新型コロナ、6月末までに11人入院 三田市民病院、予防へ協力求め公表
2020年7月30日 (木)配信神戸新聞
三田市民病院(兵庫県三田市)は29日、4月以降に新型コロナウイルス感染症の入院患者11人を受け入れた、と発表した。発熱した患者を診察する「帰国者・接触者外来」には、6月末までに延べ882人が受診。351件のPCR検査を実施した。同病院は感染者受け入れについて「ノーコメント」としてきたが、兵庫県内の感染再拡大で、同病院を訪れる人に感染予防への協力を求めるため公表を決めた。
同病院医事企画課によると、県の要請で4月上旬から新型コロナ感染者の受け入れを始めた。6月末までに11人が入院し、延べ入院日数は133日。いずれも重症化しておらず、死亡者もいない。県の方針で、重症化すると別の専門病院に転院するという。
専用の病室は病院内の2カ所に設置。医療従事者や患者の動線を分け、院内感染防止策を徹底している。3月13日に開設し、患者の増加見通しに合わせて4月21日には11床に拡大した。
入院患者は最も多いときで6人を収容。5月中旬から6月中旬にゼロとなったが、感染者の再拡大に合わせ、同月下旬には1人増えたという。
入院の受け入れに先立ち、2月6日には県からの要請で「帰国者・接触者外来」を設けた。2月の受診者は4人で、当初は病院内の救急患者を受け入れる個室で対応していた。患者の増加を見越して同月20日、駐車場に設営したテントに移設する検討を始め、3月10日に移設を終えた。
気温上昇に伴い、5月28日からはテントに代わって幅約2メートル、長さ約6メートルのコンテナ2基を駐車場に設置。医師が診察やPCR検査の検体採取などに当たっている。駐車場には車に乗ったまま、問診や検体採取ができるコーナーもある。
7月1日以降の入院、外来の患者数は非公表。同課は「個人情報保護の観点から、現在の症例別患者数などは公表できない」とする。
感染者の受け入れ後も、同病院は救急医療をはじめ通常の診療体制を維持している。同病院は「感染防止対策を徹底しているので、安心して受診してほしい」としている。