peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

バイケイソウ(梅草)

2007年04月30日 | Weblog
奥州市前沢区・経塚山のバイケイソウ(梅草)
 2007年4月29日





2007年4/29(日)、平泉メビウスの会(代表世話人:阿部慶元)
主催の自然観察会が開かれたので妻と共に参加しました。
場所は、有名な束稲山(たばしねやま:標高595.7m)の隣にある
奥州市前沢区の経塚山(経塚山:標高519.1m)です。
 遊歩道が設けられていて歩きやすいので、子供づれでも楽しめる
と思います。

遊歩道のわきに「胎内石0.9km」と書かれた標識があり、右に分かれ
ている道を下ると胎内石がある所に着きました。自動車道路の脇に
建てられていた説明版には、「胎内石」について下記の通り記載され
ていました。

 ”高さ約6m、幅約9mもある大石で、中央から2つに割れており、人間
がやっと通れるくらいの隙間があることから、別名「くぐり石」とも
呼ばれ、その昔 藤原秀衡の婦人が安産を祈願し、この石をくぐられた
と伝えられております。”







バイケイソウ(梅草)ユリ科 シュロソウ属
 Veratrum grandiflorum
山地の湿った林内や湿った草地などに自生する大形の多年草(有毒植物)。
高さは60~150cm。葉は互生し、長さ20~30cmの広楕円形で、裏面には
ふつう毛状の突起が多い。基部はサヤ(鞘)となって茎を包む。

この仲間の若芽は、食べられるギボウシ類に似ているが、毒性が強い
ので注意が必要とのこと。

6~8月、黄緑色(クリーム色)~緑白色の花を円錐状に多数つける。
花は両性(ときに単性)で直径2cm内外。雄しべは6本で、花びらより
はるかに短い。分布:北海道、本州中部以北

和名の「バイ」は梅の花に似ていることによるが、梅花は5弁で、花弁
は丸いが、本種は、花びら6枚で、やや尖り気味。しかし、梅花に似る。
「けい()」は、紫蘭の別称で、「万葉集」や日本産物志」(1872)
にも「」を紫蘭としている。葉も紫蘭に葉に似ている。

 なお、山地~亜高山の湿原や湿った草地などに見られれる仲間の
「コバイケイソウ(小梅草)」は、高さは1m程。葉脈はコバイケイソウ
の方が目立つ。花びらは6枚あり、6枚とも白色。1輪ずつの大きさは、
バイケイソウの方が大きい。この花が多数、茎の頂部に円錐形につく。
花の集団[花序]は、大きな穂のように集まり、毛ばたき形に見える。

クロモジ(黒文字)

2007年04月30日 | Weblog
奥州市前沢区・経塚山のクロモジ(黒文字)
 2007年4月29日







2007年4/29(日)、平泉メビウスの会(代表世話人:阿部慶元)主催の自然観察会が行われましたので、妻と共に参加しました。
第40回目の今回は「経塚山の義経伝説と早春の植物」ということで、奥州市前沢区の経塚山(きょうづかやま:標高519.1m)に登りました。
経塚山は、平泉町と東山町の境にある有名な束稲山(たばしねやま:標高595.7m)のすぐ隣にあります。
 今回は、会員外の奥州市の人達の参加もあり、経塚山の入口で落ち合いました。簡単な挨拶のあと会長を先頭に出発しました。


「経塚山遊歩道」の途中の坂道から後ろを振り返ると、
大きな発電用風車が見えました。また、右に折れて200mほど
下った所には「胎内石」と呼ばれている巌がありました。

遊歩道の脇に生えている植物の説明を聞きながら、500m先の頂上を
目指します。、まだ葉を出していない木々が多い中で、緑がかった
黄色い花を沢山つけた「アブラチャン(油攊青)」や「クロモジ(黒
文字)」が目に鮮やかでした。

眺望が良くなり、もしかしたらここが頂上かなと思えるような所に
「物見台」がつくられていました。頂上はもう少し先の方にありました。








クロモジ(黒文字)クスノキ科 クロモジ属 Lindera umbellata
太平洋側の山地に生える落葉低木で、里近くの山にも見られる。
よく分枝して高さは2~6mになり、若い枝は暗緑色で黒い斑点がある。
枝を折ると芳香がある。

葉は互生し、長さ5~10cmの卵状長楕円形で、縁には鋸歯がなく、
裏面は白っぽい。秋には鮮やかに黄葉する。
材は香りが良いので、高級なツマヨウジ(楊枝)に加工される。
この木でつくった楊枝も「クロモジ(黒文字)」と呼ばれる。
葉や種子からは香油を採るという。

花期は3~4月。葉が開くのと同時に葉の基部に淡黄緑色の小花
が多数かたまってつく。雌雄別株。

果実は直径5mmほどの球形で秋に黒く熟す。

日本海側に分布する変種の「オオバクロモジ(大葉黒文字)」は
全体に大形(葉の長さが8~12cmと大きく、裏面の脈が隆起する)。

 なお、同属種の「ダンコウバイ(壇香梅)」は、樹高3~7m。
暖地の山に自生し、3~4月、まばらに分かれた枝に、葉に先がけて
芳香のある黄色の小花がかたまって咲く。葉は幅広く、ふつう3裂する。

「アブラチャン(油瀝青)」は渓流近くによく生え、3~4月、
細い枝に緑を帯びた淡黄色の小花がかたまってつく。葉は卵状楕円形。