ベートーヴェン《ピアノソナタ第3番》より
〈第2楽章〉の 楽曲解説・和声解析の動画となっております。
ロマンティック!?とも言われる珠玉の逸品、
そしてドラマティックでもあり、ほの悲しくもある音楽・・・
お愉しみいただけましたら幸いです♪
【楽曲解説・和声分析】ベートーヴェン《ピアノソナタ第3番 C-Durハ長調 op.2-3》〈第2楽章〉
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0:00~ 駄作が一つもないと言われるベートーヴェンの中でも【珠玉の逸品】
0:56~ 事前に楽譜に書き込んでからの解説、「調」「II,IV,VI和声解析」「文法」「X(不協和音)」「音価休符」「Pedal」「反復音」「声部」「拍感」
2:40~ チェルニー著『ベートーヴェン全ピアノ作品の正しい奏法』を参考
3:18~ 曰く「ロマン的傾向、絵画的・詩的なアダージョ。」
5:00~ 「冒頭から溢れんばかりの情緒」「ですが決してテンポを崩さないように、休符が多く聞く者が追えません」
5:57~ ★テンポを崩さずに「拍感」をしっかりと数えながら弾いてみると(八分音符=50) ①(で)のと, で, ②(で)と(で)...etc...
8:10~ 1~6小節それぞれの②拍目、八分音符の長さに気を付ける〔音価休符〕、★ペダルを使わないで
8:33~ ★ベートーヴェンを弾く際の【ペダルの使い方】、反復音レガートの際にペダル使用
10:00~ 《ピアノソナタ第2番op.2-2》第2楽章と同じペダリング
11:17~ ★調、和声について。# 4つのE-Durホ長調
11:41~ 冒頭Sol♯は第III音〔性格音〕、主音から数えて〔長3度〕ゆえに〔長調〕、〔短3度〕なら〔短調〕
13:34~ 2小節、Miは第I音で落ち着いた主音、4小節のSiは第V音、同じ〔トニカ〕でもメロディ開始音でニュアンスが変わっている
14:16~ 1~6小節それぞれの②拍目、〔ドミナント、Vの和音、属七〕で終わる〔半終止(文法)〕は「疑問文、問いかけ」のニュアンス
16:13~ 5小節、悲しげに聞こえるfis-moll嬰ヘ短調、②拍目は〔半終止〕
17:05~ 短調は「ネガティヴ」な、長調は「ポジティヴ」な音楽性
18:02~ 7小節、またすぐE-Durに戻っている
18:24~ ①拍目の音はE-Durの〔ドッペルドミナント〕
19:00~ ②拍目の音はE-Durの〔IV度調のV度〕、転調ではなく
19:46~ 【II,IV,VI和声解析】II,IV,VIの音に盛り上がり、3小節、4小節においても
22:55~ それぞれ転調ではなく、E-Durを強く感じる難しく高度な音楽性
23:39~ 8小節①拍目、〔D46〕を大事に思う伝統
25:21~ 10小節、終わりは〔半終止〕
25:42~ 11小節〔中間部minore(短調)〕、チェルニー曰く「左手旋律レガートで表情豊かに、右手の伴奏もレガートで最高音(第VI音)をちょっと押す」
28:14~ Bassメロディ、★オクターヴをレガートで弾くにはペダルが不可欠
29:50~ 13小節①拍目、八分音符の後の八分休符は「指を離す」ことで出来るので「ペダルを無駄に使わない」
31:34~ 13小節、空の彼方から聞こえてくるような高音の旋律、Fa♯はG-Durト長調の導音で転調
32:27~ 会話・ドラマが始まる(ロマン的な音楽)
34:56~ 19小節~、チェルニー曰く「低音にその都度、一瞬(Augenblick)ペダルを」
37:20~ ソプラノのメロディ
38:00~ 21小節②拍目、突如あらわれる「男声」Mi♭は短調的ネガティヴな第VI音
41:06~ 23小節、ベーレンライター版においてはアクセント無し(世界初)
44:02~ 19小節~、アクセントの音には親指を使ってしっかりと、アクセント無しでは長い指(2,3,4)を使うと差が出る
45:02~ 26小節、低音Bassのff、冥界の王ハーデスのよう、すなわちソプラノはエウリディーチェ、男声はオルフェオ!?
46:51~ ★当時のピアノの最低音はF、なのでMiはオクターヴに出来ず単音で書かれている
47:50~ 《ピアノソナタ第28番op.101》において「Contra E」の表記あり、新しい楽器が届いて最低音が広くなった喜びを書き表している!?
49:32~ 楽器の最低音・最高音を叩き続ける《熱情ソナタop.57》の迫力
51:50~ 28小節、Sol♯が現れてa-mollイ短調に転調(27小節で既にe:〔ドミナント〕がa:〔ドッペルドミナント〕にエンハーモニック転調しているとも考えられる)
53:45~ 31小節、Do♯が現れてh-mollロ短調に転調
54:33~ 33小節、h-mollにおけるDo♮の音は〔ナポリ〕という特別な音
57:08~ h:〔ナポリ〕=e: 〔VIの和音〕とエンハーモニック転調
58:11~ e-mollは、この楽章の主調E-Durの同主調、元の調へ戻ろうとしている
58:39~ 34小節、ソプラノは第VI音から第I音に〔全終止〕、切ない声
59:07~ 35小節、低音Bass、初めて静かにpのまま、36小節は〔ドッペルドミナント〕
1:01:24~ 37小節~、スラーの付いている音は、どれも不協和音の痛々しい音〔倚音〕、ベートーヴェンの扱う音の妙技
1:03:56~ 41・42小節、大きなアルペジオ、魔法の時間は終わり?
1:04:28~ 43小節、最初のメロディに戻る。ここはpの音量では無い? 冒頭はp(p(ピアノ)は「弱い」ではなく「静か」)、弱弱しく弾くのではなく、しっかり情感豊かに大事にするのがベートーヴェンの音楽の弾き方
1:07:34~ 53小節、右手オクターヴは、ソプラノと男声のデュエットと解釈できる
1:08:58~ 53小節、急に現れるC-Durハ長調のff、男の決意!?(冥界へ迎えに行こうとするオルフェオ!?)
1:10:50~ 55小節、pをベートーヴェンは書いていない、大き目な音で!?
1:11:30~ 56小節、〔VI度調のV度〕から57小節〔VI〕へ盛り上がる
1:11:57~ 57小節②拍目、La♯はe-mollの第V音を目指す〔ドッペルドミナント〕
1:12:34~ 58小節、Sol♯がきてE-Durの〔D46〕
1:12:59~ 59小節~、ソプラノの歌、第I音Miに落ち着き
1:14:56~ 61小節②拍目、まだ文句を言っている男声
1:15:48~ 67小節、ソプラノによる最初のメロディ
1:16:20~ 69小節、足取り軽やかなスタッカート(右手メロディはスタッカートではなく)
1:17:30~ 71小節、スラーとスタッカート無し(ベーレンライター版のみ)(ヘンレ版、ペータース版、ウィーン原典版と比較)
1:19:53~ 72小節、cis-moll嬰ハ短調に転調してff、一喝される
1:20:27~ 74小節、〔全終止〕ではなく〔偽終止〕、「私はあなたの傍にはいられないけれど」 ベートーヴェンの亡き「母」を彷彿させる(ベートーヴェン16歳の時に亡くなった)
1:23:39~ マザーコンプレックス、ブラームス《ドイツレクイエム》も母が亡くなったことを契機に書かれたソプラノのための〈第5曲〉がある https://blog.goo.ne.jp/pianist-genseg...
1:26:31~ 75小節、低いBass、冥界の王の声、76小節~、別れの時
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☆ 瀬川玄 Gen Segawa (@pianistGS) · Twitter▼ https://twitter.com/pianistGS
☆ 瀬川玄プロフィール▼ https://blog.goo.ne.jp/pianist-genseg...