世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は21日の記者会見で、新型コロナウイルスの世界的な流行を「2年未満で終わらせるという希望を持っている」と述べた。1918年に出現したスペイン風邪の流行が2年以上続いたことに触れ、世界が力を合わせて最大限の対策をすれば、より短い期間で流行を終わらせられるとした。

 テドロス氏は、スペイン風邪の当時と比べ、現在はグローバル化により、世界がより密接につながっているため感染が拡大しやすいと指摘。一方で「感染を止める技術や知識がある」として医学などの進歩による利点を強調した。また、ワクチンが実用化されれば、流行は短縮されるとした。

 WHOはこの日、子どものマスク着用についての年齢別の指針も発表した。5歳以下については、適切に着用できない可能性があるとして義務づけはせず、6~11歳は、地域の感染状況に加えて、宗教や社会慣習といった環境に配慮して判断するべきだとした。12歳以上は大人と同様の条件での着用を推奨するとしている。ただ、子どもの感染をめぐっては情報が乏しいことから、研究をより深める必要があるとしている。(ウィーン=吉武祐)