音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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「音楽で太陽が昇る」をふたつご紹介

2006年05月11日 | 音楽(一般)

自分の所属する大学のオーケストラの定期演奏会が迫っておりまして、
ピアノ弾きは、オケに参加することできず(ピアニストって、そういう意味で
やっぱり「孤独」ですね・・・泣)、
しかし、
せっかくの機会だから、オーケストラの練習などを覗きに行き、色々と
音楽に触れてこようと行ってきました。

刺激がいっぱい・・・・・ここには書ききれませんでした。
いや、書こうと試みたのですが、支離滅裂の興奮状態!?に
なってしまい、残念ながら・・・

ところで、
今回の定期演奏会の後半のプログラムが、
ラヴェルの作品でまとまっておりまして、

《ダフニスとクロエ 第2組曲》
《ボレロ》

となっております。

で、
本日のお題の「太陽が昇る」とは・・・・・
●《ダフニスとクロエ》の冒頭でした。

大学図書館にて、この《ダフニス》のポケットスコアを借り出し、
それを片手にオーケストラの練習を聴きながら、びっくり・・・・・!!!

スコアにラヴェル自身が、書いているんです!!!
音楽の情景を言葉で!
これは、びっくりしました。
ラヴェルが、スイスの時計職人よろしく、細部の細部まで事細かに書き記した
楽譜は、決して無機質なものではなく、
ファンタジー溢れる、フランス的な音楽が溢れかえっているのです。
それを、目の当たりにしたようで・・・
とれもうれしかった。

作曲家の書いたことを読み込む、アナリーゼするといった行為は、
音楽をしていく上で、決して無機質な過程であってはならないと
強く感じるのです。彼ら、過去の大音楽家達のすばらしい音楽の世界を、
垣間見てみたい。それを「人間」として共感し、共有したい!!
それが、クラシック音楽の存在価値であり、我々人類の「宝」であり、
それはまさしく「芸術」のひとつであり、それを我々皆がたのしむ
権利があるのだと思います。音楽って・・・いいですよね!


そんなすばらしい音楽のひとつである《ダフニス》の
冒頭から数小節には、作曲者自身の指示で
「Peu a peu le jour se lève.(少しずつ日が昇る)」
と書いてありました。
「On percoit des chants d’oiseaux」
鳥がさえずる様子が・・・・ヴァイオリンとフルートで奏でられる。
2種類の鳥さんが鳴いているようです!可愛いです。
夜明けを待つ鳥・・・あちらこちらで鳴き声が大きくなる、そして・・・

ついに太陽がその姿を現します!!・・・それが音になっています。
D-Dur(ニ長調)の和音に6が付いた音(D・Fis・A・H)は、
お洒落な雰囲気をかもし出す効果を最大限発揮しています。

「音そのものの持つ力」と「ファンタジー」の結合・・・・
その一例をここに見ることができます。感動します。


そしてもうひとつの太陽が、
以前、この日記に
●ベートーヴェンの《ピアノソナタ21番 op.53“ワルトシュタイン”》
3楽章の冒頭が、日の出のようだと書いたことがあります。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=127936301&owner_id=3835718

こちらは、言ってみれば英雄的!?太陽に触発され、我々人間が奮い立つよう
感じることのできる力強さを、このベートーヴェンは音楽にしているようです。
《ワルトシュタイン》は、そういう意味でも「力沸き立つ」音楽、
「パワーをもらえる」音楽だと強く感じます。

聴きおわって、「はぁ~~~!!!!!よかった~~~!!!」って。

一方、
今回自分が体験することの出来たラヴェル《ダフニス》の日の出は、
純粋に「情景描写」のよう。しかし、太陽はやはりあまりに美しい・・・!!



・・・自分は、早起きが苦手な性質でして、日の出を拝むことは滅多にありません・・・
しかし、初日の出を見に行ったことは何度もあります。

日本のお正月は(不思議と)よく晴れますよね!?
お陰様で!?新しい一年が明けるとともに、太陽が明けるのを何度か
見ることができたのですが、

朝の静けさ・・・・地平線の向こうが白々と明るくなり、
ついに金色の太陽が頭を見せる様子・・・(・・・以前にもこんな文を
書きました・・・僕は「太陽フェチ」なのでしょうか!?自爆)

自分にとっては、多摩川沿いの河川敷の、この初日(はつひ)が印象的で、
脳裏に焼きついているようです。

そんなすがすがしい思いを、音楽を聴くことでも体験できる・・・って
おもしろいです。


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