音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

♪クラシック音楽の伝統を受け継ぐ真の音楽芸術家を目指して活動しています♪ 「YouTubeクラシック音楽道場」も更新中♪

◆クラシック音楽を愉しむコツは、名曲達の「調性」を知っておくこと!?例えばブラームスの「ホ短調」

2011年02月11日 | ◆一言◆
今更ながら・・・されど、
とても大事なことと、ふと思われましたのは、
(これは音楽をしながら、常日頃、思うところあるのですが)

クラシック音楽において、
様々な楽曲・さらには多くの人に知られる
「名曲」なるレパートリーも少なからずあります。

そして、
名曲にしろ、あるいはそうでない曲にしろ、
ある音楽の持っている「調性感」というものが、
その曲以外の音楽においても、
その調性が聴こえ、それが各々の知っていた別の曲の「調性感」と一致することで
その瞬間・今そこにある音楽のイメージが増幅され、
その音楽に対する大きな近親感・充実感を
得られることが出来るのではないか!?

と思う次第なのです。



例えば、今しがた
ブラームス作曲のある曲を勉強していたところ、
「ホ短調e-moll」という調性が現れて、ふと私の脳裏をよぎったのは、

「あ・・・4番の《交響曲》がホ短調だ・・・!!」

という思い。
ブラームスにおけるこの調性のイメージが彷彿され、
なんだかその音楽を「掴めた」!?かのような
感触を得る契機となったのです・・・


このような感触は、
現場の楽曲に現れる調性と、
他の楽曲との関連が見付かったときに味わう
少なからぬ満足感、と言う事もできましょうか。



ちょっと試しに、
ブラームスの「ホ短調e-moll」について
さらにイメージを膨らませてみますと・・・

思い浮かぶのは、
最後のピアノ独奏曲集《op.119》の最初の曲が、
「ホ短調」だったはずです。
不協和音ばかりの、なんとも切なく物悲しい音楽で
あったことが思い出されます・・・

上記の《交響曲 第4番》にしても、
1楽章の、あの切ないメロディー・・・
終楽章の「パッサカリア」は、とうとう「ホ短調」のまま
終わりを迎える・・・まるで救い無き音楽・・・!?

確か、この曲の初演に際しては、
世間からはあまり評価を得られず、
21世紀の今日の我々にとっては「名曲」といわれるこの音楽が
当時は、作曲家の失望のうちに世に出回ったという
なんとも悲しいブラームスの孤高の晩年の姿・・・
というエピソードも、思い出されます・・・


ちょっとブラームスを離れることを許されるならば、
J.S.バッハ作曲の不朽の名作《マタイ受難曲》の冒頭は、
この「ホ短調e-moll」で始まります・・・

通奏低音の、長い長い主音「ミ(E)」が奏でられながら、
それが初めて動き出す上昇の順次進行に
心を・魂を揺さぶられるかのような思いを抱くのは
きっと誰しも同じではないでしょうか・・・!?


ピアノ弾きの自分としては、
ベートーヴェンの《ピアノソナタ》においては、
《第27番 op.90》が「ホ短調」であることも
ちょっと触れておきたくもあります。

後期ベートーヴェンの作品群へと進む前夜の、
緩急相携えた2楽章からなる珠玉の名曲と思われます。



というわけで、
「ホ短調e-moll」ひとつを取っても、
(まだまだ一杯思い出せない
 この調の具体例・イメージがある気がして
 我ながら情けない気もしてしまいますが!!)

少なからぬ、多くの楽曲・それに付随するイメージを
列挙させることが出来るのではないか、
と思われます。



クラシック音楽の
きら星のごとく輝く名曲の数々、
それぞれの固有のイメージを有する「調性感」は、
知れば知るほど、
他の音楽との連帯感を有するチャンスが生まれ、
様々な音楽を掴み・愉しむ満足感を得られる可能性が
どんどん拡がってゆくのかもしれません。


是非とも、
「調性」というものに意識を持って、
色々な音楽に触れてみてはいかがでしょうか。











コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ◆2月9日(水)【クラシック音... | トップ | ◆ショパン《エチュードop.25-... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。