Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

賞総なめの音楽劇場指揮

2023-01-17 | 
WLANの5GHzバンドを試している。映像が止まらなくなった。NASとルーターは現在Cat.7ケーブルを2019年に購入して、LAN接続に使っている。10GBit、最高600MHzなので流れることは流れる。機会があればCat.8を使ってみたい。

DLして観ていなかった音楽劇場作品を流した。その年度にマンハイムで初演して年度最高初演賞をとったチャヤ・チェルノヴィンの「インフィナイト」を流した。マンハイムに続く2017年4月のアントワープでの再演らしいが指揮は同じティテュス・エンゲル。

予備知識なしには流し切るのが精一杯だった。音楽自体は比較的薄く、演出も殆ど動きがない。舞台も証明だけでミニマルで暗い。それが2時間半続く。マンハイムで振るのを知っていたら出かけていたが、同じものをバーゼルでやっても出かけるにはそれなりのアポイントメントを組み合わせたい。

作曲家の女性は1993年から日本の入野インスティテュートに二年間いたようだが、作曲家ご本人が生きていたら違ったのではないか。ジーメンス賞も授与されていたようだが、エンゲルの指揮の力も大きかっただろう。それでも映像で体験する限り弱い。

その前に、これまた通していなかったラヴェル作曲「子供と魔法」の2019年の再演が映像化されて残っている。最初の管の鳴らせ方からして中々凝っている。個人的に興味を持ったのはフランス物をどのように熟しているかであり、今年最大のイヴェント「アシスの聖フランソワ」の指揮に繋がる。リヨンでも活躍していることからもフランス物は得意なのだが、オペラをどのようにである。

その次には、これまた賞を獲得したショトックハウゼンの光から「木曜日に」の第一部を流した。以前は状況が分からない映像だったが、昨秋バーゼルの劇場を再訪して、ロビーからの階段のところに舞台を作ってバンドが演奏しているのは分かった。因みに演出は、復活祭でペトレンコの音楽的意思を反映した演出をする筈のリディア・シュタイアーである。

台本がどのようになっているかは知らないが、ロビーにお客さんが座っていて、写真などをとりながらを開始を待っている。そこに時代遅れのマッシュルームヘアーなどをしたバンド面が咥え煙草や手にウイスキーグラスを持って、ロビーでうろうろしている。

私がそこにいたならば、一体何してんのと声をかけそうな雰囲気なのだが、バンドメンの服装がやはり奇抜で、気が付かないような人もいるのだが、やはり浮いている。しかし、それなりの劇場効果とシュトックハウゼンの真意は何となく見え隠れしている。第二部、第三部を見通して観ないといけない。

いづれにしても先の音楽とは異なり、あのシュトックハウゼンのそれですら途轍もなく保守的な音楽で、その演奏の良し悪しがはっきりする。エンゲルの指揮も最初からパンチの聴いたとても鮮烈な音を出している。これならば遠くでも出かけていきたいと思わせる上演のようで、2016年10月のことだった。当時はミュンヘンに通って、秋にはペトレンコ指揮国立劇場管弦楽団の欧州ツアーにボンにまで出かけたのであった。



参照:
スッキリする白いキョゾウ 2007-12-11 | マスメディア批評
紙一重の読み替え思考 2022-09-17 | 文化一般

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口元はペトレンコ指揮

2023-01-16 | 
夜中にネット制御ソケットがオフラインになった。屡あることなのだが、土曜日は一部5G移行のセットアップをしたので、何か弄っていたかと枕もとの旅行用Mintを開けた。問題はなかったと思ったので、いつものように翌日になると戻っているかと閉じて就寝した。やはり元に戻っていた。この原因と仕組みがよく分かっていない。一部にはバックドア―がついていて、全ては北京でビックデータとして扱われているという話しがある。だからまだインターネット経由での戸外からのネット操作には使っていない。

朝一番で再びオンラインになっていて使えることを確認。更に前記の試みからMint機の転送速度を確認。秒速1Gとなっていたので5Gバンド使用しているようになっていた。実際に音声のPCM96kHzサムプリングファイルを流すと117Mに迄落ちていた。其れでも遅滞もなく何か音の質感がよくなっている感じはする。

土曜日の「エリアス」中継は、19時からデジタルコンサートホールで生中継を流した。従来は、キャストでDACに送り込んで音を出していたので、映像と音がずれていた。しかし今回はハイレゾのアーカイヴを待つので、今年から設置したオーラトーンで流して口元なども観ていた。20時からのラディオ時差中継を録音して、休憩時辺りからオンエアーでも少し流してみた。

映像で、ヴィオラが第一ヴァイオリンの後ろに置かれていて初めて観た配置である。メンデルスゾーンではスコッチ交響曲で混合音色が上手く出せなかったペトレンコ指揮であるが、ヴィオラが木管群に合うだけで違い、巨大な合唱への中声部の支えとなっていた。

メンデルスゾーンと言えばゲヴァントハウス交響楽団のカペルマイスターであり、その作曲はその楽団の音であり、その楽団はメンデルスゾーンのそれである。だから今でもヴィオラ群の音の出方は他所の楽団とは異なる。これをして現カペルマイスターは、中低域のどっしり感が持ち味でと同じようなバランスでブルックナーでも何でも演奏させるものだからとても退屈なモノトーンな演奏会が繰り返されている。

ペトレンコ指揮フィルハーモニカーの場合は、先ず何よりもワインヤード型の新フィルハーモニーの響きがあって、低音が反射してこないので、苦心してペトレンコ指揮の響きを構築してきたので、ペトレンコが苦手としている浪漫派の音楽でどのような音を作るかが課題であった。

上手に解決したと思う。アーカイヴを待って更に詳しく聴いてみたいが、なんと言っても主役はゲルハーハーの歌であった。ベルリンでの評では、その口元はまさしくペトレンコの指揮そのものと同調していたとされれていたが、その声量たるものやはり驚きだった。会場での拍手も最もこの名バリトンに向けられていたのは当然かもしれない。

オペラではアンフォルタスしか聴いていないのだが、遠くないうちに再びペトレンコ指揮で舞台で演じることがあると確信する。ハンス・ザックスを歌えるのではないか。2025年のバーデンバーデンとなるのか、それともザルツブルクでとなるのか。ミュンヘンでは祟られて映像が残らなかったが、ヴァルターもカウフマンがついて来るのではないかと想像する。



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管理者権限の手動設定 2023-01-15 | テクニック
記憶を呼び起こすために 2019-08-12 | 雑感
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管理者権限の手動設定

2023-01-15 | テクニック
夜中にアンドロイドが立ち上がらなかった。ここ数か月は問題が生じていたが、誤魔化して立ち上げていた。タブレットを激しく落としたという記憶はないが、小さな落下はさせている。そろそろかなという気もしている。2018年2月に200ユーロ程で購入している。

タブレットはオンライン送金などに必要なので欠かせない。直ぐに購入して登録しないと送金業務も出来なくなる。幸いコロナのそれは最早用無しだろうが、携帯電話よりも何よりも手元にないと困るものである。

寝ぼけ眼でベットの中で弄っていたら何とか立ち上がった。早急にEMUIシステムのアップデートなどをしておいた。通常の自動アップは停止にしてあるので気になる所だ。それ以降未だ電源を切っていない。切る必要もないが、何も急いでトラブルを起こす必要もない。ファイルの掃除やウイルスチェックもしておいた。さて何時まで使えるか。費用よりもシステム構築に時間が掛かるのが嫌なのだ。

待降節のアトフェンとカレンダーのクイズで貰ったデジタルコンサートホール二日券の束を溶かした。なんと残りだけでも、2月14日迄無料になった。これでペトレンコ指揮「エリアス」、月末のシェーンベルク、そしてなんと2月11日のフランスプログラムまで観れることになった。

その後は4月、6月のチャイコフスキーだけでシーズン終了だ。一度ぐらい一週間券を購入すれば充分だろう。来シーズンも11月の極東公演前の定期だけで、その後は来年になってしまう。昨年は何枚か購入したが、今年はあまり購入する必要がなさそうである。要するに購入しようがしまいが、生である程度回数を行けばあまり観ることはない。

そこでコルンゴールトの交響曲を観た。今はウィード―ズ機に携帯のDACをつけて、リアルテクを外してあるので、転送しても48kHzしか出てなかったが、やはりリニアPCMの音は素晴らしい。96kHz再生の方が臨場感は生じるが圧縮音源との差ほどではない。

「死の都」でのそれを聴いた耳には、その楽想の使い方や表現内容がやはり掴みやすい。改めて米国ツアーでの批評も読んでみる必要があると思った。

さて音楽再生専用Mint機で、ブルーレイファイルのNASからの転送が難しいことに言及したが、タブレットからリモートソケットの設定確認で、ルーターの5GHz転送が頻繁に使えるようになっていることに気が付いた。道理で映像再生にストレスがなくなっていた筈だ。調べるとウィンドーズでは自動的に2.4から5へと上がっていて、その限界速度も三倍近い。それならばLINUXでどうなっているか確かめてみた。自動になっているが、速度は秒速43M程しか出ていないことを確認、調べるとnm-connection-editorを管理者権理で手動で5GHzに設定可能である。すると147Mまで速度が上がって安定してきた。ルーターから直線距離で10メートル以内の遮るものがないところに設置してあるので、これでより安定して使えるのではないかと思われる。この世界は数年経つと大分状況が変わっている。因みにタブレットは何時の間にか5GHzになっていたので、こちらもストレス無しである。ルーターとNASとの接続もケーブルをアップデートしていくとまだ早くなるだろう。



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Velvetの風合いの響き 2023-01-08 | 音
ミニUSBプラグの抜き差し 2019-12-09 | 雑感
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左の肩まで激しく感じる

2023-01-14 | 生活
厨房に光が射した。寝室と客室は北側にあるが、厨房はなぜか南側と東側に窓が開いている。暖かい地域ではありえないのかもしれないが、それによってなにか物が痛んだり、ゴミが破裂したりという経験はない。なるほど夏の冷蔵庫の保冷力には影響を与えるかもしれないが、それ以上にカビが生えたり、腐ったりするような事がないので気持ちがいい。陽射しを活かすことで、暖房を入れることがないので助かる。そこで食事をしようと思えば少し入れれば足りる。要するに煮炊きのエネルギーを活かすことでなんとかなる。

年が明けてからコンロの一つがショートした。スイッチのところが溶解して起きたことは想像できるのだが、四つの内の生きている一口を使うか二口目を誤魔化して弱く使うかにしておいた。しかし、弱くでは沸騰せずに暖めておくことにしかならないので、修理に必要を感じていた。

今週になって陽射しが強くなったので、陽射しがコンロに射し込むのを待っていた。時間が合わなかったのだが、もう一時間以内にと傾きが近づいて来たので修理を決行した。電気がなくても奥まで目視出来て、何よりも暖かい。この機会を逃せない。

安全対策に余分目にブレーカーを落として、目視すると、懸案の四つ目の穴が溶けていた。そしてプラグの棒がぐらぐらしていた。ショートした原因は分かった。既に壊れて外してあるプラグのプラスティックのターミナルを交換して利用することにした。幸い二つは未だ綺麗だったので、序に大口のもう一つの方も付け替えた。これで二口は完全に使える筈だ。そして三つめも付け替えたものを応急的に使えることが分かった。これで一挙に三口コンロになった。アパートメントの完全リニューアルまではこれで使えそうだ。

6月のミュンヘンでの演奏会をズビン・メータが早くもキャンセルした。理由はスケデュールの都合らしいが、初めから分かっていた筈だ。恐らく仕事量を落とすという事だろう。ミュンヘンでの楽団創立500周年式典枠でのブルックナーと新曲の評判は良く、力強い第七交響曲という事であった。

それは結構なのだが、ミュンヒナーフィルハーモニカーの指揮でと思ったものがキャンセルされて再び券が無駄になりそうだ。57ユーロと高価だったので痛い。しかし、代わりのミルガが振るというので行くだけ無駄だと思う。さてアパートメントも予約して、前日からと考えていたのだが、キャンセルする前に、代替案を考えなばいけない。

結構に面倒なのだ、理由はそこから帰りにシュトッツガルトに宿泊する予定だったからで、前をどのように埋めるか。一つはベルリンに出かけてもと考えたのだが、土曜日までそこに滞在すると日曜日に余裕がなくなり、またいい席が既に出て仕舞っていて態々出かける意味もなくなってしまった。それ以外にチューリッヒなども見るのだが今一つで、オーストリアも近場では見つからない。全旅程とその地理的な位置関係や、出かけるだけの催し物やその距離感と費用などを考えれば、その間家に閉じ籠るというのも一つなのだが、されどうしたものだろうか。



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大蝦米とは何のこと? 2018-06-05 | 雑感
支援者としての心付け 2023-01-06 | 文化一般
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三カ月ぶりの喉飴

2023-01-13 | 生活
木曜日から土曜日のメンデルスゾーン作曲「エリアス」の記事が出ている。テノールには「ジュディッタ」でのダニエル・ベーレが歌うのだが、エリアスのゲルハーハーがインタヴューに答えている。内容は新旧聖書におけるエリアスの扱い方がプロテスタントに改宗していたメンデルスゾーン家にとってはどのような意味合いを持っていたかであり、その音楽はどのように表現されているかである。

答えは新旧聖書を越えてドラマティックに付け加えられているということで、その芸術性と共に啓蒙思想下の芸術を感じさせる。昨年新校訂版が出版されたということで今回の公演は期待されている。更にこの名バリトンに言わせるとペトレンコは伝統的な演奏実践に捉われずに根本から楽譜を読み込むので楽しみだとしている。

一方では所謂ロマン派の音楽は、ペトレンコにとっては最大のウィークポイントであって、その交響曲やヴェーバーなどを独自の方法で熟して来ている。昨秋、同曲をベルリンに先駆けミュンヘンで同地の放送交響楽団を指揮して練習する予定であったのだが、直前にキャンセルした。様々な意味合いから実現は難しかったのはないかと思う。

スーパーの咽喉飴コーナーは昨年11月ころから売り切れ状態が続いている。配品も殆どないのだろうが、少しでも出ると直ぐに売り切れるらしい。久しぶりに、三カ月ぶりぐらいに、リッコラを購入できた。最後の一つとして棚に投げ捨てられていたのを拾った。メンソールとレモンで結構きつい奴だ。平素口が寂しい時に口に入れていると食道が荒れるぐらいに強い。小箱であるが、二週間ぐらいはもたせれるだろうか。早くすっきりして欲しいが、温かくならないと難しいかと思っている。

如何にコロナ若しくはインフルエンザ、または風邪が流行り続けているかということで、私の様の酷い咳をする人はあまりいないようであるが、懸念された病気ラッシュはこれぐらいで済んでいるという事だと思われる。

肉屋は新年第一発目は煮豚は作っていなかった。新たな配給をうけていなかったのだろう。だから楽しみにしていたが、来週までのお預けである。パン屋ではいつも通りに買えて、やはり新しいパンは上手い。甘いものも購入したのでそれはそれで満足だ。

スーパーではフォアールベルクのベルクケーゼも購入した。知られる丸いチーズの十等分があったので、先のところを切れるか尋ねると半分ぐらいまでは可能で、その先は縦に切るのだと教えて貰った。今まで知らなかった。やはりあまりに長いと縦の切っても食べにくいのだろう。

チーズ売り場の隣は魚売り場になっていて、人が少ない時はパーソナルは両方を移動して対応している。そのおばさんはサーモンのぶつ切りは骨が入っているから皮付きのものの方がお得だよと勧めたことがある。今回も同価格で双方があったので間違いなく、一言来ると思ったから買わなかった。勿論使い方によってはおばさんのいう通りなのだが、厚切り鮭をグリルして食したい時は、やはりぶつ切りでないと旨くない。



参照:
巻き起こる大小の乱気流 2023-01-11 | 文化一般
ミュンヘンの放送楽団 2022-10-11 | 女
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音楽劇場を担う幸福の手

2023-01-12 | 
復活祭のザルツブルク復帰の話題を読む。矢張り最終的には資金の話題となっている。つまりベルリナーフィルハーモニカーが一晩ごとに特別支給を摂っていることから、そこが経済的なネックとなっていて、不正会計で、嘗ての復活祭音楽祭の改革が必要となり、フィルハーモニカーがバーデンバーデンへと移った。今度はその反対で、ザルツブルクが2026年からの資金源を獲得したに違いないとされている。

バーデンバーデンからはロシアンマネーが引いて行ったことは明らかだろう。それを有志で支え合ったことがコロナ危機時に話題になった。また夏のザルツブルクはそのロシアンマネーの扱い方で今でも重荷を背負っている。

他方からの声では、その資金源に拘わらず今後こうした興業の形の見直しを迫られるのは必至とされていて、この儘では進まないとされている。

2026年のザルツブルクの復活祭を想像すると、カウフマンとグリゴーリアンの共演でカラヤンが音楽祭を始めたように、夢の舞台を演出するとしても、その入場料や演奏回数の相応しい興業となるかどうか。

上の言及からすれば、二夜の上演をバーデンバーデンでは四夜にしてと同じく、それなりの売り上げを計算できたとして、キリル・ペトレンコが理想とする演出と舞台として成功するかどうかはまた別の課題となる。

支配人のバッハラーの綱引きの強さは今回も証明された形となったのだが、その興行形態などから必ずしも理想的な制作がなされた訳ではなかった。そして、明らかにそうした興行形態自体が懐疑されているのも事実である。

二月の「ジュディッタ」再演一般発売開始に際して、一昨年の初日の録画を久しぶりに観た。その時は入場制限で二百人ぐらいだったと思うが、自分自身の興奮状態もあり、またその後の放送で当日の録画を観賞しても、今程冷静客観的には観れていなかった。暮の「ヘンゼルとグレーテル」での出来の確信もあって、更に批判的に聴けるようになった。

やはり挿入されたシェーンベルクの「幸福の手」の歌唱も指揮も見事である。それも前後のレハールの和声との絡みも十二分に考えられた鳴らし方がされていて、当夜感じていたマイクロフォンの使い方との音響差よりも上手に嵌められていた。更に芝居のその意味合いを味わえるようになればなるほど、その音楽の表現力の強さに打たれる。

和声の力感とそのダイナミックスを伴った加速感が、まさしく過去のドイツ指揮者の其れであり、それもフルトヴェングラーのように能動的よりもじっくりと弾み車が回ってくるようなクナッパーツブッシュ感があるというのはまさしくしそれだ。

この映像は将来も顧みられる出来となっていて、ただ演出のマルタ―ラーファンのアイテムだけでは決してないと分かった。観客動員数は少なくても記録されているのがティテユス・エンゲル指揮の音楽劇場である。二月には口コミで充分な観客数を動員して欲しい。途中から引き受けた、10月のフランクフルトの「マスケラーデ」に続く新制作だった。


参照:
マーラーが為せなかった事 2021-12-19 | 音
ほぼ決まった今夏の予定 2022-03-09 | 女
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巻き起こる大小の乱気流

2023-01-11 | 文化一般
デジタルコンサートホールのただ券を使う。どうも48時間券が未だ15枚ほどあるようだ。ざっと計算すると30日間分ある。この週末14日土曜日には使う。翌15日迄には溶かしてして仕舞わないと有効期限切れとなる。そのあとも使えるかどうかで、月末27日金曜日が観れるかどうかが決まる。その次は11日土曜日だが、そこ迄欲張れるか?

未だ二回の演奏会中継をじっくり観たいので其れまでに先ずは溶かす。夜半に時間が取れるかどうか。恐らく年間会員になっていても時間が取れないのは変わらないので、五週間券しか購入していないのである。昨年は三枚ぐらい購入しただろうか。それで充分だった。

暫くはバーデンバーデン周辺で大小の乱気流が起きそうだ。地元の新聞や放送のSWRはベルリナーフィルハーモニカーがザルツブルクへと戻ることをバーデンバーデンの立場から取り扱っている。そこに他所者乍チクリのおやじがスタムパ支配人を批判している。クレンツィス問題で積極的な判断をしなかったからである。これはそのもの夏のザルツブルク音楽祭へとその矛先が向かう。

批判のスタムパ支配人が収益に拘ることからコンセプトをおろそかにしたと非難するが、その主張は当たらない。寧ろ前任者から引き続いた収益の見込める興行を繋げ乍らゆっくりと小さなプログラムを入れて来た。ベルリナーフィルハーモニカーも引き続いたものである以上に、力を入れてきた筈であるが、今回の結論に至った。

その理由は双方から挙げられておらず、良好な関係は今後も続けるという様に相好に感謝しかないとしている。しかし現実的には、復活祭以上に国際的な観光客からの収益が得られる催し物は無く、ロシアからの観光も全湯治客の3%減少していて侵攻を機会にゲルギーエフ追放から踏み出しに戻ってしまった。

そもそもザルツブルクの祝祭劇場はもとよりミュンヘンの劇場よりも大きな中欧最大規模のオペラハウスが建てられたのも過去の遺物でしかなくなった現在、新しい市場をターゲットにすることは重要であった。しかし、そこのガランチャとかカウフマンとかのもはや使い古された名前を並べて挙句の果てはドミンゴまで出して収益を上げている祝祭劇場は脳がないと批判されている。

スタムパ支配人にはコロナに続く責任が圧し掛かる。そもそもドルトムントの新しいコンツェルトハウスの支配人として名を上げた人物であるが、そこではサロネン、ネゼサガン、ネルソンズ、ミルガとかの協調作業が成功したとされていて、同時に配信会社を創立した。その面々を見れば分かる様にこの支配人が何処に飛びついているかでその芸術的なセンスがよく分かる。要するにその方面では今後も可能性がない。

ブーレーズフェスティヴァルや室内楽ホール計画は今後とも進めて行けるだろうが、オペラ劇場として最も肝心の新制作オペラを如何に成功させれるかが全ての鍵を握る。引っ越し公演も積極的に取り入れていく必要もあるだろうか。

芸術的な成果は、シュターツカペレ・ドレスデンでもゲヴァントハウスでもなく、やはり対抗するにはエンゲル指揮を主に据えての音楽劇場構想しかないであろう。通常の価格で満席になるような公演にする企画を考えるべきである。



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再びザルツブルクへ 2023-01-09 | テクニック
年末年始の買い出し 2022-12-23 | 暦
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再びザルツブルクへ

2023-01-10 | テクニック
キリル・ペトレンコのボックスのブルーレイを流した。メディア再生の技術的なことにもなるので恐縮であるが音声だけの96kHzサムプリングのトラックは悪くない。現在はネットで同様のPCM録音が聴けるのだが、ハードディスク化さた録音の方が読み取りエラーなどが少ないのだろう。

なるほど、デジタルコンサートホールで映像にハイレゾをあてがう形式は一昨年辺りからで、それ以前は通常のAACだった。要するに圧縮音声だった。

また限られたハイレゾファイルの提供も楽章毎の切れた形で複製芸術の形を取っていない。その点、上のブルーレイの96kHzの音声は完成している。

就任前に録音された「悲愴」に関してはSACDが発売されているのだが、マスターリングが良くなくて、このブルーレイの方が質が高い。

11月にキリル・ペトレンコ指揮ベルリナーフィルハーモニカーが初訪日するのだが、これらの幾つかを聴いておくことでその最初からの軌跡がよく分かる様にんなっている。それ以前のルディ・ステファンの録音も作品だけでなく、演奏史としてとても貴重である。このハイレゾを聴けば、可也荒いところがあってラトル時代の音が出ていて客演では限界であったことと同時に今に通じる名演ともなっている。

ブルーレイプレーヤー無しで無料で再生する方法をメモしておく。現時点では、ウインドーズでフリーウェア―のブルーレイコピーでHDに溶かしたファイルを移動させて、それをLINUXでフリーウェア―のXfburnで50GBまでのROMに焼き付けておけば、汎用で使える。一度溶かしてあるので、ウィンドーズでもLINUXでも特別なプレーヤーは必要ない。新たなブルーレイを購入した節は使えるかどうかは分からないが、方法としては要領が分かったので心配は要らない。ROM化しておくとNASの場所も要らないので助かる。MakeMVKのようにファイルを変換する必要もないので、オリジナルそのものの音声と映像がそのまま使えるのも嬉しい。やはりLINUXを使うと無料で不可能なことが無い。

ベルリナーフィルハーモニカーの復活祭が2026年からザルツブルクに戻ることが決定した。最終的には団員投票だったようだが、先ずは残念である。2013年以降必ず出かけていたのだが、2025年でベルリナーフィルハーモニカ―のそれは終わる。その後も毎年のプロジェクトが練られている様であるが、恐らく11月の海外遠征前に、フランクフルトともう一つのプログラムを練習して出かけることになるのだろうか。ルツェルンとの関係もあって、コンサートで独自性を出せるかどうかは疑わしい。

客観的にみて、ミュンヘンを中心とするオペラの舞台裏の人材の多さも異なり、残念乍ら聴衆もそこ迄増える勢いがなかった。現時点でも4月の初日が売り切れていないのは痛い。潜在的な聴衆はいるのだが、そこまで公報がならなかった。

個人的にはオペラ公演にリハーサルから全夜通うのが難しくなるのと、旅費滞在費が掛ることであるが、まだ時間があるので今後ゆっくり検討することになる。コロナで二年間棒に振ったのが痛かった。



参照:
卒業宣言をする価値 2019-09-18 | マスメディア批評
ブルーレイROM三枚目 2022-01-09 | 文化一般
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中興の祖の先祖返り

2023-01-09 | 
金曜日、土曜日にはベルリンからの中継があった。バレンボイムの事実上最後のベルリナーフィルハーモニカー指揮の実況中継だった。

64年ピアニストとしてブーレーズと共演してバルトークの協奏曲を演奏してデビュー。その時は双方ともあまり経験がなくて、管弦楽団が準備をしていたことから無事に終わったと本人が回想している。そしてその時の三者の出会いが続いていたという事らしい。

69年にカーゼンの伴奏をして指揮者としてデビュー。そのピアノの色彩的なテクニックを熱心に語るバレンボイム。その時には言葉がはっきりしていた。

フルトヴェングラーとの繋がりを持つ数少ない音楽家は、ビュローメダルを徐与されているらしいのだが、バレンボイムの持ち味は音響だと語られる。この点は、やはりバレンボイムをずっと追いかけていた人の意見でもそうなのかと合点がいく。

パリ管の時もシカゴ交響楽団の時もそうだったが、この元フィルハーモニカーの公報の人は、ピアノからのその音楽性についても示唆している。

週末の演奏で気が付いたのは、同郷の一歳年上のアルゲリッチとの共演でのその色彩感覚や、後半のブラームスでのカラヤン時代のフルトヴェングラー風のアマルガムの中での色彩感だった。シュターツカペレを振るようになってからのバレンボイムには全く興味がなくなってしまったのは、その色褪せ方であり、無理をしてのドイツ語発声だったが、先祖返りのような音を聴けた。

やはり独特の音色感があって、上の解説によればフルトヴェングラーそれを感じたのではないかというのだ。1980年代にはフィルハーモニーから中継を聴いていて、小澤と並んでバレンボイムのその音楽はポストカラヤンの可能性を感じさせないことはなかった。しかし二度も外されることになった背景には、ベルリンでの別のポストとの競合以上に、所謂ネオロマンティズムのあり方に多くのそしてフィルハーモニカーの楽員が懐疑をもったに違いないと改めて思う。

話し手のグリューンヴァルト氏はそれをして新旧を結ぶ架け橋にもなったとしているが、既に20世紀のネオロマンティズムな音楽への結論が出てしまっている現在はバレンボイムが芸術的な顔にならなかったことは正しかった。

それでも、亜流のティーレマンなどに比較するとやはりやっていることは本物であって、とても才能に溢れている。反面、嘗ての東ドイツを代表するシュターツカペレのズイットナー指揮の瀟洒さも古典的な美しさも失せてしまっているのが現在のシュターツカペレであり、ウンターデンリンの劇場だと思う。

往年のフィルハーモニカーよりも上だった時代に振っていたエーリッヒ・クライバーなどの指揮の歴史的な録音を聴けば、決してバレンボイム時代が成功していなかったことは明らかだ。それでも再びインターナショナルな地位へともって来た中興の祖であったことは間違いない。



参照;
大喝采のそのゆくへ 2022-06-06 | 女
Velvetの風合いの響き 2023-01-08 | 音
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Velvetの風合いの響き

2023-01-08 | 
時々出る咳が甚だしい。一度ガレージの掃除をしていて、石綿か何かをがっつり吸い込んで酷い目に遭ったことがある。その時は一月半ほど酷い咳をひっきりなしに繰り返していたと思う。もし肺癌にでもなるようなことがあればあれが原因だと思う。

気管支炎は幼少時から起こしやすかったのでそれ程特別には思っていないのだが、今回は12月4日以降潜伏期間を置いて咽喉痛からここに至っている。状況は何度も変わっているのだが、あまりに強い咳は体力を消耗させる。炎症という事では熱感も残るのも嫌らしい。

もう一つ体調が勝れないところで、ブルーレイ再生をもう少し試して見た。NASからのWLAN転送は流れることは流れるのだがやはり時々止まる。そこでLINUXダイレクトの再生を試して見た。その途上で既に言及したMakeMKVがLINUXでは容易に暗号解読してしまうのを知った。やはりウィンドーズは社会的な影響が大きいので制限を掛けているのだろう。一月限定のシェアーウェアーなので必要なものだけ試して試して見ようと思った。形式を変更しても38GBは大きいので先ずは余っている外付けハードディスクにコピーした。そこからならばストレスなく何処でも再生できるようになる。

同時に50GBまでのブルーレイROM焼きも試して見た。思いがけず先日のコピーフリーウェア―が簡単で使い易いことが分かった。最初は完了まで二時間の予定で、就寝まで我慢できるかと思ったら、夜更かしの挙句六時間とかになって更に停止してしまった。兎に角寝室では喧しくて仕方がないので、LINUXでどこかで勝手にやってもらう方法を考えている。一枚当たり1ユーロ以上したが、全く無駄にはならなそうなので、暇な時にでも会得した。授業料としては安い。

オマケについてきているブルーレイディスクはそれなりに手元にあるのだが、まだ流していないものもある。それでもやはりなんとしてでも再生したいのはハイレゾ音源のオペラ中継録画である。今のご時世ライヴをメディア化する制作しかなく、今後リリーズが予想されるのは2021年「トリスタンとイゾルデ」、ハムブルクの支配人になるクラッツァー演出の「マスケラーダ」などもブルーレイ化が待たれるところである。

ミュンヘンでの「ジュディッタ」も欲しいのだが、クリスマスの「ヘンゼル」を聴いてしまうと、今年の2月公演ならば、エンゲル指揮もより上手くいくと確信する。復活祭の「スペードの女王」はデジタルコンサートホールでアーカイヴされる予定だったが、未だになされていない。商品化の話しがあるのだろうか。これも是非購入したい。

それにしてもペトレンコ指揮コルンゴールトのそれはこうしてハイレゾで聴くと生演奏での感動が蘇る。演出や芝居や歌よりもやはりその管弦楽の音色感は絶妙であり、ベルリンでの交響曲でここまでのスピード感のある演奏は未だ確認していない。嘗てカルロス・クライバーが愛した世界最古の楽団であるのだが、ここまでのヴェルヴェットの風合いの音色はザヴァリッシュ時代には到底出ていなかった。夢のような舞台で見事に尽きる。

バレンボイムがベルリンの音楽監督辞任を発表したが、フランクフルターアルゲマイネ新聞に、ナチが出てくるまではプロイセンでは最高の楽団であって、援助を受けた帝国管弦楽団のフィルハーモニカーがその後に台頭したとあった。勿論ドイツ全域ではミュンヘンとドレスデンとライプチッヒが上にあったと定義づけられていた。



参照:
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AACSヴァージョン76

2023-01-07 | テクニック
ミュンヘンから最速で当選の領収書を貰った。配券開始当日の14時は最速だと思う。新春から当たり籤を引いたというよりも、需要が少ないのだと思う。一ランク落として92ユーロしか払わないが、初日でも配券があるというのはやはり人気がない。ロシアもののプロコフィエフとなると、2017年に長男ユロウスキーも「炎の天使」を振って好評を博しているのだが、新制作となると興味も集まる。配券出だしはもう一つのようだが、さてどうなることか。

ブルーレイをLINUXで再生してメインのシステムで鳴らしたが、やはり圧縮音源とは全く異なる。現在ペトレンコ指揮のオペラで圧縮音源以外が出ているのは「ルル」と「死の街」の映像に、フランクフルトでの「パレストリーナ」のみであろう。フランクフルトのそれは楽団も駄目なのでそれ程の価値はないが、「ルル」時よりも明らかに機能性が身に着いたミュンヘンの座付き楽団のこの音響は凄まじい。

さて、ブルーレイをPCで上手に再生する為に十種類ほどのフリー、シェアウェアーを試した。最終的に今もPCに残っているのは、プレーヤーのLeawoブルーレイプレーヤー、とブルーレイコピーと称する二種類のフリーウェア―である。この二種類で事足りた。

因みに多くのソフトウェア―は、トライアルは5分までとか、又は全く解読できなくて、更に30日限定のトライアルとか禄でもないものばかりであった。

一つはAACSヴァージョン76のコピー保護を解読する。一つはそれを他所に移し替えるソフトである。前者はイタチの追いかけごっこで幾ら保護のシステムを複雑化しても解読が追い付く。後者はハードを一旦売ってしまえばどんなにブラックボックス化しようと思っても難しいという事である。要するに、一旦デジタル化したメディアは必ずコピーされるということでしかない。

そもそもプレーヤー込みでメディアソフトを売り込もうとした旧家電産業が最早大きな意味を持たなくなっていて、デジタル技術は進化している。そこで旧態然としたビジネスモデルが通用する筈がない。デジタルで物品を販売するのも難しく、フリーウェア―は幾らでもあって、ソフトウェア―に金を払うような者は余程のお人好しでしかない。

因み2021年6月末に一般リリースに先駆けてミュンヘンの劇場で「トリスタン」初日に購入したこのブルーレイには、そのマスターに2021年5月17日15時24分33秒とデジタル刻印されている。一月ほどして配給されたことになる。

この当該の映像は初日の後三日目か四日目に収録されたものであるが、初日の観た感じからしてもやはり感動的な舞台となっている。そしてこのコルンゴールトの音楽が、如何に正しく楽譜を音化することでしかその音楽の発想や真価を評価することが出来ないという好例である。

我々がペトレンコという世紀の天才指揮者によって初めて多くの楽曲を本当に知ることになる幸福を改めて感じないわけにはいかない。



参照:
節約しながらの快眠 2023-01-05 | 生活
赤い風船が飛んでいく高み 2021-10-29 | 文化一般
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支援者としての心付け

2023-01-06 | 文化一般
プレーヤー無しのブルーレイ再生はコピーの違法性にも係る。その為に無料のソフトも中々見つからない。時間が掛かったが、それでも、折衷案を見つけた。プレーヤー無しに再生するプレーヤーソフトとブルーレイの内容を他所に移す方法とを組み合わせる。なぜ必要かというと、外付けブルーレイ焼き機の回転音が喧しいからだ。出来るだけ他所から引っ張ってくる方が、転送速度さえ適えば理想的となる。

映像も其の儘で、オーディオもPCMが付く。大したハイレゾではないが、放送などの圧縮音源とは全く異なる。一度NASなどに移転させてしまえばLINUXでも驚くことにVCLで再生可能なことを確認した。インストールでメニュ―が選べるようにも出来るらしいがM2TSファイルから映像と音だけが出せれば全く問題がない。これでプレーヤーがなくても問題なくブルーレイ再生が可能なことが分かった。

ミュンヘンに初日の券を発注した。「戦争と平和」である。プロコフィエフの作品も初めて聴くもので、「トルストイ」の大作もお勉強出来て、こういう機会を逃す手はない。嘗ての西ベルリンでのロシアものとは異なって、ドイツでのロシアものが本格的なものになってきているのを知ると、ユロウスキー監督とチェルニコフの演出には最新のトレンドが流れている可能性があり得る。本物を期待したいのである。

新音楽監督では二回の新制作を訪問したが、悪い結果は出していない。もう少し良くなっている可能性もある。それでも作品を含めてまだまだ簡単に売り切れるような状況にはない。ショスタコーヴィッチとペンデレツキの間のクラスが第一希望で、当たる可能性もあり、一般売りでも買える可能性はある。前売り申し込みは景気づけのような意味合いもあるが、安くていい席が貰えれば一番いいのだ。

一泊の予約は入れてあり、旅費を入れるとそれでもある程度の額にはなる。三月に出かけて一泊すれば翌日にまたコーヒーでも購入して来れるのがいい。スキーに行く時間はないだろうと思う。

来月冒頭のシュトッツガルトのエクラ音楽祭の券を購入した。初演魔のエンゲル指揮SWR交響楽団の演奏で三曲も世界初演である。嘗て知り合った時もそれが専門だったのでお馴染みなのであるが、ピアノ協奏曲もあって、どれほどの大きな編成になるのかも楽しみである。後任シェフのロートの指揮と直接比較できるかもしれない。

この音楽祭の関係で署名などもした事から、今回も支援者価格の一番高価な席を37ユーロ出して購入した。SWRも全面協力していて、時差生中継されるようだが、私の立場で安い席に収まっている訳には行かないので仕方がない。

会場は市の中心部から西部の方にある総合文化劇場の千人程の小さな大ホールだから何処に座ってもあまり変わらないだろうが、真ん中辺りの席をあてがわれるのだろう。初めての場所で駐車場とか考えないといけないことがある。そして距離もそんなに近くなく124km程あり、フランクフルト往復よりも大分時間が掛る。

新シーズンからはバーゼルの世界最大の現代音楽管弦楽団シムフォニエッタのシェフになるので、それはそれで出かけないといけないかとも思っているのだが、出来れば今回のように近場でも振って欲しい。



参照:
年数回だけの指揮活動 2022-06-08 | 文化一般
節約しながらの快眠 2023-01-05 | 生活
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節約しながらの快眠

2023-01-05 | 生活
前日のデジタルアムプに続いてベットカヴァーが届いた。240cmx200cmなので客室のダブルベットにも使えるが、シングルでも冬季の就寝時に使うには問題がない。純綿でも表面ふかふかでも重くない。そして洗濯可能で縮むらしい、だから破れる迄はもっと使い易くなる可能性もある。

なんと言ってもこの大きさで色によっては20ユーロと格安だった。最近はブルージーンズでも純綿から化繊が入ったものへと主力製品が変わってきている。そうしたものは発展途上国での生産が多いようで、従来の生産方式では人件費節約のみでしか利益が上がらなくなってきたのだろう。要するに純綿の製品は高価になってきている。そして、これから大寒気が来ても、これを上に就寝すれば寒くない。この暖かい時ならばと暖房を完全に絞った。今迄は毛の膝掛を布団カヴァーに入れて使っていたので重く、寝返りがし難くて、コブラ返しの原因にもなった。しかしこれで暖房代を落としながら、快眠が可能となった。

羽毛布団の安いものを新たに購入してもこれ程は暖かくなく、高級毛布も洗濯も難しいので好みではない。何か一番良い解決法だったと思う。あとはどれぐらい洗濯してどれぐらい使えるかである。それにしてもこの価格ならば試して見るだけの価値がある。

デジタルアムプとモニターの関係で、購入していたブルーレイを新たに観たくなった。一昨年購入した「死の街」のヴィデオであるが、プレーヤーがないので、上手くコピーして、それを違うブルーレイにコピーして、使い易いようにしたい。そこでリッピングソフトウェアーを無料で探しているのだが、中々見つからない。ウィンドーズでの再生自体はシェアーソフトで問題がないのだが、Linuxなどでは中々面倒である。其の儘画面コピーするのも面倒であり、其の儘の画質音質でコピーしたい。

上のコピー作りの為にブルーレイの高価なROMを購入した。一枚当たり50GB迄収録できるのだが1ユーロする。目的は上の様な内容のコピーを録る為である。上手く使えるかどうかはやってみないと分からないが、50GBのキャパシティーとなると今でもそれ相応の価格にはなる。

同時に購入したバナナプラグであるが、これがまた今まで使っていたものよりも遥かに上質だ。ビス二つで上下から剥き出し銅線を挟めるだけでなくて、バナナ形状のプラグの棒のところがしっかりしていて、膨らんでいると中々穴に入らない。それでも真っ直ぐに射すとすっきりと奥まで入る。抜き差しも悪くはなくて、緩々になる感じがない。最大限接触面積を広げる苦心が見える。

RCAとステレオミニプラグの接続コードも同じメーカーの製品であったが、これがまた評判通りで、接触が危うくなるステレオミニプラグのメッキと形状も優れているが、それに合わせてケーブル自体も細目に仕上げてあって、プラグもグリップも細めでスマートである。梃子が掛かり難いように考えられている。

銅線の中身を吟味するよりも意外にこうした小さな製造コンセプトの表れ方で、その製品の実力が分かることも多い。



参照:
初めてのデジタルアムプ 2023-01-04 | テクニック
ムルク谷へと降りて行った 2021-11-09 | アウトドーア・環境
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初めてのデジタルアムプ

2023-01-04 | テクニック
出力160Wのデジタルアムプが届いた。箱は中華ものとしては安物臭い。ハウェイのタブレットとは価格も違うが、昨秋の同価格帯のFiioの箱よりも悪い。あまり高級感とか音作りとかを考えていない証拠であろう。Fosiオーディオというメーカーであるが、この辺りで評価が出来る。

但し本体の仕上げや入出口の金メッキなども綺麗になっていて、何よりも煙草入れ大の大きさは嬉しい。スピーカーの接続に所謂バナナプラグが着脱簡単で、シュートの危険がない為に使い易い。PC周辺は動かすことも多い。

スイッチを入れただけのサーノイズは若干あるが、PCの通常運転音と比較して目立つわけではない。今迄はアクティヴスピーカーを上に設置していたので、身近ではなかったが、同じぐらいのノイズは出ていた。

先ずデジタルアムプはLED電球のように熱を出さないのが素晴らしい。つまり無駄な消費をしていないことだ。これを確認しただけでも価値があった。そして8オームのキューブからは十二分な音量が出せる。時計の針の9時ぐらいで通常に流しておける。それでも管弦楽の総奏は可也大きい。最初に音出しした時はフロントを上げていなかったので真っ直ぐの音が耳に届かなかったが、フェースアップすると、高音が切れているもののバス以外の基音がばっちりと出る。

デジタルコンサートホールのアーカイヴのハイレゾはヘッドフォーンには至らなくあまり感心しなかったが、定位感が明晰極まりないのでカメラとのずれを感じるほどであり落ち着かない。

その分、復活祭でのオペラ中継録画は管弦楽がもぞもぞして平土間前部で反射を聴く感じで、雰囲気があるだけでなく、その定位感がやはり舞台向きだ。兎に角中域の押しが強い。こうなるとどうしても台詞の長そうなフランス映画を観てみたくなる。

そのスピーカーのコーン紙のレスポンスが可也早いようで、画面と比較して、出てくる音に遅れがない。そのスピード感がこの組み合わせでの最高の成果に違いない。

改めてこのオーラトーンのスピーカーはオシロメーターで合わせる為の音を聴く位相合わせの為のモニターであると再認識する。PCの後ろに置いたり適当に流すことになるので平素は関係ないが、録音の基礎的な技術面を評価するには最適なモニタースピーカーである。

アムプの評価は、音楽鑑賞用のスピーカーではないので容易には出せないのだが、解像度は可也高いような印象はある。但し質感はやはりDACからのヘッドフォーン直出しには遠く及ばない。どちらかというとブルーテュ―ス接続のノイズキャンセルヘッドフォーンに近い。隔靴掻痒なもどかしさはある。

それゆえの充満感はないのだが、鳴りの余裕が効してか、歪みの有る喧しさ感はない。子供の時に使っていたフォスターのブックシェルフよりもゆったり感が得られているのはやはり不思議な感じである。それもモニターやらPCに立ちはだかれた後ろでそれ程籠らずに悠々と鳴っている。



参照:
デジタルアムプで年末調整 2022-12-30 | 暦
耳を掃除してチェック 2022-11-13 | 暦
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イン河沿いの小さな町

2023-01-03 | 
ラッツィンガ―教授が亡くなった。大晦日の9時半頃だった。1月6日に葬式があるらしい。まるで計ったような亡くなり方で、医者陣の腕もあるだろうが、ご本人の心掛けが違ったのだろう。

教授の書籍は三冊も購入した。三冊以上購入している作家はそれほど多くはない。要するにファンである。「ナザレのイエズス」と題したキリストの生涯を扱った書物であるが、そこは総本山の頂点であるだけでなく、現時点でのそれも保守派のその神学を体現している人の筆なので興味が尽きない。正直この人が書くからこその価値があって、他の人が書いても解釈でしかなくなてつぃまう感じで、この論客であるからこそここまで綴れたのだと思う。

どのような文章でも、門外漢にも分かる平易な言葉で本質を語れる者こそが本物である。そもそも「普通の教皇」にはそこ迄語り尽くせるだけの知能がないだろう。何時かの宗教のサブカルチャー化に警鐘を鳴らす反論も素晴らしかった。

元々オーバーバイエルンのイン河のマルクトルなんて小さな街の厨房の小間使いのような母親の家庭出身であり、ヒトラーユーゲントとしてもブイブイ言わせていたような腕白少年だったようだが、早くから神学で名を成していることをみても余程の秀才だったに違いない。

弟さんのレーゲンスブルクのシュパッツ合唱団指導でハラスメンスで訴えられた高名な神父であって、コロナ期間中に亡くなった。こちらもヒットラーユーゲントで活躍したようで、一度だけ同席したことがあるのだが、堂々巡りのようにお付きを引き連れて大司教以上に威厳があった。

恐らく二人とも似ていて出来る兄弟だったのだろうとそのように優秀であったと同時に権力志向がとても強かった印象がある。父親が警察官だったので、昨夏旅行したキムゼーの近くの町に引っ越していて、なるほどあの辺りの人生観とか生活感とかはなんとなく分かる感じがする。

六月の宿を幾つか押さえている。まだ最終決定していないものもあって、予備の為に押さえているに過ぎない。それでもミュンヘンから廻って来てワイン祭りで帰宅できないという前提で帰宅途上で更に二泊を入れておいた。次なる公演地への往復の便利もあるのだが、安くて更に快適に過ごせるところは早くから押さえておかないと後では見つからない。直前になってもそれ以上にコストパフォーマンスが高い宿泊は見つかり難いとなれば、其の儘となる可能性が強い。

三月も一泊は押さえてあるのだが、こちらも状況によっては二泊にするかどうかも考えている。九月もルツェルン周辺以外はまだ押さえていないので、もう一件押さえておかないといけない。以前は旅行するのに半年や一年前から計画するなんて言うことはなかった。予約なしで泊りに行くことが殆どだった。ネット予約がなかったからでもあるが、今の様に公演を目印にしてその期日に旅行するなんて言うことがなかったからである。



参照:
クリスマスの第一祝日 2012-12-25 | 暦
天使が空から降りてくる 2022-08-02 | 雑感
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