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新型コロナ、重症度の高い患者ほど中和抗体価が高い

2020年08月14日 23時12分58秒 | ウイルス

新型コロナ、重症度の高い患者ほど中和抗体価が高いと判明

神戸大ほか、研究成果(プレプリント)は、「MedRXiv」にオンライン掲載

重症度の異なるCOVID-19患者12人の血清を多面的に解析し、免疫応答を調査

 神戸大学は8月12日、さまざまな重症度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の血清を国内で初めて多面的に解析し、すべての感染患者において新型コロナウイルスに対する中和抗体が産生されており、重症度の高い患者ほど中和抗体価が高いことを明らかにしたと発表した。これは、同大大学院医学研究科附属感染症センター臨床ウイルス学分野の森康子教授らの研究グループによるもの。研究成果は、研究成果(プレプリント)は、「MedRXiv」にオンライン掲載されている。

 COVID-19の症状は重症度により大きく異なり、高齢者や基礎疾患のある人ほど重症化しやすいとされている。また重症例では、炎症性サイトカインであるIL-6などが多く産生されており、過剰に炎症反応が起きていると考えられている。

 一方で、同一の患者の免疫応答を詳細に解析した報告はあまりなく、重症化のメカニズムや、その抑制法は明らかにされていない。そこで研究グループは、さまざまな重症度のCOVID-19患者12人の血清を多面的に解析し、その免疫応答を調べた。

新型コロナウイルスが体内で多く増殖することが重症化の引き金となっている可能性

 国内患者12人を、WHOのカテゴリーに基づいて、無症候1人、軽症1人、重症3人、超重症7人に分類し、解析を行った。超重症患者は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を呈し、人工呼吸器を使用していた。

 解析した患者(PCR陽性者)全てについて、血清中に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する中和抗体が誘導されていた。一方で、非感染者7人の血清では、ウイルスを全く中和することができなかった。10人の重症および超重症患者血清では、無症候患者の血清よりも高い中和抗体価が得られた。発症直後から経時的に解析した患者4人では、発症後4~10日の間に中和抗体価の上昇が認められた。ほとんどの患者では、抗体上昇後にPCRによるウイルスゲノムを検出できなくなっていた。全ての患者について、血清中のサイトカインおよびケモカイン等、48種類を定量した。重症者・超重症者では、炎症性サイトカインIL-6のみならず、多くのサイトカイン・ケモカインの上昇が認められた。

 これらの結果から、重症患者の血清では中和抗体価が高く、新型コロナウイルスが体内で多く増殖することが、重症化の引き金となっている可能性が示唆された。また、非感染者の血清では、新型コロナウイルスに対する中和抗体が検出されなかったことから、風邪の原因として知られている流行性のヒトコロナウイルスは、新型コロナウイルスに対する中和活性に影響を与えていないと考えられる。今後は、COVID-19回復者における中和抗体価がどれだけ持続するのか、検討することが必要だという。

重症患者に対する炎症抑制治療の重要性示唆

 今回の結果は、重症化の可能性が高い高齢のCOVID-19患者に対しては、早期に血漿療法(中和抗体投与療法)や抗ウイルス剤の投与を、一旦重症化した患者(ウイルスゲノムが陰性であること)に対しては、ステロイド療法などによるサイトカインストームの抑制が重要であることを示唆すると考えられる。COVID-19に対しては、ウイルスの複製を阻害するレムデジビルおよび、炎症抑制を行うステロイドであるデキサメタゾンが治療薬として認可され、そのほかにも多くの治療薬が研究されている。

 研究グループは、「COVID-19に対する根本的な治療薬や、重症化を防ぐ方法の開発のために、COVID-19患者の免疫応答を詳細に解析することが今後も不可欠であると言える」と、述べている。

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インタビュー「コロナ克服への戦略」

2020年08月14日 22時31分39秒 | ウイルス

流行終息には集団免疫必要 ワクチン囲い込みは心配 国際保健学が専門の山本太郎・長崎大教授 インタビュー「コロナ克服への戦略」

2020年8月14日 (金)配信共同通信社
 

 新型コロナウイルス感染症の流行は、1~2年続くとの指摘がある。長丁場の闘いをどう乗り越えていけばよいのか、国際保健学が専門で感染症の歴史に詳しい山本太郎(やまもと・たろう)・長崎大教授に聞いた。

 ―対策を進める上で、過去の感染症の流行から学べることは。

 「約100年前のスペイン風邪など過去の感染症を振り返ってみて分かるのは、集団の中の一定程度の人数が、感染するかワクチン接種をするなどして免疫を獲得しない限り流行は終息しないということ。まだまだ長い時間が必要だ。どうやってその状態に持っていくか、政府は議論を始めてもよいのではないか。何を目指しているのか分からない状態で休業要請などが出ると、国民もゴールのないマラソンを走っているようで大変だ」

 ―「一定程度の人数」とはどのくらいか。

 「理論的には人口の60~70%が必要。ただし、スペイン風邪では、世界の人口の25%、日本では当時の人口5500万人の約40%が感染し、流行が終息したという研究報告がある」

 ―集団免疫の状態をどう実現する。

 「感染拡大の速度を、医療崩壊が起きない程度に抑えることが大事。医療のキャパシティーを上げれば、許容できる感染者の数も増えるし、ワクチン開発まで時間が稼げる。全国の1日の感染者数が、数百~千人程度の状態が続くのであれば、医療はかなり持つと思う。ただ感染症は指数関数的に増えることがある。これが起きると問題だ」

 ―ワクチンは世界の人々に届けられるか。

 「時間はかかるかもしれないが必ず開発されるだろう。気になるのは、先進国でワクチンの囲い込みが起きていることだ。ワクチンの有無で国の被害に差が出ると、国際協力がうまくいかなくなり、長い目で見て不利益は大きい。スペイン風邪で最も多くの死者が出たのはインドやアフリカ諸国だった。国連の『持続可能な開発目標(SDGs)』が掲げる『誰一人取り残さない世界』を実現することが重要だ」

 ―現在の国内の感染状況をどう見る。

 「政府が社会経済活動と感染拡大防止のどちらを優先しているのか、分かりにくい。今の日本は感染が拡大し続けている。ブレーキを踏んで、ちゃんと利くのかどうか確かめないといけない」

   ×   ×

 やまもと・たろう 1964年広島県生まれ。長崎大卒。京都大などを経て現職。アフリカ各国やカリブ海のハイチで感染症対策に従事した。

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戦争の記録

2020年08月14日 02時28分28秒 | ウイルス

「インパール戦慄の記録」を見ている。

もっと早い時間にやってくれるといいのだけれど。

そうすればもっと、多くの人に戦争の無謀さを伝えることができるだろうに。

戦争をただ悲惨な出来事と、過去のものにしては、いけない。

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日本国内の感染者数

2020年08月14日 00時05分08秒 | ウイルス

日本国内の感染者数
(NHKまとめ)

(8月13日 22:30 時点)

  感染確認 重症 死亡 退院
日本
国内 ※
5万2603人
前日比
+1176人
203人 1077人
前日比
+11人
3万6134人
うち
チャーター機
14人
クルーズ船 712人
0人 13人
659人
  感染確認 重症 死亡 退院
合計 5万3315人
前日比
+1176人
203人 1090人
前日比
+11人
3万6793人

※「前日比」は、午前0時時点の情報との比較です。表の右上に表示された時点までの集計分です。この表は随時更新しています。
※「日本国内」は、クルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス)の帰宅後の確認を含みます。
※ 自治体が過去の数値を修正することがあります。

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