著者は夏樹静子。
著名なミステリー作家の腰痛闘病記とでも。
腰痛は誰でもなる可能性のある病のひとつ。つまりポピュラーなんです。
そんな腰痛に売れっ子作家、夏樹静子さんが、、、、それも死にたくなるくらい激しい腰痛だった。
彼女くらい有名な人だから、ありとあらゆる方面から、治療法の情報が集まる。それも名医と呼ばれる医者にかかって、病が奇跡的に治ったという話ばかり。
この世に名医がいかに多いかと、、、。
夏樹静子の腰痛の原因が皆目わからない。
西洋医学から漢方、心霊療法、、、それもひとつずつじゃない、人から勧められるまま、金はたっぷりあるから手当たりしだい。
彼女のミステリーより面白いほど、、、ミステリーなんです。
腰痛は、今までは単にぎっくり腰のように、筋肉と骨の不整合のような純粋に物理的、西洋医学的なものが多かったが、、、最近はストレスのような心因で起こりえることがわかってきた。
だが、、、腰痛に水泳が良いといわれれば、プールに通い、治らずにかえって無駄に時を費やし、悪化の一途と言う羽目に。筋肉を鍛えれば腰痛は治ると信じ、、、。
何をやっても治らなかった腰痛だったが、、、漢方の先生たち、精神科の先生方は、遠回りだが、「夏樹静子」からただの主婦になれたらと進められた。それは強い言葉デじゃなかったが、、、「いつまでも第一線という執着がいけない、ただの主婦、おばさんとして生活してみたら?」
それから、心療治療をうけるようになり、心身症と判断され、その治療を懐疑的に思いつつ受け、最後は劇的な回復をする物語です。
こんなことが、、、あるのか、と読まれる方は多いと思います。頑張りすぎたり、私は陽気でバリバリ仕事をする人だもの、躁うつ病にはかからない、、、と。
夏樹静子さんのような知識もありバイタリティがある方が、むしろ何かをきっかけに、心身症にかかり、心理的なことから腰痛や胃潰瘍になったりするものなんです。しかも見た目にも、自覚的にも心身症や躁うつ病に思えないのが不思議なところ。
実際に著名な作者が体験したミステリーな腰痛話を読んでください。こんなことまでと言うことまで体験しています。治った今は笑い話ですが、病のさなかにいる当事者は、地獄の中をさまよう亡者のようです。それから生還した夏樹静香さんの、傑作体験記です。
お勧めします。
人の体と精神はミステリーにあふれています!