Mars&Jupiter

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カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」の愛の世界、天秤にかける理性と愛

2007-11-22 07:11:05 | カール・オルフの作品
昨日はウォーキングを休みました。
なかなか今回の風邪は治らないようで、
無理をしないことにしました。

今日聴いた「カルミナ・ブラーナ」の演奏はドラティ指揮、
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のものだ。
録音はよく、速いテンポで軽快に進むのはいいが、
今まで色々個性的な演奏を続けて聴いたので、
比較すると少し物足りない感じがしてしまう。

第3部の「愛の誘い(COUR D’MOUR)」は、
少年合唱があり、ソロがあり、合唱があり、
様々な形態を使いながら中世の愛の世界を描く。
なかなか、趣向を凝らしているところだ。
「愛神はどこかしこも飛び回る( Amor Volat unidique)」は、
少年合唱団の歌声が愛の神の無邪気さを歌っている。
「昼間も夜も、何もかもが(Dies,nox et omnia)」は、
バリトン独唱による愛するゆえの苦しみを歌っている。
「少女が立っていた(Steit puella)」はソプラノ独唱の
異国情緒あふれるような曲。

「私の胸をめぐっては(Circa mea pectora)」は、
バリトン独唱と合唱の掛け合いにより、
歯切れのいいリズムとともに盛り上がる。
「おいで、おいで、さあ来ておくれ(Veni, Veni, Venias)」は、
ピアノの軽快な伴奏にのりながら、男女間の愛が、
2つに分かれた合唱のかけあいにより描かれる。
リズムも弾み、なかなか楽しい合唱である。

「天秤棒に心をかけて(In Trutina)」は、
「カルミナ・ブラーナ」の中の独唱曲で有名である。
歌曲として単独に演奏されることもあるが、
揺れ動く恋心を歌うものである。
中世楽器で再現した「カルミナ・ブラーナ」の曲には、
「ゆれ動く天秤の竿のように(Vacillantis trutine)」がある。
ピケット指揮、ニュー・ロンドン・コンソートの演奏する
「カルミナ・ブラーナ第4巻」の8曲目(CB108)が、
それにあたる曲なのだが、愛と理性の間で悩み、
どちらがいいのかを考えるその曲を聴くと、
人間の悩みは今も昔もあまり変わらないのだなと思う。
「カルミナ・ブラーナ」の世界はだからおもしろい。
さて、「カルミナ・ブラーナ」の話題については、
次回でそろそろ終わりしよう。
コメント
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