つちのこカメラ23
ROLLEIFLEX 3.5F
ローライ・フレックス 3.5Fは、学生の頃、夏休みと年末のアルバイトで買ったものです。なけなしのお金をはたいたから、2.8Fとどちらを買うか迷いました。廉価版のプラナー75mmf3.5でしたが素晴らしい描写で満足。f2.8は知らないがf3.5で十分です。なによりコンパクトなのがローライの特徴なので、私はこちらが本来の姿じゃないかと思います。
露出計は絞りシャッター速度に連動します。220フィルムがそのまま使えるのも特徴のひとつ。
クランク巻き上げ。絞りはカメラに向かって右の丸いノブ。シャッターは向かって左の丸いノブで調整。
それらの表示はビューレンズの上にでます。
ピントは右サイドの真ん中のノブを回すと、レンズが付いた前板ごと前に繰り出します。
コチラサイドには色んなノブがあります。
下の丸いノブは露出計のフィルム感度、露出倍数などの調整。
ライトバリューの表が後ろに書いてあるけど、使ったことが無い。
ファインダーを開け、通常の撮影状態。
ファインダーはワンタッチで開け閉めできます。
フィルターは内側のバヨネット、フードは外側のバヨネット。
ローライの特徴は、アイレベルファインダー撮影が簡単なこと。
ファインダーの前板を内側へ押し込めば、6×6のフレームになります。
しかも、ピントまで見れるのです。小さな接眼ファインダーの下に、レンズとミラーを介して、ピントグラスの真ん中を見ることができます。
アイレベルでカメラを構えていても、ほんの1cm目を下にずらすだけでもピントを確認できます(逆像ですが)。2眼レフでも速写性があるのです。
底辺部には裏蓋のロック機能があります。矢印の上のレバーを左に回すと、その上のレバーが外れます。
すると、裏蓋があけられます。
裏蓋の開閉です。とてもしゃれています。
裏蓋ヒンジのところで、簡単に裏蓋ははずせます。ロックの小さなピンがあるだけ、、、ドイツには物の仕組み、機能が良くわかった職人がいるんですね。
日本製のカメラには、これほどのシンプルからくりはない。
裏蓋をはずして、35mmフィルムを使うローライキンというパーツがあった。これで35mmフィルムを使うのは邪道だと思うが、、。
1枚撮りの裏蓋もあったような、、、。
フィルムは下から上へ巻き取ります。
未撮影のフィルムはここから見えないが、下側に入れ下の細長い2つの棒の間を通して、上のスプールに巻きつけます。
すると、フィルムカウンターは自動ストッパーになります。ちくいちスタートマークを合わせる必要がない。
ずいぶんと時代の先を行っていた機能でした。
ハレーションや内面反射には徹底的な対策がされている。コレでもかというくらいだった。空間に余裕があるからだろう。
ビューレンズは75mmのF2.8
3群3枚レンズだそう。
露出計はセレンで電池が要らないけど、さすがに○十年もたっているから精度は怪しい。
左手の小さなレバーはストロボとフラッシュバルブの切り替え。
ビューレンズにはフィルターをつけていなかったので、傷がいっぱい付いてしまった。
コチラは撮影レンズ。
5枚構成のプラナーです。レンズはf3.5と暗いけど、シャープさは素晴らしい。f5.6、1/30の手持ち撮影でばっちり。
人によっては、はずれレンズと言う人もいるが、どうしてどうして、コレがはずれだったら、世の中のブローにカメラのレンズは、オールはずれと言うことに、、、。これより良いレンズといえば、ペンタ6×7の75mmf4.5ぐらいじゃないか。ペンタのこのレンズは35mm用レンズと比べても、ずば抜けてシャープだった。
ローライは愛着あるカメラだから、記事が長ーくなります。
シャッター周りのレバーはロックです。シャッターを押せなくなるし、バルブ撮影でシャッターを切った後レバーを倒すとタイム撮影になります。つまり、2つのロックができるのです。
シンクロ接点には抜け防止のための押さえレバー付き。
ビューレンズはコーティングが青いけど、撮影レンズは麦わら色です。
カメラを構えると、このようなアングルから絞りとシャッターを調整します。
左の丸いノブで絞りを、今はf11になっています。
右の丸いノブでシャッターを調整。今は1/125ですね。
ピントノブと露出計。
距離表示はフィートとメートルどちらも書いてある。
露出計は絞りとシャッター、感度、露出倍数に連動していて、カニバサミに針を合わせる追針式。
露出計はセレンなんで、暗いところでは動かない。
シャッターを先に合わせても、絞りを先に決めても、どちらでも良い。とにかく後からカニバサミに針を重ねれば露出はあいます。
小気味の良いクランク巻上げ。
巻き上げクランクの根元にある矢印をちょっと動かし、クランクを逆に回すとシャッターチャージのみができます。つまり多重露光ということです。
220フィルムを使えるが、裏蓋の厚板を切り替えて、このレバーを24にあわせ、12枚撮影したところで、この小さなレバーを12に切り替える。
フィルムカウンターが24まで無いのだ。12までしかないカウンターを使って24枚撮りに対応している。
この合わせを忘れると、220でも120のように巻き上げてしまう。
それでも220フィルムを、そのまま使えるのは便利でした。
ファインダーは、ホントに簡単にはずせます。
ファインダーの造り、構造には感心することばかり。
ファインダースクリーンは見やすく、八ッセルとは比べ物にならない。
フレネルレンズとマットのざらつきが適切なのだろう。
この時代の八セルのピント合わせの悪さといったら、国産カメラを使ったら使えませ―――ン。でも広告カメラマンは高価なハッセルを使いたがりました。なんでも、、、モデルさんがハッセルを使ってと要望があったそうだ。マミヤC330やブロニカやセミ版など素晴らしいカメラがあったのに。でも時代が変わり、国産のよさが世界に知れ渡ると、海外のカメラマンまでが日本製の大判を使うようになりました。フィルム時代の終わりには、ブロニーカメラは国産の独壇場だった。
スクリーンも簡単に交換できる。だがこのスクリーンで十分です。
ここにも、すごいからくりが、、、。
ビューレンズがミラーに写っています。
ファインダーの6×6のフレームが撮影距離によって前後に動いて、パララックスを完全に補正してくれます。ピントを合わせると金属フレームが動きます。
マミヤのC330だとフレームは動かないけど、視野の注意棒が出てきます。
ローライは仕事には使えなかったが、旅先にはよくもって行きました。
一度だけ、このローライじゃなきゃ撮れなかった仕事がありました。
スキー場でプロ・スキーヤーの方にカメラ前で雪煙を上げターンしてもらったのですが、その日はうす曇で日が弱く速いシャッターが切れない。
ターンの瞬間の、雪が飛び散るさまをバッシと撮りたかったのだから。35mmカメラはストロボの同調が遅く、ましてハッセルじゃタイムラグがありすぎ。
そこでサブカメラとして持っていったローライで、ストロボの日中シンクロをした。シャッターは1/500で絞りはf5.6あたり。
何度もターンを繰り返してもらい、表紙を飾る良い写真が撮れた。
粒状製の良いフィルムを使ったから上がりがきれいでした。
レンズシャッターでタイムラグがゼロのローライのおかげでした。
軽いしぶれないし良いカメラです。
アサヒペンタックス67mp記事
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20100421
フォクトレンダー ブリアントの記事
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20080828
ハッセルブラッド500Cの記事
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/d/20071002
マミヤC330Sの記事