあり劣化が激しくなってしまっています。

湯川酒造は元禄時代(1688-1704)に創業したと伝わる六郷で最も古い酒蔵。湯川家は六郷の大商家の一つに数えられ、大正時代には町長を務め、斜め向かいには分家した湯川呉服店の建物が残っていますが、こちらも老朽化が進んでおり残念です。

次に本道町に戻って八千代酒造<酒銘・八千代>。創業は大正4年(1915)、大正天皇即位の年で君が代の一部を引用したとのこと。戦時中の企業整備で廃止工場となったが昭和22年に復活。昭和43年の八重寿(大仙市)設立時に株主となり、醸造酒の一部を移出。平成になり火災や大雪被害などを受け、平成の終わり頃から営業休止している模様。裏に続くレンガ蔵は屋根の一部が痛んだままでした。

この日最後の酒蔵は街の北にある高橋酒造<酒銘・奥清水>。建物は住宅のような建築になっており、入口左の看板等がなければ酒蔵とわからない感じ。敷地内に六郷湧水群のひとつ、笑顔清水があります。

ここは戦後までは畑屋酒造<酒銘・両国>として現千畑町で明治18年に創業(創業時は個人商店)。戦時中の企業整理で廃止工場となったが、昭和24年に千畑町から六郷(現在地)に移転して2年後に操業復活。昭和29年に独立し、現在に至るとのこと。

この日は六郷の街中、5つの蔵巡りで終了となりました。

のち

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